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鹿島茂という人はエッセイの面白い教授で私は好きなのですが、その一端を教えてくれる本。私も論文書いて学校を出ましたが、今思うと一発芸。これ、先に読んでおけばよかったなぁ。大学の卒論くらいならこれを読んでおけば結構手がかりになる気がします。
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学部生・院生必読の一冊だと思います。
問いの立て方から批判的考察、資料の集め方など、説得力・信頼性のある論文を書くためにはどうすれば良いかがとても明解に書かれています。
特に、問題を縦軸と横軸に視点をずらして検証するということは、当たり前のようで、文字にされると改めてその重要性を感じます。
詳しくは本文に譲りますが、「連鎖式」「並列式」の2つの論文の書き方は、自分もこれから意識し続けていこうと思います。
ただ、どうしても例が長い。もう少しコンパクトに例を提示してもらえれば読みやすくなるのに、あまりに例が冗長になってしまうのは、著者の性格もあるのでしょうか。内容があるだけに、それが個人的にはもったいない。
でも、それを差し引いても、やはり必読の一冊だと思います。ぜひ、手にとってみてください。
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観点:勝てる論文とは何か?+それが備えるべき性質とは何か?
タイトルの勝つためには不要
→日常生活、ビジネスで生かすという意味でかかれているからか?
コーパスについて、資料について有益な示唆がある。
p.173 ウォーラーステインが第2章で~の部分が唐突。
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・ 考えるためには、まず問題を立てることができなければならない。
・ 論文は必ず問いから始まらなければいけません。そして、それの答えをこれこれこういう理由だから、こうなんだとはっきり証明するかたちで結論へと導く、これが論文というものです。ですから問いのない論文というのは存在しない。
・ 論文でも・生活の中の思考でも、自分で問いを発見しない限り、なにものもスタートしないということです。
・ 未知に対する問いがなければ論文でない。
・ よい論文とは「?」で始まり、「!」で終わる。
「第2回講義 問題の立て方」
・ 独創的と呼ばれている論文を分類してみると、意外なことですが、それは基本的に2種類しかないということに気づくと思います。ひとつは今までにたくさんの人が問題をたてながら未解決なところにもう一度問題をたてる論文。ひとつは、いまだかって誰も問題を立てたことの無いところに問題を立てようとする論文。この二つ以外に問題の立て方はないのです。
・ 問いは、比較からしか生まれない:「これはあれとは違う、どこがどう違うのだろう、またそれはなぜなのだ」というような問いは、比較することによってはじめて生まれるということです。比較でしか、差異への意識は生まれてこないのです。
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去年だかいつかに一度、そして今回含めて二度読みました。
論文作成の参考のためと言えど、新書を二度読むというのはかなり稀なことです。
この鹿島茂さんというのは共立女子大の教授で、僕は丸谷才一さんの『思考のレッスン』の解説をしていたのが縁で知りました。
丸谷さん同様、仮説というのを非常に重要視していて、とにかく「論文といえども読む気が削がれるようなものは良くない」という姿勢を強くお持ちのようです。
そういう姿勢の著者ですから、当然この本も読みやすく、そしてわかりやすい。
そして好感も持てる。
だから僕はこうして二度も読んだわけです。
しかしいざ実際に論文に活かそうとすると、これが思いのほか難しい。
というのも、鹿島さんの専攻が仏文学で、この本もそうした人文学的な色彩が強いから。
自分のように、各企業に足を運び、ヒアリングを基に論文を作成していこうとする場合は(参考文献はあまりない)、ヒアリングを論文の上でどう位置づければいいのかといった疑問が解消しないんです。
そういう意味で、この本は論文を書く上での姿勢など、基本的な部分において重要な示唆を与えてくれるにとどまったものであると言えるかもしれません(あー俺も人文系の学部に行きたい・・)。
あとこの本は編集者の意図が色濃いのも特徴的です。あとがきにも出てきますが、そもそもこの新書は編集者の大口敦子さんがかなりプッシュして出来上がったものらしいですから。
ところどころでの「ビジネスの企画書作成にも役に立つ」といった無理やり感溢れた記述に商業的な事情が垣間見えて、少し萎えます。
まあ、でも、面白いです。
(2007年08月17日)
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単なる論文の書き方だけでなく、読み物として楽しめました。
本書は、最初から最後まで退屈せずに勉強できたので、非常に良本だと思います。
仕様書など、文書を書く機会は多いので、ちゃんと役立てばよいのだけれど・・・
プレゼンテーションの作り方に関しても参考になると思います。
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[ 内容 ]
