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[ 内容 ]
開国か攘夷かをめぐり、幕末の政治の中心は江戸から朝廷のひざもと、京都へ移った。
歴史は男たちの活躍する格好の大舞台を提供し、のちに多くの書物に取り扱われた。
本書は、ともすれば歴史の片隅で取り上げられてきた女性たち、たとえば安政の大獄で逮捕された老女村岡、皇女和宮と協力して徳川家を救った庭田嗣子と土御門藤子、岩倉具視に「手のつけられぬ女」といわれた若江薫子らに光を当て、歴史の面白さを掘りおこす。
[ 目次 ]
1 災害と幕政改革の巷(おかげ参りに豊年おどり;近衛殿老女村岡 ほか)
2 将軍継嗣問題と大奥(黒船の来航;島津篤姫の輿入れ ほか)
3 女たちの安政の大獄(世にいう安政の大獄;連座した志土の妻(梁川紅蘭、梅田信・千代) ほか)
4 激動の政局、弾む女たち(皇女和宮の降嫁;松尾多勢子の上京 ほか)
5 王政復古に文明開化(京都町人の根性は(坂本龍、寺田屋登勢)
皇女に救われた徳川家(静寛院宮、庭田嗣子、土御門藤子) ほか)
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[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
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幕末の確実な文書資料はそう多くは無い。特に「女たち」の文書資料あまり無いことは容易に想像がつく。本書は、さまざまな関連資料から、「女たち」の切れ切れのデータを掬い上げて、論考している。著者のエネルギーを賞賛したい。また、幕末の激動期の歴史は、一部の有名な人物のみで作られているわけではなく、当然のことながら、無数の無名の人々の流れの中から歴史が作られているわけだが、本書の多くの文書資料の引用からは、その多くの人々の息づく姿が浮かび上がってくる。ただ、この本を理解するには、相当の同時代本を読み、多くの基礎知識を取得していなければ難しいのではないか。少なくとも、幕末の本を数十冊程度しか読んでいない私には、まだまだ読後に不満が残った。
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幕末維新期の京都と関わって歴史の片隅に名を残した女性たちの実像。後世に張られた「勤王の女傑」とか「列女」といったレッテルをはがし、史料に基づいてありのままの姿を描こうとしている。
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幕末の裏で支えた女性達。老女村岡・近衛家を支え皇室と徳川家などからの情報をもとに政局バランスを保ち、生死につながる牢獄生活も経験した女怪、篤姫を支えたり局幾嶋、梁川星巌の妻紅蘭・妻として夫の死後「星巌遺稿」を上梓した才女など信念を持ち力強い気ぬいた女性達には圧倒される。