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今まで読んだ保坂さんの小説には、猫がよく出てきていたけど、この本の『猫に時間の流れる』は、主題が猫だったので、終始猫の話題が続く。もう一つの『キャットナップ』は半分以上猫の話。
『季節の記憶』に比べたら、理屈っぽさが少なくなったようにも感じた。
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保坂和志「猫に時間の流れる」 http://www.chuko.co.jp/bunko/2003/03/204179.html … 読んだ、よかった!読むたび思うけどこの人すごい。同じアパートの住人と野良猫で一編(表題作)と病院敷地内の野良猫20匹の去勢に乗り出す一編(キャットナップ)。個人と世界の関わり方を小説で示した哲学本(つづく
ここでも進行は平坦で目の前の事象だけ描写し会話で世界観を提示する。神の視点を用いない。この人は猫を良く判っているなあ。野良として死ぬのも運命。かわいそうという気持ちのなんと安直で無責任ななことか。同情は自己満足でしかなく対象のためではないことを理解できない人が多すぎる(おわり
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保坂和志「猫に時間の流れる」 http://www.chuko.co.jp/bunko/2003/03/204179.html … 読んだ、よかった!読むたび思うけどこの人すごい。同じアパートの住人と野良猫で一編(表題作)と病院敷地内の野良猫20匹の去勢に乗り出す一編(キャットナップ)。個人と世界の関わり方を小説で示した哲学本(つづく
ここでも進行は平坦で目の前の事象だけ描写し会話で世界観を提示する。神の視点を用いない。この人は猫を良く判っているなあ。野良として死ぬのも運命。かわいそうという気持ちのなんと安直で無責任ななことか。同情は自己満足でしかなく対象のためではないことを理解できない人が多すぎる(おわり
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保坂さんで猫に時間の流れるが一番好き。キャットナップはよくわからないから車に入れといてたまに読もう。
猫が知らないところで生きてるのと死んでいるのに意味の違いはないとか。死んだ人間が残すわからなさは動物の場合には生きているあいだも常にあるとか。
あとがきまで読んでてたのしい。
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猫好きなので、しみじみしながら読みました。猫を取り巻く人間模様が親しみやすくて切なくて、早く帰って愛猫を抱っこしたくなる。
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これは…なかなか評価しづらい作品のように思いましたねぇ…まあ、保坂氏の作品は全部こんなんですけれどもね。何も起こらないというか…何も起こらない中でも少しは読者に読ませようというか、面白がらせる部分あってもいいだろ!と思うんですけれども、今回もそれ、ありませんでした…社畜死ね!!
ヽ(・ω・)/ズコー
タイトルに惹かれて読んだんですけれども、マジで何も起こらない…けれどもまあ、これが保坂氏の作品だ、と思うしかないわけですが…。
解説の、グーグーだって猫である?の作者さんの解説マンガのような、感想マンガのような、それが一つの作品みたいで素敵でしたねぇ…。
さようなら…。
ヽ(・ω・)/ズコー
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保坂和志が「猫が好き」というのはもちろんそうなのだろうけど、猫という生き物を溺愛する人たちというのは普通にどこにでもいる。その中でたとえば保坂和志のように自分の創作に猫をモチーフとして採用する人だって少なくないだろうし、猫に対して好き嫌いの俎上にのる感情を持っていない私ですら、猫好きが猫をモチーフにこしらえた作品というのは鑑賞したことがある。
で、その程度の私ゆえに個人的な感慨の範疇でしかないのだが、猫をモチーフにした作者および猫好きと保坂和志の、おそらく決定的にことなる点は、猫が好き というところに留まらず、「本気で猫という生き物について考える」ということを(作品を通して)やっていることにあると思った。猫が(猫でなくてもいいけど)好き!という言葉なり作品なりは、私と猫好きの人の他者性を強化する以外の効果がないというか、エビが苦手な人に「エビはこんなに美味しいのに人生損しているよ」と力説するのとたいした変わらないというか、いや"損"はしてないよと思ってしまうしその時点で道が閉ざされてしまうようなしらこい疎外感を感じることがあるのだが、「本気で考える」となると話は違うようだ。猫について本気で考え尽くすことが、不思議と猫に興味のないような私にも、猫に対して何かしらむずむずとした思考の萌芽みたいなものを芽生えさせられたような余韻がこのたびの読書の後には起きたからだ。
「好き」と「考える」ということの特異点は曖昧でありながらもここにあって、「考える」ことは個人的な感情を超えて無関係な他者に開かれるのかもしれない。
ところで、この小説のタイトルは「猫」ではない。「猫たち」でもない。「猫に時間の流れる」である。"時間の流れる"という点を、私たちはこの小説の感想の中で忘れてはいけないと思う。時間の流れることは不可抗でありよるべない。そして時間とは時計によってそれを規定した我々人間だけのものではない。
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2つの中編小説「猫に時間の流れる」「キャットナップ」が収録されています。
どちらにも猫がいて、ふわふわ生きる人間たちがいます。
人間たちは、仕事熱心なわけでもなく、恋愛に夢中になるわけでもなく、タイトル通り、時間の流れる中にみんないて、寛容で優しく、いいかげんなところもあります。
ノラ猫を通し、生きることの厳しさ、自由、孤独も感じられました。
主人公が困難を乗り越え成長するという話も好きですが、一方で、そのような小説は自分自身のふがいなさと比べ、ちょっと落ち込むこともあります。
大きな事件もなく、主人公も特に成長しないこの小説は、人間のダメな部分も含め、気後れせず安心して読めました。
平成6年刊行とあり、今とは少し価値観の違いも見えますが、この頃の方がまだ時間の流れはゆったりのんびりしていたかもしれないと、振り返ることもできました。