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「任せた」ではリーダー失格
2003/04/07 17:12
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投稿者:日経BP社 編集委員 木村功 - この投稿者のレビュー一覧を見る
米国でベストセラーになったことが納得できる本である。企業のトップ、経営陣にとどまらず、全ての階層のリーダーにとって得るところが極めて大きいだろう。著者の2人は経験豊な経営者、企業のアドバイザーで、2人が自分の仕事を通して確信した「経営は実行」という結論は説得力に富む。
著者によれば、企業経営を語る場合、これまでの根本的な問題は、実行がビジネスの戦術だととらえられ、リーダーは実行を他人に任せ、もっと「大きな」問題に注力すべきだと考えられている点にある。「この考え方は完全に間違っている」という。
実行は単なる戦術ではなく、企業の必修科目であり、戦略や目標、文化に根づかせなければならない。企業のリーダーはその中身と実践に深く関与して部下や他人に任せきりにしてはならない——と説く。
立派なビジョン、戦略計画を持つ企業も、事業を実行する手法、体系を持たないと結局は事業に失敗する。実行のノウハウ——と言っても良いだろう——を確立し社内、組織にそのノウハウを植え付けておけば、環境変化にも適切に対応できる組織として生きていかれる、というわけである。
誰もが独創性認め、コンサルタントや投資家が賞賛するビジネスプラン、事業計画も着実な実行が伴ってはじめて意味を持つ。企業が成功する必須の条件として「実行」という概念を打ち立てたことの意義は大きい。経営を学問的に分析するうえでも新しい視点を提供したのではないだろうか。
また、この本が優れているのは、企業の普遍でかつ重要なテーマである「人材」、「戦略」、「業務」を実行という問題と連動させて分かりやすく話を進めている点だ。特に、人材の問題が企業にとって最も重要な問題と強調し、著者のこれまでの経験、実例をもとに展開する人材論は面白い。人材の評価について、過去に目を向け評価をするのは誤りで、はるかに重要なのは明日の仕事ができるかどうかだ、というような指摘には同意する向きも少なくないだろう。今までのレベルの仕事で優れた実績を上げた者を、上位のレベルの仕事のリーダーにしなかった米国企業のケースには経営トップの目の確かさを感じさせる。
最新流行の経営手法に跳び付き、社員、部下を言葉やスローガンだけで振り回すようなリーダーはいつの時代にもどこにもいるだろう。だからこそ、この実行の重要さを再認識し企業は実行のノウハウを確立すべきという提案は、永遠の真理として我々の耳に響いてくる。
読んで損のない本ではなく、読んでおくべき本であると思う。
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腑に落ちた
2004/11/24 15:48
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投稿者:知りたい人 - この投稿者のレビュー一覧を見る
どんなに素晴らしい戦略を持っていても実行しなければ何の結果も得られません。この書では、どうすれば実行できるのかを解き明かしています。
実行はリーダーの一番重要な仕事だと説いています。
私がこの本の中で感じた所は、
「リーダーは現場で何が起こっているのか現場へ行って事実を調査しなければい
けない。」
「考え方で行動は変わらない。行動が変われば考え方が変わるのである。」
と言う部分です。
この書で出ている企業は世界的な大企業ですので、組織論などは全てのケースに
当てはまるわけではないと思います。
しかし、実行するのに何が一番大切かという点では非常に参考になると思われます。
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Execution,失われて久しいもの
2004/12/09 23:05
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投稿者:平野雅史 - この投稿者のレビュー一覧を見る
創造、変革、戦略、現場力、構想力。様々な経営に関するコンセプトがある。ただ、何につけ「実行」されなければビジネスでは価値を生まない、間違いなくこれは言えるだろう。本書は、企業経営・組織における実行“Execution”を主テーマに据えた一冊、名物経営者ラリー・ボシディらしい経営感が随所に伝わってくる。
本書で語られる実行は、経営トップによるコーチングの連鎖を端緒として
