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本ができるまで カラー版 みんなのレビュー
- 岩波書店編集部 (編)
- 税込価格:1,188円(10pt)
- 出版社:岩波書店
- 発行年月:2003.6
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紙の本
本の匂い
2003/07/06 22:59
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る
私には少し変な癖がある。本好きな人なら誰もがしていることかもしれないが、私の変わった癖というのは買ったばかりの本の匂いを嗅ぐことなのだ。本屋さんでお金を払って手にした新刊を、家に帰るのも待ちきれずに、開いたページに鼻を近づけ、すぅーつと匂いを嗅いでみる。紙の匂いなのかインクの匂いなのか、今まで封印されていたものがにわかに立ち上がってくるようで、その新しい本が初めて自分のものになったと思える時でもある。もしかしたら、その時が本を読むという行為の、もっとも至福の瞬間かもしれない。
ルネッサンスの三大発明といえば「火薬」「羅針盤」そして「活版印刷」というのは、若い頃に習った。そして、「活版印刷」の発明がグーテンベルクというのは有名だが、活字を使った印刷はすでにあったというから発明というより技術革新だったといえる。グーテンベルクの功績は、活字に用いた金属の開発、木製印刷機の開発、そして油性インキの製造だという。これらにより情報が多くの人に広がるようになったのだから、「活版印刷」は当時の情報革命であったといえる。残念ながらこれらは私の知識ではなく、若い人向きに書かれたこの新書本から教えられたことだ。
そして、この本はグーテンベルクの発明以後の、多くの人による改良の歴史と現代の印刷技術を東京都文京区にある印刷博物館の探訪と印刷工場の現場見学という手法でやさしく説明している。ジュニア新書であるけれど、本好きの人なら読んでおきたい一冊である。私たちがなにげなく手にする本が、多くの人の努力と工夫からできていることを知ることで、もっと本が身近になるのではないだろうか。
本の匂い。それは紙の匂いでもあり、インクの匂いでもある。そして、その本に関わった多くの人の汗のにおいでもあるし、私たちを明日につなげてくれる希望の匂いでもある。私の本の匂いを嗅ぐ癖は治りそうもない。
紙の本
カラー版。
2017/02/03 16:48
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Otto - この投稿者のレビュー一覧を見る
本と印刷の歴史や製本の仕事について、書かれている。カラー写真が沢山あり、紙もとても白いので文字がくっきりとして読みやすかった。
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