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初めての中国歴史小説。面白い。
宮城谷昌光
晏子 (あんし)
中国春秋時代の歴史小説。斉の名臣 晏弱と晏嬰の物語。
1巻は 父 晏弱が主人公〜低迷期の斉国で 礼を武器に 成り上がっていく。晏弱の礼の政治は 儒教による国家成立や多民族統一に展開するのだろうか?
わかりやすい二項対立な設定。晏弱=善=容姿端麗、度胸あり、知あり。他の人物=悪=不細工、敵前逃亡、卑怯、嫌なやつ。
中国的な雰囲気を感じるのが、覇気や天の思想
*覇気=中国統一の野心も含めた 独立不羈の心理
*天の思想は、周王により定められた運命(行動や倫理感によって運命が変わることもある)思想
権力と正義の用い方は 参考になった
*権力は 正義の名のもとに行われるべき
*正義は 天(周王)にしたがうか、地(人民)にならうか いずれか
*どちらにも正義があり、どちらにも正義がないとき、先に仕掛けた方が勝つ
覇気について
*覇気=中国統一の野心も含めた 独立不羈の心理〜国によって覇気の種類、強弱が異なる
*斉の覇気=桓公、管仲時代の過去の栄華を基礎とした独立心理
天の思想
*天が定めた運命を超えた 人の格
*運命を超える要素は、行動力、修養や道徳心
*ひとつの事象は〜陰陽を持っており、陰の面は見方によって、陽の面に変ずる〜凶も吉にかえることができる