実行と業績へのコミットをカスケード式に求めていこうという考え方。トップが実行へのコミットを示しコーチングを施し、更にその実行へのコミットとコーチングの連鎖が下へ下へと伝播していく。「口をすっぱくして言っているのにやらない」というひきこもり症の経営者とは異なり、相当のコミットがなくては実行できないことは間違いない。
また、コーチングの過程では、トップ自らが工場や販売の現場へも降りていく。「現場との意見交換」とは名ばかりの物見遊山ではない。実際に、現場のコミットを引き出し、その場で意思決定することもある(この当りは、『GE式ワークアウト』(日経BP社)に詳しい)。また、こうした降り立つ過程で、次代のマネージャー層を発掘し鍛え上げ、リーダーシップ・パイプラインを築いていくのだ(パイプラインの考え方は『リーダーを育てる会社つぶす会社』(英治出版)に詳しい)。
また、本書で示される「7つの原則」は、実行を文化として根付かせるための経営者としてのスタンスが整理されている。
ラリー・ボシディと言えば、「社員の雇用を保障するのは、会社ではなく市場と顧客だ」という名言を垂れた御仁、座右の一言。
カルチャーが変わらないと実行が変わらないのか、実行していく過程でカルチャーが変わるのか。チャンドラーが示した戦略が先か組織が先かという命題と同様に、このチキン=エッグの関係の正否はなかなか解き難いものがある。ただ、間違いなく言えるのは、サメが泳がなければ死んでしまうのと同様、企業が戦略や施策を実行しなければ否応なく死んでしまうことだ。正しい戦略も重要だが、実行の文化もまた重要なのだ。
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「実行」とは成果を残すリーダーシップの必須項目
2003/04/02 14:30
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投稿者:ひろっち - この投稿者のレビュー一覧を見る
行動が考え方を変える。実行だけが組織が成果をだすことを可能にする。
戦略も組織改革も、実行がなければ、期待した成果には結びつかない。
そして、リーダー自ら実行することでしか、組織が実行力を発揮するのはむずかしい。
この本には、そうした組織においてもっとも重要でありながら、なぜか軽視されている「実行力」について、
実行こそリーダーの仕事であるという観点から、実行の体系的なプロセスについて論述している。
本書によれば、実行力のあるリーダーとは、単にスマートな戦略や目標を示すだけの人間ではない。
人材、戦略、業務の主要な3つのプロセスにおいて、
みずから事業に深く入り込むことで現実を直視し、適切な質問とフォローでひとびとを導く人間である。
ひとびとを成果にむけて導くには、みずから責任をもって行動し、常にフォローを行なっていくことこそ、
経営者たるリーダーの仕事であることが詳しくわかりやすく述べられている。
実際の経営者が語る内容は、説得力にあふれており、
経営者以外の人でも、ひとりでも部下をもち、成果に責任を与えられている人なら、
どこにどう主眼をおいて行動をすべきかというヒントになるだろう。
内容としては申し分ないのだが、
ただ、ひとつ残念なのは、悪い経営者の例をあげることがあまりにも多すぎることだ。
反面教師という意味で読むべきだとは思うが、すこし愚痴っぽくも感じられなくもなく、
たとえ、それが現実をみることのひとつだとしても、あまり心地よいものではない。
もちろん、それを差し引いても、これからの経営、リーダーシップを考える上で、
非常にためになる本であることは保証する。
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出版社コメント
2003/02/14 15:39
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投稿者:日本経済新聞社 - この投稿者のレビュー一覧を見る
戦略やビジョンも「実行」次第。このあたりまえのことを実現するにはどうしたらいいのか。2人の経営のグルがこれまで語られることのなかった、経営における「実行」のノウハウを、多くの事例を交えて説いた話題作。
■目次
はじめに
第1部 なぜ実行が求められているのか
第1章 誰も気づかないギャップ
第2章 実行がもたらす違い
第2部 実行の構成要素
第3章 構成要素その1—— リーダーがとるべき7つの行動
第4章 構成要素その2—— 文化の変革に必要な枠組みをつくる
第5章 構成要素その3—— 他人に任せてはならないリーダーの仕事
—— 適材を適所にあてる
第3部 実行の3つのコア・プロセス
第6章 人材プロセス —— 戦略・業務プロセスと連動させる
