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紙の本
日本の衛星情報は薄気味悪い連中の手によって処理されている…
2003/06/07 00:11
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投稿者:成瀬 洋一郎 - この投稿者のレビュー一覧を見る
本屋の店頭では十把一絡げにされてはいるが、架空戦記とかシミュレーション小説というジャンルも玉石混合というか多種多様で、講談やファンタジーみたいなものから数値とデータの塊みたいなものまでが一緒くたになっている。たとえていうなら本格ミステリとハードボイルド作品が同じ装幀で並んでいるようなものだが、ミステリーと違って、その違いをあらすじなどからうかがい知ることは困難だ。
そんな中で、この佐藤大輔という作家は、広範囲にわたる詳細なデータを集め、実際にあり得たかも知れない、あっても不思議ではないような細かな仮定を積み重ねることによって、まったく実際の歴史と異なる展開と結末を提示することのできる作家の1人だ。誤解を覚悟で言うなら、架空戦記における本格派作家の代表だろう。
この作品も、実際の詳細なデータをもとに、小さな仮定をいくつかを加え、現実と異なる展開の歴史を描き出したものだ。多分…。
多分というのは、この作品ではアメリカがバクダットを攻略した時点から物語が始まっており、北京を中心に新型肺炎が世界中に蔓延している時代、つまりまさに現在進行形の「今」を扱っているからだ。
話としては面白い。単なる時事ネタを使ってでっちあげたというものではなく、ちゃんとした極東地域を舞台にしたポリティカル・フィクションになっているし、あいかわらずのお遊びも楽しい。不審船から拉致問題まで、すべてを近くて遠い国を主題にした1つのストーリーラインに組み上げてもいる。
久々に佐藤大輔らしい1冊を読んだ。
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