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ぶあつい「明治天皇」を読むのは覚悟が必要だが、これは新書なので気軽に手にとることができ、驚くほどあっという間に読むことができた。
キーン氏の語る明治天皇は、天皇としては理想的なほど自らに厳しく、皇帝たろうとする人だったようだ。他に明治天皇に関する知識を持たないので否定も肯定もできないが。
キーン氏の著作はもっと色々読みたい。
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明治天皇は幕末志士に持ち上げられてきた存在という先入観をもっていた。天皇は単なる象徴的存在という意識が勝手にできてしまっていた。本書を読んで、明治天皇は国のトップとしてその責任をきちんと全うした人物として捉えなおすことができた。日本人として必須な知識を得ることができホッとしている。銘記すべきは「大帝たる最大の理由は絶大な権力を持っていながらそれを行使しなかったこと」である。この言葉は奥が深いと感じている。
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幕末志士についての本はいっぱいありますが、同じ時代を生きた明治天皇についての本は少ないのでは。明治天皇の人柄などを資料を元に書いてあります。お飾りでしかなかった天皇から発言力を持つ天皇への過渡期が明治天皇でよかったと思います。
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【読書】ドナルドキーン氏が永住の意思を固め、日本国籍を取得の手続きを始めたという記事を読んで、本棚を探して読んだ本。明治天皇の様々な一面を垣間見る。
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[ 内容 ]
前線兵士の苦労を想い、率先して質素な生活に甘んじる。
ストイックなまでに贅沢を戒めるその一方で、実は大のダイヤモンド好き。
はたまた大酒飲みで風呂嫌い―。
かつて極東の小国に過ぎなかった日本を、欧米列強に並び立つ近代国家へと導いた偉大なる指導者の実像とは?
日本文化研究の第一人者が、大帝の素顔を縦横無尽に語り尽くす。
[ 目次 ]
第1章 一万ページの公式記録(完璧な資料『明治天皇紀』;外国人が見た明治天皇 ほか)
第2章 時代の変革者(十六歳で突然の即位;理想の花嫁候補 ほか)
第3章 己を捨てる(明治天皇の義務感;前線兵士を想う ほか)
第4章 卓越した側近に支えられて(贅沢嫌いのダイヤモンド好き;天皇を取り巻く女性たち ほか)
第5章 天皇という存在(無関心だった自身の健康;惜しまれた崩御 ほか)
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
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元外国人の手になる「明治大帝」の人物像《赤松正雄の読書録ブログ》
新幹線車中では著名人にお会いする機会が少なからずあるが、隣り合わせになるというケースは滅多にない。大概は、話しかけるが、残念ながら声をかけそびれて後悔することもある。そんな人の一人がドナルド・キーンさん。何かしきりに考え事をされている様子だったために、ついそのままになってしまった。
彼は今回の東日本大震災を契機に日本に帰化する決意を固められたことが話題を呼んだが、およそ日本人と日本文学を語らせて右に出る外国人はいなかったものと思われる。『明治天皇を語る』を読んだのは、少し前にさかのぼるが、このたびのことから読み返してみた。
明治天皇の伝記を書き進めるにつけて、いかに偉大かに感心するようになった彼は、「最終的には、当時の皇帝の中で世界一の存在だった、ゆえに明治大帝と言ったほうがいいではないか」としている。『明治天皇 上・下二巻』が歴史の流れを追っているため、読み進めるのにはかなり難儀したが、こっちの方は、人物像に絞って書いているため(講演されたものがベースに)、実に読み易い。
私生活に至るまでのいろいろと興味深いことが書かれているが、「刺身が嫌い、海の魚も嫌い、花見も嫌い、清潔さに興味がない(夏以外風呂に入ることは殆どない)。ようするにかなり変わった日本人だった」とは意外だった。
5人の側室から15人の子供が出来ながら、満三歳まで生きたのは5人だけ。8人の子供が慢性脳膜炎の犠牲となって亡くなっていることや、男性で生き残ったのは後の大正天皇一人だけというのも驚き。キーンさん自身も「天皇の子供だけが生き残ることが少なかった」のは「大変不思議なこと」としているが、何故だろうか。
理由として側室が若かったことと、前近代的な宮殿が衛生面で優れていたわけではなかったことをあげているが、根拠は弱い(一般庶民の家庭より衛生面で劣るとは考え難い)ように思われる。このあたり、隣り合わせになった際に問うてみたかったが、できなかったことはいまだに悔やまれる。
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外国人に明治天皇の実像を教えられた
和歌を詠まれたこと、写真嫌いっだたことなど、しらないことばかり
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著者は、日本文化の英語での紹介者として有名。
イギリスに近代制度を学び、皇室制度が確立していく過程を、一人の天皇に即して、辿っている。