第7章 戦略プロセス —— 人材・業務プロセスと連動させる
第8章 戦略レビューをどう進めるか
第9章 業務プロセス —— 戦略・人材プロセスと連動させる
おわりに —— 新しいリーダーへの手紙
訳者あとがき
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実行は現代の企業が直面する最大の問題9
実行はリーダーの最大の仕事
実行力の欠如が成功を妨げる最大の障害
リーダーは戦略、人材、業務(予算)それぞれのプロセスを主導ししかも厳格に熱心に主導しなければいけない。
目標を達成できなかったとき、よく使われる言い訳が戦略が間違っていた。だがたいていの場合、戦略自体は原因ではない。戦略が失敗するのはきちんと実行されていないからだ。20
実行の本質はコアとなる3つのプロセス。人材、戦略、業鵜プロセス。これらのプロセスがサイロのように孤立しないように。たっぷり数日も時間をかける。28
新たにリーダーを指名するとき部屋に呼んで話すことが3つある。第一に行動において倫理的に一点の曇りがない。第二に顧客第一。第三に人材、戦略、業務の3プロセスを理解しそれを主導する。そうすれば成功する 32
事業が好調なとき、自分の時間の20%を人材プロセスにあてる。組織を見直す時は40%をあてる 32
予算にサインするということは、自分のチームや他のチームに対してその達成を約束することだ 57
企業リーダーなら現場にいくべきだ。リーダーは事業を調査しなければいけない。74
ビジネスレビューはソクラテスのような対話調をとるべきであって詰問調であってはいけない76
現実を直視するとは、常に自社を現実的に見ること、それを他社と比べること。去年に比べて進歩したか?ではなく、他社と比べてどうか?他社はもっと進歩したのかどうか?と問う。これが自社を現実的に見る方法だ。80
実行力のある経営者は誰にでもわかる優先課題をごく少数に絞り込んでいる81
組織を率いるには性格が強くなければならない。実行面ではこれが絶対に必要だ。91
明らかに自分より優れた面を持つものに対してリーダーとして自信を持つには何が必要か。精神的強さが必要。正直に話し、対立を表面化させ、適材適所ができなくなる。精神的強さをささえるのは「言動一致」「己の欠点を知る自覚」「利己心を抑制し弱点や不安に向き合う」「自分の直面する問題への謙虚さ」93
ウェルチは決断の多くを直感に頼る。間違っていたとき「自分の間違いだ」と言う97
究極の学習方法は経験に目を向けることだ。経験を振り返り指導を受ける。97
経営者が何を評価するかで結果はかわる。第一の柱は財務上の目標。第二の柱はそれ以外の目標でありその年に実行することと長期的に実行することの二つにわける。109
ベストを尽くしている社員にはあらゆる手段を使って報いる110
ありがちなのは業績重視の文化を創ろうとして「溺れたくなければ泳げ」になること。乱暴な運用はだめだ111
人材開発のセッションCの解説116
活発な対話、オープンな議論で現実を浮き彫りにしなければ実行の文化は実現しない。率直であるにはざっくばらんであることが鍵118
企業文化とはリーダーの行動そのものだ。リーダーが示し許容しているもんが文化となって跳ね返ってくる。企業の文化をかえるにはリーダーの行動をかえる。リーダーの行動や業績の変化が文化がかわったかの尺度になる122
適材適所。他人には任せてはいけないリーダー���仕事126
なぜ適材適所に配置されないのか?人材についての知識の欠如、勇気の欠如、上司が気に入った部下を昇進させる。要するにリーダーが人材の選抜、評価、育成にさまざまなカタチで関与し、自分の時間と労力の最大40%をさかねばならない。FBし対話し自分の判断を周囲に示すのは時間もとられるし精神的にも消耗する。しかし偉大な企業を支えるのは人材育成法だ131
実行の根付いた文化にしたいならば実行力のある人材を選抜しなければいけない137
IQの高い人と絶対に成功するぞという気概のある人。後者が大事137
私なら朝、出勤したときに得難で、やるきまんまんなリーダー人材を求める。社員を元気づけること。139
評価する側は、自分が問題点を指摘し、それを直してもらうようにすれば相手ははるかによくなると考えるべきだった。上司と話し合っても自分の短所を指摘してくれないならば席をたつべきだ。何も得ることがないのだから。曖昧で前向きなことだけFBでいうのはろくでもない153
■人材プロセス
人材プロセスは戦略プロセス、業務プロセス以上に重要なものだ。159
人材プロセスは1各人を性格に深く評価、2幹部人材を見極め育成する枠組み 3、後継計画の基礎となるリーダーシップパイプライン(補給線)の確保159
