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みんなのレビュー2件

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2 件中 1 件~ 2 件を表示

紙の本

リーダビリティが高いなんてもんじゃない!!壮大な歴史冒険小説でした

2006/07/21 18:44

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:読み人 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 本書は、もう読む前から、わくわくしていたわけです。
 物語は、16世紀の中ごろの歴史のうずもれてしまった、
フランスのブラジルへの遠征を描いています。
 そのブラジルへの殖民を率いたのが、ヴィルガニョンという歴戦の
騎士です。
 その遠征にあたって、原住民との通訳として、言葉の習得が柔軟で早い子供を連れて行きます。
 それが、本書の主人公である、ジュストとコロンブの兄妹です。
いっしょに育ち、大変仲睦まじい兄妹なのですが、ブラジル到着後は、
二人とも、生きかたが少しづつずれていきます。
 先ず、大西洋を渡る航海自体が、命をかけた、大冒険です。
船員たちは、壊血病と嵐と戦いながらの航海です。
 で、どうにか、ブラジルと思われる場所に到着するのですが
ブラジルへの植民について、あまり歴史的に詳しくないのですが、
ブラジルがポルトガル語を話す様に、もうポルトガル人が、
かなり植民しています。
 しかも内陸のブラジル本土には、人喰いを習慣とする原住民が
居り、でヴィルガニョンらは、これらを避けるように、
ブラジル本土でなく、沿岸の小さな島に上陸、そこに砦を築きます。
島では殆ど、食物の栽培が出来ず、食料は、現地住民から金で取引している状態で
原住民とポルトガル人に怯え、中々士気のあがらない、砦建設と植民計画。
その後、植民渡航の第二陣が、到着後島では、宗教的対立がおこり、、、。
 リーダビリティの高い世界文学というより、
壮大な、歴史冒険小説です。
 それを、リュファンは、リアリティを全面に出し、
冷静に行動と実際に起きたことのみを描いていきます。
 歴史的に見て、西洋人が勝利し、現地住民を駆逐していったのは、
植民時代の後半で初期は、西洋人たちは、怯えながら生活しています。
 又、漂着し既存の西洋人社会より、原住民との生活にマッチした
謎の西洋人がいたり、
又、勿論、異文化異文明の衝突など、
 歴史というもの、世界というもの人間というものを、大変クールに
リュファンは、描いています。
 この植民計画のリーダーのヴィルガニョンも使命感に燃えた、
悪い人ではないのですが、典型的な、当時の貴族人で
海をわたっていった、一般植民たちの人望を集めることは、できません。
又、このヴィルガニョンが、第二陣の援護を頼んだのが、
大学時代の学友のカルヴァンで、最初、宗教改革者の同名異人物かと
読んでいるうちは、思っていたのですが、
 なんと、あのカルヴァンその人で、やってきた第二陣の多くは、
新教徒たちでした。
これが、欧州本土の宗教対立を先取りする形で、この小さな島で、
修復不可能なほどの宗教的対立がおこります。
 主人公の二人も、兄と妹の兄弟なのですが、
この植民船団に乗船する時に、妹は、男だと、偽って乗船します。
妹のコロンボは、この自分のアイデンティティを
共同体内では衣服と言葉で隠していることが、
既存の西洋人社会への反発、又、殆ど裸で包み隠さず生きている、
原住民へのシンパシーへと共鳴し、やがて、原住民たちと暮らすようになっていきます。
 この辺が、大変リアルだし、小説として、とても上手いです。
兄の、ジュストは、ヴィルガニョンから、後継者として教育を受け、
既存の西洋人社会または、その価値観を守る
使命を強く胸に秘めるのですが、果たして、、、。
 なんか、気がついたら、全部書いてしまいそうなので
この辺で自重しますが、
(それぐらい、面白かったんですよ)
兎に角、リアリティというものを、全面に出し、
写実的に書き、物語を紡ぎ出すことが、小説の古典的手法
だと、改めて、認識させてくれる小説です。
 そして歴史の隠れた一面に光を当てた、正に波乱万丈の冒険小説です。

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紙の本

王道を行く中世の大冒険譚

2003/02/13 05:04

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ヒロクマ - この投稿者のレビュー一覧を見る

 16世紀中頃、騎士ヴィルガニョンに率いられた3隻の船団が、ブラジルにフランス王の植民地を建設するために旅立った。乗り組み員の中には、現地で原住民との通訳にさせるためにジュストとコロンブという孤児の兄妹が乗せられていた。しかし、乗り組み員は全員男性という決まりがあったため、妹は男の子になりすましていた。
 数カ月の航海の末にたどりついたリオは、深いジャングルと食人の風習をもつインディアンたちが住む未開の地だった。
 インディアンたちとの接触を通じて、彼らの自然との交流や価値観にひかれていく妹。一方、騎士道精神に目覚め、植民地の建設に尽力する兄。
 その間に、フランスでの宗教対立がここでも起き、植民者たちは分裂する。さらにフランスに先んじて植民を開始していたポルトガルが、彼らを排除するべく迫ってくる。
 兄妹の関係を縦軸に、宗教戦争、植民地の争奪をめぐる権謀術数、異文化との接触による価値観の対立など、さまざまなエピソードが折り重なり、クライマックスのポルトガル艦隊との闘いに向かう。
 実話がベースになっている。アメリカ大陸への進出というと、スペイン、ポルトガルがまっ先に思い浮かぶが、フランスにもこんな話があったのだ。
 基本的には王道を行く大冒険譚であり、中世の大航海ものが大好きな人なら存分に楽しめる。
 それにしても読み終わって感じたのは、いつの時代も異なる宗教、文化が接触したとき、その妨げになるのは個人の価値観ではなく、国家の利権なのだということだ。インディアンたちの価値観を受け入れ、彼らと共存の道を探る妹。それに対して、ヨーロッパの宗教感を一方的に押し付け、それにそぐわないものは全て神の摂理に反すると除外しようとする本国の意志。
 今の時代もやってることは基本的に変わっていない。

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