日本人の目で見るよりも、より本質的な事項を記述しているかもしれない。
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誰でも知っているようで、教科書でも歴史小説でもあまり取り上げられることのない、明治天皇の人となりと、どのような指導者であったかを興味深く説いている。ドイツやロシアのような暴君ではなく、当時の皇帝の中では世界一と述べている
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私にとって天皇とは、同じ人間だからこそ神のような存在に映る。
著者ドナルド・キーンはあとがきで言う。
「明治天皇には、こういった(当時のドイツ皇帝や朝鮮国王のような(栗原・注))横暴な言動は一度もありません。やろうと思えばできたことなのです。十分な権力がありながら行使しなかった」
このような人物は、同じ人間として全く信じがたい。私だけではなく、皆心ひそかに思っているのではないだろうか。北朝鮮の独裁体制を口では非難しながらも、自分が金正日と同じ立場に立たされたら、あんなものでは済まないほど富と権力を我がもの顔、したい放題にするのではないかと。そしてそれは恐らくそのとおりなのだ。
私は照れ隠しもあり、自らを「皇室マニア」「天皇マニア」などと呼んで憚らないが、本当はそんなものではないのは重々判っている。私がここまで天皇のことを調べてやまないのは、どこかに、同じ人間としてのどうしようもない弱さを見つけ出し、その存在を腑に落としたいのだ。
結果はその逆で、時間が経てば経つほど逆になっていく。
著者はアメリカ人だからその記述はどこまでも客観的だ。あくまでも公平に、明治天皇が若干理不尽な理由で癇癪を起こした様も伝えるが、それさえも後で、
「自分が悪かった、今後も自分に悪いところがあれば言ってくれ」
と臣下に謝罪するというのだから、ほとんど脅威的ですらある。繰り返すが、当時の明治天皇は金正日などとは比較にならないほどの権力を握っていたのだ。
結局、この本を読んでも、ただただその人物に感心するばかりで、求めてやまない『何故あのような偉大な皇帝が生まれたのか』という答えは見つからなかった。
ただ、『信じがたいほどの偉大さ故、その偉大さが忘れ去られようとしている』ことだけは解ったのである。
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国民から畏敬され、非常に愛されていた明治天皇陛下。国民を思い、国民の目線で生き抜いたお姿に、明治神宮がたつ由縁を知る。
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著者には、「明治天皇」という大作があるが、本書はその本の紹介というかエピソードなどを記した本である。明治天皇は、当時の諸外国の皇帝と比べて最も立派で大帝と呼ぶににふさわしいと著者は言う。近代日本の立役者であるのに、その実態は知られていないというか書くのは畏れ多くて手付かずになっていたのを、外国人である筆者だからこそ客観的に書いて評価しているのだろうと思うが、それでもそこまで言い切るのだから、本当に偉大だったのだろう。そのような天皇がいたことをなぜか誇りに思ってしまうし、もっと知りたくなってしまう。つまり、この本を読むと、筆者や出版社の思惑通り「明治天皇」を読みたなってしまうのだ。
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費用がかかるからと、新皇居建設に反対されたり、あて布をした服を着用されたり。
でも、香水は3日で空にする程、好き。お酒も好き。
明治天皇の人柄が垣間見れる本でした。
劣悪な環境や天候の中、訓練中の兵たちを見つめ微動だにせず、何時間も同じ場所に立ち続け、見守っている姿。
・・・何も言わなくてもただ、そこにあるだけの重要さって確かにある。
日露戦争で勝利の報せを受けた明治天皇の第一声が
「降伏した将軍の武人としての名誉を大切にせよ」
だったというのに感動しました。
明治天皇が乃木を学習院長にしたことは有名ですが、ずっと腑に落ちないでいたのですが、この本を読んで解消されました。
・・・そっか、そっか。納得。
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明治天皇は授業でもほとんど触れない方だったのでどんな方なのか全く知らなかったので、この本を読んで明治天皇の素顔が知れた気がする。とても、質素な生活をする方だったようでびっくり。庶民に近づくために努力する姿など、天皇なのに…と思ってしまう程である。著者の方はアメリカ人だが、日本人の私より日本史に詳しい。勉強し直さなければ。
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明治天皇は長生きだったので、当時の激動混沌とした社会情勢には深く関係しているはず。
にも関わらず、明治時代の政治家、文化人、軍人などについてはめんみつなけんきゅうがあるのに、明治天皇についての著書は全くないわけではないが、非常に少ない。
本書は、明治天皇の人物像にフォーカス。彼の暮らしぶり、言葉遣い、どんな声で、どんな話ぶりだったのか。皇后、奥さんを何と読んでいたのか、天皇への教育内容、儒教思想が与えた影響などなど。
勲二等旭日重光章を受賞したドナルド・キーン氏による一冊。
大帝と呼ばれた、世界に誇るべき指導者。指導者のあるべき姿が見える。
俺は右でも左でもないが、ビジネス書に危うく涙しそうになる場面もあったな。
良書。