人材を戦略、業務から逆算して結びつける167
中長期目標の達成は有能で昇進可能なリーダーを確保できるかどうかにかかっている169
業績不振者とは自らの立てた目標に達成していない人だ。目標を達成する責任を何度も果たせない人185
■戦略プロセス
どんな戦略も基本的な目標は単純だ。顧客の支持を勝ち取り、持続的競争優位をつくり、株主のために十分な資金を残す。ではなぜこんなに多くの戦略が失敗するのか? 優れた戦略立案とは「いかに実行するか」に最大限の注意を払わねばならないことが理解されてないから。201
いかに実行するか、その方法を考えない戦略は失敗する確率が高い202
どんな戦略も核心を1ページ程度で説明できる。205
事業部門と企業部門の戦略の違い。企業レベルの戦略は各事業部門に経営資源を分配するための手段。企業レベルの戦略は事業レベルを足しただけの物になってはいけない。企業レベルの戦略は企業の壁、領域を規定する。また事業構成の見直しを決める。207
事業部門は戦略策定にあたり、自部門の方向性を具体的に明示。いまどこにいるのか?将来どこを目指すか?そこにいくにはどうすればいいか(いかに実行)?。そのポイントは1ページにまとめられるようにすべきだ。20分で簡潔に説明できるように208
戦略計画策定にあたって、その市場で一部の企業が強いのはなぜか?という点。市場シェア。競合企業の強みと弱み。210
競争相手は誰か?新たな競争相手が登場し自社の顧客にもっとも魅力的で価値のある提案をしていることに気づいていない場合がある217
優れた戦略計画には柔軟性がある。1年に1度、計画を立てるのは危険。途中で何度もレビューをすること222
プロジェクト期間中も利益をあげる責任を何人も免れることはできない224
戦略レビューについて。戦略プロセスにおいて最も重要。戦略を現実世界でテストする前のラストチャンス。戦略レビューは創造性を発揮す��き場であり、対話があるべき。戦略レビューでは1事業部門は競合をどのくらい知っているか(営業力、市場シェア拡大のために想定されるうち手、当社への対抗策、相手幹部の経歴、新たな提携の可能性)?2組織の戦略実行性はどの程度か。人材はどうか3戦略計画の焦点はぼやけてるか?しぼられてるか?4適切な戦略を選択しているか?(組織能力とあってるか?利益はあがるのか?)5人材と業務の関係は明快か(組織図、スキル、予算、目標)
244
戦略レビューが終わると合意した点を確認する手紙をリーダーに書く。最後までフォローする(247)
■業務プロセス253
業務プロセスでは1年以内のことを扱う。
多くの企業は戦略プロセスを業務プロセスに落とし込む時に、数字にわりふるだけの間抜けなことをしている。業務計画では目標を達成するために各部がいかに足並みを揃えるかを規定し優先順位を定める255
3日で予算を策定する方法。全員が一同に会し、各部門の関係性を含めて全体理解をすること。同時性の原則259
相互依存関係にある各部の目標をすりあわせることが重要(261)
妥当な想定がなされてるか?希望的観測だけになってないか?現実的な目標設定の鍵だ。妥当性についてはオープンで率直なレビューをやることで確保する。265
業務計画の策定は3段階。1目標設定2行動計画。短中期課題の調整や優先順位もここで3ラップ計測の方法を決め全員で合意 273
重要なのは業績向上を主導する項目に絞り込んで1ページ以内におさめることだ。財務目標はサマリー表にする273
売上増加の達成のために必要な議論をすることも、創造的アイデアを呼びかけることもなく、前年の実績にある数字を上乗せして売上目標を決めるのは大きな間違いである(275)
営業利益の増減要因のチャート。こういう全体のわかる図表を活用しみんなで議論し最高のコーチングの場とする281
■おわりに
駆け引きにあけくれたり、臭い物にふたをしたり、自分の非をかたくなに認めなかったりしてないか?その場合は文化をかえるために必要な社会的ソフトウェアをつくるべきだ298
実行が大事だというのは当たり前だが、実行とはプロセスであり体系的に学ぶべきものだ。実行を促すにはそれなりの仕組みが必要だ。企業経営の柱である人材、戦略、業務プロセスを定着させること、それこそがリーダーの仕事だと本書は指摘している。そして実行を促す上でもっとも重要なのがリーダーのフォロースルー。305
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”成功するには行動が必要だ-否、全てに勝る”
自分がいいたいことがこの一文に詰まっている。
行動が大事で、やり続けることが成功につながる。
たとえ、大成功しなくても、行動しつづけたことで、振り返った時に見える景色が違っている。
