紙の本
ブックデザイン賞をあげるとしたら、私は躊躇いなくこの本を選ぶ。おまけに内容がいい。でも残念なことに全3巻揃うのはまだ先なんだって
2003/03/14 20:29
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投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
ともかく、ブックデザインがいい。装幀は中央公論新社デザイン室、DTPはハンズ・ミケ。紫色を上手に使った洗練されたデザインが、さりげなく自己主張。本の紙質がザクッとしていて、厚めの割に軽くって、ちょっと洋書のPBを思わせる、しかも「1巻」の表示が、とても粋で、最近、いいデザインの新書が増えたけれど、なかでも群を抜く存在。版画家の山中現の仕事を連想させてくれる。今のところ、これに匹敵するデザインは、新潮社の『進化論の現在』シリーズくらい。
おまけに値段が安い。これが文庫本一冊の値段で買えるなんて、それマジ? デフレもこんな形であらわれるなら歓迎だ。予定では全3冊、2巻は4月、3巻は8月に出るという。全巻揃った時は、どんな様子になるのか、想像するだけでも楽しくなる。
この本は、全3冊のうちの第1巻、1冊がそのまま章にあたる。章のタイトルは「ハルジョン」。舞台は、川が市の中心部を流れ、蛇行した支流のほとりには、古い屋敷や図書館が、野外音楽堂が点在する地方都市。登場人物は、私、蓮見毬子。高校一年生。中等部のころから大道具係で、演劇祭の背景を描いてきた。
そんな私に、高等部の晴れ舞台への協力をもとめてきたのが、美術部の憧れの上級生二人久瀬香澄、斎藤芳野だった。二人とも美人だが、趣味で絵を描くような香澄、天才肌の芳野と持ち味は微妙に異なる。誘いに私は舞い上がるが、そんな私に注意を促すのが同級生で友人の真魚子。美人で、大学生にも見られる彼女は、二人が毬子を誘った動機がわからないという。
毬子の前に、見知らぬ少年が現れ「久瀬に近付くな」という言葉を残して去る。そして真魚子の仕組んだダブルデートで、毬子はどこか真魚子に似た志摩暁臣と知り合う。私立名門校に通う彼と話すうちに、彼女は警告を発した少年が貴島月彦という名前であることを知る。毬子の母の信頼を勝ち得る暁臣、かれになれようとしない飼い犬のトト。
高校入学と同時に、長い間空家だった「船着場のある家」に引っ越してきた久瀬香澄。昔の事故の噂。小さな女の子の死。夏休み、香澄の家で始まった泊り込みの作業、少年たちの食い違う言葉。ものの印象が変わり、真意が見えなくなる。まさに恩田陸の世界。『六番目の小夜子』『麦の海に沈む果実』を思わせる学園の謎。月光に包まれた狂気。話は予断を許さない終わり方をする。次の巻が待ち遠しいシリーズの、記念すべき第1巻。『上と外』みたいにならないで、予定通り、続巻が出版されることを願ってやまない。
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全5分冊。恩田学園モノフレーバー炸裂。登場人物は全員ビューチフルあんど個性爆発。いいかげんにしてほしい(笑。ストーリーは実に美しいつうか、あいかわらずの硬質な文体(そこが魅力でもあるんですが)が物語りの神秘性をより深めます。てか恩田さん。美人のメインキャラ殺すの好きですね。
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3巻出るのを待って、まとめ買い(オトナ買い?!)しちゃった作品。美しい少年少女を取り巻く秘密に彩られた夏の一瞬…あたしの中では恩田陸の真骨頂はコレだと思ってる。ので、恩田初心者にオススメします。
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最初は、なんかあんまり…と思いながら読んでいたけど、登場人物が出揃ってきた辺りから盛り上がってきました。続きが楽しみです。
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目を閉じれば、今もあの風景が目に浮かぶ。ゆるやかに蛇行する川のほとりに、いつもあのぶらんこは揺れていた。私たちはいつもあそこにいた…。あの夏、あの川のほとりで、少女達に何が起きたのか? 書き下ろし3部作第1弾。
【感想】
http://plaza.rakuten.co.jp/tarotadasuke/diary/200506030000/
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懐かしくて少し切ない謎と刹那に香る夏の出来事。
3部作ですが、ハードカバーで1冊にまとめたものが出ているようです。でも私はこのソフトカバーの装丁が好き。
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語り手は夢見がちな少女,毬子。
登場人物が全員魅力的!懐かしい少女漫画のような世界観に引き込まれます。
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鞠子視点。まずは序章。夏休みに集まった少年少女。彼らの子供の時のある事件が明らかになっていく。終わり方は反則。すぐに次が読みたくなる。
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面白い!本が変わると語り手も変わるのですが、話もキャラクターも魅力的。難しくないしとても読みやすいです。
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3冊並べてみると、とっても可愛いらしい装丁ですね。
私は「お風呂で読書」派なので、これぐらいの薄さが読みやすくて良いです。一冊ずつ、一人称の語り手が異なるので、一日一冊のペースでゆっくり読みました(でも、1巻も2巻も、ものすごく続きが気になる終わり方!)。
恩田陸さんの小説はいくつか読みましたが、ほぼ全てに共通した独特の雰囲気が流れていて(なんだろう。薄暗い部屋で、1人静かに読みたい感じ?)、この小説も、多感な少女時代を過ごした人には、心惹かれる要素がたっぷり含まれているんじゃないかな〜? と思ったり。なんとなく、身に覚えのある感情や感覚が、的確に文章化されている気がするのです。例えば「他人の家で夜を迎えると、いつもなぜか懐かしい気分になる」とかね。
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系統としては「六番目の小夜子」系。
恩田陸さんの大好きな「美しくて魅力的な、男の子と女の子」の話なんだけど、一番最後が衝撃的。
面白い。
高校生のごく普通の夏休みを描きつつ、たまにちょっと暗い影が過ぎり、最後で一気にサスペンス!!
うわ〜もうこれは止まらない。
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全三巻。蛇行する川のほとりの、古い別荘で過ごす大人びた少女たちの夏。緊張感のあるひんやりとしたものを感じます。絵を描くシーンが好き。
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周りの人がよく読んでいた作家さんだったので読んでみた。どれにするか迷ったけど、シンプルな装丁で薄かったから。
少女の儚さが美しくていいな〜最後の数行は衝撃的!
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目を閉じれば、今もあの風景が目に浮かぶ。
ゆるやかに蛇行する川のほとりに、いつもあのぶらんこは揺れていた。
私たちはいつもあそこにいた…。
あの夏、あの川のほとりで、少女達に何が起きたのか?
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2007/2/21.
ハルジョオン。毬子視点。魅力的な少年少女での舞台背景作りのための合宿での不思議な話。やーもー駄目よ。まず人物に魅了され引き込まれ、次に話の浮遊感というかなぞめき具合に引き込まれる。最後までのスピードがすごい。香澄と芳野の関係。素敵ー。離れられないの。次へのつなげ方が上手いよなーほんと。