紙の本
正直、清涼院の小説が分からない。とくに『コズミック』には参った。で、それに比べれば分かりやすい。でも、これって本当に密室なの?ただの青春小説じゃあないの?
2005/03/28 21:13
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投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
「密室に閉じ込められた翔に、密室の神様と名乗る老人が告げたのは、その部屋の酸素が90分でなくなるということ。必死のカウントダウンが始まった」密室ミステリ本。
舞城王太郎の『九十九十九』の中で、何度も言及された清涼院流水の、軽やかなタッチの一冊。カバーのデザインも、実にアッサリ。
冒頭に、はじめに、がついていて、清涼院が奨めるこの本の具体的読み方が詳しく説明される。ストップウォッチを用意すること。読むのは夜のほうがいいこと。できれば眠る90分前まで、読むのを我慢すること。一人で、電気を消して電気スタンドの光で読むこと。ストップウォッチをスタートさせ、カウントダウンをしながら、ベートーベンの『運命』の冒頭だけをかけることなど。
二部構成で、一部「In the秘密室」は、『運命』の大音響と、カウントダウンで始まる。主人公は、ドイツのボンで生まれ、日本で育ったメフィスト翔、年齢は不明だが20歳前後だろう。何も無い部屋、というか半球形の空間に投げ出され、一人カウントダウンの数字を見つづける彼に、見知らぬ老人の声が告げる言葉「ワシは、あらゆる密室を司る『密室の神様』じゃ。」「ワシの秘密室にようこそ」。
記憶を封印され、734円をポケットにいれただけの翔に告げられたのは、秘密室内部の酸素が90分で、無くなるということ。そして「ボン」と口にすれば、密室ボムが大爆発すること。それを逃れるためには、ある一定のお金を差し出すか、神様が出すクイズに全問正解すること。翔と、七色の声を持つ神様との駆け引きが始まった。
二部「Out of the秘密室」については、触れない。いや、ここにエキストラ・ボーナス「歴代メフィスト賞作家名あて謎謎」があることだけは触れておこう。わたしは、問題自身に気付かずに、あとで慌てて読み返したが、どこが問題かも分からず、必死に一部のほうばかり探していて、長女に馬鹿にされた。勿論、問題は二部に堂々と出ている。
全体として、清涼院流水って、こんなだった?と思わせる軽快さで、多分、これは彼のお遊び(ま、全作品そうだとも言えるのだけれど)色が濃いもの。『コズミック』で、理解をすることに絶望したわたしにとっては、逆に今回は子供だましみたいなもので、何が清涼院の姿なのか分からなくなったというのが、本当のところ。
ここまで行くと、逆に平凡すぎるのだが。
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最後にあるメフィスト作家クイズは少し考えたが。全ては余興。もう一度『コズミック』や『ジョーカー』のように、賛否両論あるかも知れないがそれだけのパワーを持った作品を読みたい。
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ここに入れる前にほかの人の反応を見てきたらよくないみたいだったけど…私は、すごく楽しかったよ?
ただ、あの時間の進みはちょっと、遅い…けど。
キーポイントは『三重構造』。探してみると、いろんなものが三重になっているって気がついて、すごかった。密室にかけては流水先生はすごいと思うんだけど。これで『講談社ノベルズ三十周年』とかだったらすごすぎるんだけど、さすがにそれはなかったねー。
ちなみに私は、頑張って先生の言うとおりの条件で読んでみた。
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ドイツ生まれの日本育ち−−−メフィスト翔は「密室の神様」を名乗る老人によって突如「秘密室」に囚われてしまう。
90分で無くなる室内の酸素、そして仕かけられた「密室ボム」。
脱出する方法はただ一つ、「密室Yes・Noクイズ」に全問正解すること!
メフィスト翔は、たった90分で秘密室を解く鍵=人生の必勝法を見つけられるか?
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この作家の、この作品だけは、本棚に残してある。
人間が囚われている密室について考えさせられる。
人間は、時間、空間、思考の3重密室の囚人であると。
それがわかれば、十分に価値のある一冊だと思う。
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途中でカウントダウンをやめてしまいました。
自分のペースで読んだ方がいいかなと思って。
オチは想定外でしたが、読み終わった後、あまり印象に残りませんでした。
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リアルタイムで読むといいのか……ちなみに私は、指定の時間の半分以下で読んでしまいましたが(笑)。ただし、「歴代メフィスト賞作家クイズ」はしばし考え込んだかも。
相変わらずめちゃめちゃなところは楽しいけれど(そもそも主人公が「メフィスト翔」てので笑える)、収まり具合はどうかなあ。まああくまでも「個人としての」感想なんだけれど。密室に対するこだわりはすごく窺えたけれどね。
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まず、読む前にストップウォッチを用意します。
カウントダウン式だと一層良いです。
後寝る90分前に部屋を暗くして、読んでね。
という注文の多い密室本。正直にやった自分を褒めます。
とは言え、何かのオマケみたいな本。どう読もうが評価変わらないと思う。
ちなみにぺんぎんさんちゃんは投げたそうです。
正直趣味分しか感じません。清涼院ファンが読めばいいよ。
多分涙が止まらないよ。
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とりあえず90分で読むべし。
始まりはベトベンの『運命』で。
面白いか?と聞かれたら
『とりあえず時間潰しにはなった』と言う程度のモノ
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(あらすじ)アマゾンより引用
講談社ノベルス創刊20周年記念 特別書き下ろし作品
ドイツ生まれの日本育ち――メフィスト翔は
「密室の神様」を名乗る老人によって突如「秘密室」に囚われてしまう。
90分で無くなる室内の酸素、そして仕かけられた「密室ボム」。
脱出する方法はただ1つ、「密室YES・NOクイズ」に全問正解すること!
メフィスト翔は、たった90分で秘密室を解く鍵=人生の必勝法を見つけられるか?
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最後まで面白くならないので読むのにてこずった。
最初の段階で設定が「非現実」だったから
ネタバレしても「ああそう…」としか思えなかった。
密室YES/NOに関しても、どっちでも正しいような
こじつけのような問題に解答で納得できなかった。
「小説内で正解なんだからそうなんでしょ」って思って
深く考える気にならないというか…
ダジャレとかは作者のドヤ顔が浮かんでイラつく(笑)
前にこの作者の作品を読んだと時も苦手だな~と感じたのに
また手を出した私が悪かった(´・ω・`)もう読まない。
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清流院の得意技だな。
自己啓発本の小説版、小説といっても軽く書きましたという感じに思えちゃうのはどうなのだろうか。
自分が悪いか作者の手抜きか果たしてどっち。
まあ、実際にこのようなことを現実に行えることができればまた面白いかもしれない。
根本的にIn Theでやめておけばよかったのに。In theの読後をOut ofでつぶされた感じだった。