自分の今までの人生はまさにそうだった。
中学3年の秋から、勉強を始めた。
そこから、11年近く、ずっと勉強している。
・やると決めたことを続けてきたこと
・やると決めたことに掛けた情熱と時間
この2点が自分の支えである、と確信できる。
裸になった時にも、自分の商品価値はそこにあると思う。
「生き方が不器用」
というのを他人から言われるし、自分もそう思う。
でも、これだけは譲れない。
譲ると、自分の心が死んでしまうから。
あと5年切ってる。まだ続け通したい。。。
そんなセンチメンタルなレビュー
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(K) リーダーが実行責任を負わずに、戦略が頓挫することは良くある話である。実行というのはスマートなものではなく、泥臭くて、しんどくて、なかなか達成感の味わえないものであることを体が知っているだけに後回しにされがちな部分がありそうだ。実行が伴わなければ、戦略が達成されることは無いとわかっていても、十分にフォローされる事がなかったりする。これには、実行することが評価されないという企業文化も強く関わっているような気がする。大きな変革を訴えて方針を示した人が報われ、それを実行に移す人は報われないという構図がそこにはある。
小さな実行でも良いから、自ら行動を起こした人が報われ、その行動を組織としてサポートしていけるような風土を作ることが大切である。その道のりは容易なものでは無いと思うが、それでも粘り強く行動し、実行することが大切である。こういうことを諭してくれる本である。
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TOPPOINT 2010年12月号より。
著者はハネウエル・インターナショナルの前会長兼CEO。
立派な戦略を立てても、実行が伴わないと意味がない。
企業が実行力を高めるにはどうすべきか、
そのノウハウを解説する。
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経営を実行するには?
→実行とは、体系的なプロセスであり戦略に不可欠。企業文化の中核であるべき
戦略計画はなにを実行するか?重要な問題何か?なぜこの戦略が有効か?に答えられなくてはならない
成長機会を見極めるには市場セグメントマッピングが活用できる
人材、戦略、業務プロセスをそれぞれ連動すべき
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実際の経験からくる説得力はあるのだけど、断片的。
・人は頂点に立ったとき、成長するか慢心するかどちらかだ。
・実行とは、単に何かがされることでも、されないことでもない。実行とは、具体的な一連の行動やテクニックであり、企業が競争優位を手に入れるために習得しなければならないものである。
・人事プロセスほど率直な対話が重要な場はない。誰かを評価する際にありのままを話せないのなら、組織にとっても、フィードバックを求める本人にとっても、評価の意味はない。
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2019年を振り返ったときに、「実行する」「行動する」ということが、色々な面において重要であると気づかされたことだった。
そこで、以前に学んでいた本書にたちかえり、「経営上の実行」とは何なのか、のヒントを得たくて、再び目を通した。
恐らく、特別なレシピはない。「決めたこと」を「愚直にフォロー」し、「結果を見極める」「結果にこだわる」。間違っていれば、「修正」し、再び「行動する」。
そんなシンプルなことなのかもしれない。
”実行とは、何をどうするかを厳密に議論し、質問し、絶えずフォローし、責任を求める体系的なプロセスだ。経営環境を想定し、自社の能力を評価し、戦略を業務や戦略を遂行する人材と結び付け、様々な職種の人々が協調できるようにし、報酬を結果と結び付けることである。”
→こう書いてしまうと、当たり前きわまりない。でも、実際に行動できるか。徹底できるか。
”実行力のある経営者は、誰にでもわかる優先課題をごく少数に絞り込んでいる。なぜ、ごく少数なのか。第一に、経営の論理を考えれば、優先課題を3つか4つに絞り込んだ場合、既存の経営資源から最高の結果を引き出せるのは明らかだ。第二に、いまの企業組織では、優先順位をはっきりさせなければ、従業員がうまく実行できない。”
”実行面では、性格の強さが絶対的に必要だ。精神的な強さがなければ、自分自身に正直になれないし、ビジネスや組織の現実とまともに向き合うことも、社員を率直に評価することもできない。必要な情報なら、耳障りなものにも、そうでないものにも公平に耳を傾けるには、精神的な強さが必要だ。”
