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数学ができる人はこう考える 実践=数学的思考法 みんなのレビュー
- シャーマン・スタイン (著), 富永 星 (訳)
- 税込価格:2,750円(25pt)
- 出版社:白揚社
- 発行年月:2003.4
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紙の本
簡単なことから考えていく泥くささこそ数学の真髄
2003/05/19 18:56
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投稿者:鈴木クニエ - この投稿者のレビュー一覧を見る
国際数学オリンピックの金メダリストに会って、「頭の中はいったいどーなってるの?」と、つくづく思ったことがある。きっとみなさんも同感でしょう。「数学ができる」ということは、ほとんどの人——おそらく全人口の90%を占めるに違いない——にとって、とてもとても不思議なことなのだ。
しかし! この本は、「小学校5年までは数学が好きだったのに、嫌な目にあってそっぽを向いてしまった人々」をも対象にして、数学の考え方や発見にたどり着くまでの道筋を紹介しようという。たしかに、出てくるトピックは、aとbがどう並ぶかとか、線が交わるか交わらないかとか、極めて単純なケースがほとんど。たとえば大リーグでドジャースが連敗する、つまりスランプに陥るパターンまでもw(win)とl(lose)で“数学的に”、いちから考えてしまうのだ。そして、いろいろなケースが考える対象に加わっていく。数学最大の武器、一般化だ。
ここで、数学が苦手だったみなさん。「数学は公式を使うもの」と思っていません? それが全然ちがうということがよくわかります。数学ができる人がやっていることは、けっこう泥くさい作業なのだ。無限に続きそうなものだって、最初の2つや3つでどうなるかが大事な手がかり。いきなりオールマイティ公式を天啓のごとく思いつくわけでは決してない。あーでもない、こーでもないと考える。ほら、そうわかると、数学好きな人の頭の中も少し身近に感じられるでしょ。だって微積分だの、三角関数だの、あのやっかいな数式をブンブン振り回すだけが数学じゃないのだから。
ただ、個人的には異論も申し立てておきたい。床に引かれた平行線に、落とした針は交わるかどうかを考える「ビュフォンの針」という有名な問題がある。ここで筆者は、針の上を端から端まで這っていって何本の線を横切ったか報告してくれる「虫」を登場させるのだ。そりゃ便利な虫だ。が、お願いだからそんな虫を出さないで。こーゆーのは、「やっぱり数学好きは変な奴」というイメージがさらに強固になりかねん。困るのよ、落ちこぼれたとはいえ数学出身の私にとっては。
あ、それから「どう」考えるかの本であって、「なぜ」そんなふうに考えるかという本ではないので、お間違いなきよう。
(鈴木クニエ/フリーライター http://homepage2.nifty.com/suzuki-kunie/)
【目次】
はじめに
第1章 針を投げたり、麺を投げたり
第2章 2点差がつけば勝ち
第3章 完全な三角形
第4章 スランプと絶好調
第5章 繰り返しのない列
第6章 得票を数える
第7章 無限を数える
第8章 そっくりさん
エピローグ 振り返ってみると
付録A 三角形について
付録B 双子の列をもう一度
謝辞/読書案内/訳者あとがき
【原題】How the Other Half Thinks : Adventures in Mathematical Reasoning
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