二十五年間にわたり、文章と考え方の指導をしてきた教授による徹底指南。
論文も仕事も、勝利をつかむための極意は問いを立てることにありとして、「カフェと喫茶店の違い」「牛丼と宅急便の関係」「司馬遼太郎と山田風太郎」など奇想天外な例証を次々に挙げつつ思考のレッスンを展開する。
点のとれる論文、会議に通る企画書、銀行をウンと言わせるプレゼンテーション案を書きたい諸氏は必読。
[ 目次 ]
第1回講義 日常生活と論文(どうせなら、日常生活に応用のきく論文の書き方はないものだろうか;自分の頭で考えることの楽しさ ほか)
第2回講義 問題の立て方(論文指導とは問題の立て方を教えること;良い問いというのは二種類のみ ほか)
第3回講義 資料の集め方(宿題タイム;資料を集める、どこで参考文献を探すか ほか)
第4回講義 論文の組み立て方(序論を書く;本論を書く ほか)
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
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実践的な知識を得ようと思って手に取った本だが、もっと基本の思考の方法から書かれていて非常に参考になった。
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論文、あるいはプレゼンテーションのいろはをまとめた本、といったところ。理想の論文というのはどういうものかを最低限知るためには最適な一冊だと思う。けれど、理屈はわかっても実際書くとなると難しいもんです。
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文章かくの苦手です。
もちろん「論文」なんて。
という人におススメの1冊。大学生(特に卒論書く前の人)に読んで欲しいです!
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非常に有益な本だった。少なくとも文系学生は読んで損のない本だと言えると思う。
余談だが、本書を通じて、著者の専門分野である文学研究に対しても知見も深まった。
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タイトルからすると、学生用の本のイメージを抱きがちだが、そんなことはない。
出版やテレビに関わる人にとって、かなり有益な本。
仮説の立て方、資料収集の方法(1次資料と2次資料の違いなどの説明も)、構成の立て方などなど、参考になる話が非常に多い。
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「論文」を書く必要はない方でも、良い文章を書くために、一度読んでみることをお勧めします。他人に話せる面白ネタも少なからずあります。
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・自分がこれまで経験を積んだ分野の思考法なり方法論なりの応用がきかないか考えてみる
・丸谷才一「思考のレッスン」
・純粋培養ー専門バカ
・方法論はブリコラージュ、他分野借用
・物理とかの方法論を勉強しておけばよかった…
・書ける分野を増やしておく
・人のウンコはなぜ臭い?=プリミティブな問い
・専門家として知識と経験を蓄積し、その分野を深く極めながらプリミティブな問いを発することを日々考える
・仮説を作って、反証をたてつつ検証する
・資料集めは自分の手と脚、苦しい人は研究者になれない
・資料探索や資料吟味に時間がかかる様なテーマを選んではいけない、一次資料を用意に入手できるようなテーマを選ぶ
・道の分野はコレクターじゃないといけない
・特別な資料を使わなくても自分なりのくくり方さえできれば研究はどのようにでも発展させることができる、どれだけオリジナルの枠組みをつくれるか
・オリジナルな観点で資料を見る
・文献だけでなくいろいろ、ジャーナリズムも
・縦軸と横軸を広げ、その家庭をわかるようにする
・ほんとうに優れた論文は理論が応用できる
・そんなに調べたのに、そんなもんしかでてこないの?=常識にとらわれている
・第一生の答え、次の問いの前提
・えーもビーも対立しているようで相互保管的だと指摘
・前提に再検討を加え、正しい前提を提起してそのうえに新しい意見を述べる=弁証法
・対立する意見を集める
・いかに強固な反対意見を考えられるか
・すぐ結論を出そうとしない
・仮説通りかと思ったらさらにでてきた論文がいい
・仮説にとらわれず、最新のメグ張りを
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『ぎりぎり合格のための論文マニュアル』が論文の体裁と構成についてのマニュアルであると位置付ければ、この『勝つための論文の書き方』は論文の要となる問いの立て方と論の進め方について解説したものである。こちらは論文だけではなく、生活の様々な側面で活用できる一冊だ。
論文の良し悪しは問いの立て方によって決まる。しかし、問いをどのように見つけ、どんな風に構成するかというのはとても難しい。問いから答えに至る途は事前には全く不明確であるからだ。しかし、この本に書いてあるようなアプローチの段取りを踏めば、必ずやいい問いに辿り着けるだろう。そのアプローチとはとても簡単であり、ここに書いてしまうとネタバレなので、各々読んで自らの人生の足しにしてください。