”最後までフォローすることは、実行の試金石であり、実行力のあるリーダーはみな徹底して絶えずフォローしている。”
当たり前のことを、ばかになって、ちゃんとやる。これは俺の座右の銘でもあるのだが、結局そういうことだ。
戦略レビュー:
1. 競争相手はそれぞれの顧客セグメントに奉仕し、我々を阻止するためには、どんな手を打とうとしているか。
2. 営業部隊は優れているか。
3. 市場シェアー拡大のために何をしているか。
4. 当社製品にどんな対抗手段を取ってくるか。
5. 競争相手の経営幹部の経歴について何がわかるか。
6. 熾烈な競争を繰り広げているライバルの経営者について、またその動機について何を知っているか。それが当社にとってどういう意味を持つか。
7. 主要な競争相手がどのような企業を買収すれば、自社に影響が出るか。
8. 競争相手に新たに加わった人材は、競争環境をどのように変えるか。
この問いは具体的で、明日からも活用できるヒントとしてとても役に立つ。頭が整理される。でも冷静にこれらを見ると、当たり前の質問ばかり。しかし、それを愚直に問い続けることができるのか、そして行動し、その結果をしつこくフォローすることができるのか、そういうことなのだ。
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2021.02.22 経営は実行
ラリー・ポシディ、ラム・チャラン共著、高遠裕子訳「経営は実行」を読みました。著者ラリー・ポシディはハネウェル・インターナショナルの前会長兼CEO、ラム・チャランは経営コンサルタントです。ハネウェルは存じ上げておりませんでしたが、アメリカ航空宇宙局やボーイング社に無線機等を提供するなどしている売上300億ドル以上の巨大企業でした。経営者仲間にお勧めを頂き、手に取りました。
タイトルからして、力強いものを感じられますが、「実行の本質は、コアとなる三つのプロセス、すなわち人材プロセス、戦略プロセス、業務プロセスにある。」とありました。その後、この三つを中心に話が展開されていきますが、それに先駆けて、実行を担うリーダーの行動条件が7つ挙げられていました。「・自社の人材や事業を知る。」、「・つねに現実を直視するよう求める。」、「・明確な目標を設定し、優先順位をはっきりさせる。」、「・最後までフォローする。」、「・成果を上げた者に報いる。」、「・社員の能力を伸ばす。」、「・己を知る。」の7つです。どれも当たり前と言えば当たり前なのですが、大企業では経営者が生え抜きではなく外部から招聘されるケースがあり、「・自社の人材や事業を知る。」なんていうのは、そのあたりを指しているのでしょう。もちろん、生え抜きでも営業畑なのか経理畑なのか等、色々あるかと思いますが、稲盛塾長も仰っている「現場を見ろ」ということなのだと思います。
人材プロセスでは「第一に、各人を正確に深く評価する。第二に、幹部となる人材を見極め、育成する仕組みをつくる(中略)第三に、強力な後継計画の基礎となるリーダーシップ・パイプライン(補給線)を確保する。」とありました。確かにそうなのですが、これはなかなか難しいところですね。第一については「ひとりの人物について、よく知っている人間を五人集める。五人が自由に意見を述べ、議論し、結論を導き出す。診断結果は、さまざまな見方を収斂したものになるだろう。」とありました。5人そろわなくとも、2、3人くらいでこうした話はしてみた方が良いですね。社長が1人で決めてしまうのは危険だということなのかもしれません。
「戦略プロセスは事業が目標とする行き先を決め、人材プロセスは事業をそこに持っていく人間を決める。そうした人たちに道筋を示すのが業務計画だ。業務計画では、長期的な目標を短期的な目標に落とし込む。短期的な目標を達成するには、当初から、そして環境の変化に対応して、組織全体を統合する決定を下さなければならない。」とありました。ここが三つのプロセスの位置関係を理解するのによい文章でした。
自社の状況とかなりかけ離れた話だったので、読後感も今一つだったのですが、まずは短期的な目標をしっかりと立てないといけないような気がしました。目標があっての「行動」であって、やみくもに動くのは「行動」ではないのでしょう。反省です。
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リーダーにとって『実行』とは何をすべきかを考えさせられ、改めて体系的に身につけなければならないことがまとめられている。
戦略、人材、業務の三つのコアプロセスから具体例とともに書かれている。
リーダーとして立場が変わるたびに改めて再読したい。