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みんなのレビュー6件

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紙の本

クリントンとはナニモノであったかのか?

2003/09/03 07:15

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:塩津計 - この投稿者のレビュー一覧を見る

名著「ベスト&ブライテスト」を著した稀代の名ジャーナリスト
デービッド・ハルバースタムが著した最新作。まずその時代に
活躍した名プレーヤーの個々人について克明な描写が章ごとに
同時並行的に行なわれ、それが読み進むに従い、徐々に徐々に
複雑に絡みあい、最後には歴史というひとつの大舞台の上で雄大な
叙事詩のごときドラマとして展開し結実するという構成は
いつもの通り。今回もクリントン大統領、パウウェル統合参謀本部
議長、レイク国家安全保障担当補佐官、ホルブルック駐独大使、
オルブライト国務長官、シャリカシビリ統合参謀本部議長などが
どういう人物でその時どう考え、どう行動し、その結果が歴史が
どう動いたかが手に取るように描かれている。これを読むとあの
クリントン時代とは一体なんであったのか、どうしてブッシュ父は
クリントンに大統領選挙で負けたのか、ソマリア紛争は何であったか、
ボスニア紛争、コソボ紛争とは何であったかが手に取るように理解
することが出来ます。

それにしても、あのクリントンという男。どうしてこんないい加減な
男が米国の大統領にまで上り詰めることが出来、しかもそうボロボロ
にならずに任期を全うすることが出来たのかといえば、それは結局
米国の株式が史上空前のレベルにまで上昇し国民がバブルに酔って
いたから(だけ)だったという分析は、本書を読めば「その通り
なんだろうな」と思わせられる。クリントンの本質は究極の
ポピュリストであって、彼は常に世論調査の動向にびくびくし
国民に如何に甘い飴玉をしゃぶらせるかに奔走した小人物であった
のだ。こんな無定見な男が良くまあモニカ・ルウィンスキー事件を
乗り越えて任期をまっとう出来たものだとあきれるというかある種の
感慨さえ覚えてしまう。ただ、彼にも良い所があって、それは集会所
に集まった大衆の気持を一瞬にして掴んでしまう独特の魅力があって
選挙運動をさせればおそらく米国史上最高の大統領だったらしい。
それは彼が崩壊した極貧の家庭に育った生い立ちに原因があって、
通常なら袋叩きにされる苛められっ子になるはずのところを彼は
周囲の子どもをどうやったら自分の味方に出来るかを小学生の頃から
訓練し続けたからだという。

なお、あのでしゃばりオンナのヒラリーがクリントンより早起きで
クリントンが目覚める頃には全米の主要新聞を隅から隅まで読んでいて
朝食の席でクリントンに「このNYタイムズの記事はなんだ!」
「このWポストのコラムニストのコメントはなんだ!」と新聞記事に
対する憤懣を機関銃のようにまくし立て、朝食が終わり執務室に
向かう頃にはクリントンはへとへとに疲れていて、それゆえに
大統領補佐官の朝一番の仕事はぐったり疲れたクリントンを如何に
チアアップさせるかだったという下りは笑わせた。こんなオンナと
四六時中一緒にいれば、そりゃ大統領執務室でコトに及んで気晴らしも
したくなるわな。ついでながらクリントンのオンナ癖の悪さは
アーカンソー州知事時代から有名で浮名を流した女の数は片手では
到底足りない。これを英語でクリントンの「ジッパープロブレム」
というのだそうです。



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紙の本

コソボ紛争司令官の悲運

2006/01/14 21:17

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:YOMUひと - この投稿者のレビュー一覧を見る

本書は下巻後半のコソボ紛争で一挙に盛り上がる。当時のユーゴスラビア・コソボ州では、住民の大多数を占めるアルバニア人に対して行われたセルビアの残虐行為が問題化した。国際世論に押されてヨーロッパとアメリカはそれを放置できなくなり、ミロシェビッチ大統領を制止するためNATOによる軍事行動に踏み切った。
しかし、この作戦を指揮するNATO軍最高司令官兼米統合軍司令官ウェズリー・クラークは、ミロシェビッチを交渉の場に引き出すための軍事行動に集中できたわけでない。作戦に当たって考慮しなければならないのは、ミロシェビッチだけではなく、味方内部の多彩なプレーヤーであった。
それは、まず、この作戦に対して温度差のあるNATOメンバー諸国であって、英、米は最も積極的であり、フランス、イタリアは最も慎重であった。また、NATOメンバーでないロシアはセルビア人と近い関係にあり、大きな影響力をもっていた。それらは、具体的には作戦の突然の中止、変更や、空爆対象の限定に現れる。
さらに、クラークの上層部であるワシントンの政権及び軍中枢である。ホワイトハウスも強硬派のオルブライト国務長官、慎重派のコーエン国防長官に代表されるように一枚岩でない。軍中枢も政権とは距離を取りつつも、意のままにならないクラークに手を焼いている。
このような極めて困難な状況のなかで、ミロシェビッチを降伏させるためには地上軍の投入が必要と判断するクラークと、ベトナム戦争のトラウマに囚われてそれを阻止しょうとするホワイトハウス及び軍部との虚々実々の駆け引きは実に興趣を盛り上げる。
しかし、この難局を見事に対処したクラークに対して軍中枢は、褒章でなく、報復でもって応えた。アメリカのような実力社会においても、組織の枠に収まりきらない傑物を評価できないという、軍隊=官僚制の悪弊を免れられないケースが起こるのである。軍中枢の狭量がもたらしたクラークの悲運を、読者はハルバースタムとともに心から惜しむであろう。
クリントン政権を素材にした政治家と軍部との相容れぬ関係についての観察・考察も興味深いものであった。
本書には、数々の有能な、あるいは個性的な高官が登場するが、巷間に流れている一面的な人物像(例えば、クラーク)と、ハルバースタムの詳細で多面的な視点からする人物描写をひき比べるのも一興だろう。

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紙の本

戦争ってのはどう始めて、どう終わらせるものなのか。

2003/11/28 00:35

2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:念仏の鉄 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 皆さん、一国の政府がどのようにして戦争を始めるか、知ってますか?
 私は知らない。半世紀以上も戦争を他人事扱いしてきたこの国に、それを具体的かつ実践的に知っている人物が、いるのだろうか。
 最近、やたらに自衛隊を海外に出そうとしたり、戦争ができるように憲法を変えたがっている人たちが増えてきたが、私は彼らに聞いてみたい。
 あんた方、戦争ってのはどう始めて、どう終わらせるものなのか、知ってるんですかい?

 それを知りたかったら、たとえばこの本を読んでみるとよい。
 本書に書かれているのは、90年代のアメリカの外交と軍事政策だ。
 湾岸戦争が終結し、政権がブッシュ・シニアからクリントンに、さらにブッシュ・ジュニアに移った2001年初頭までの間、アメリカ政府は国際紛争(主にバルカン半島での紛争)にどうかかわってきたか。大統領、政府高官、軍幹部らの誰がいつ何を考え、どういう判断を下し、どう動いてきたか。大統領が軍を動かすためには、どんな準備が必要だったのか。司令官たちからは、どのような意見が上がってきたのか。そんなことが、この本には克明に描かれている。
 たとえば政治家の自己防衛、役人の責任回避、軍隊の組織防衛といった要因が含まれてくるところは日本とも似ている。だが、決定的に違うことがある。
 戦争というのは、あくまで外交の一部なのである。本書に登場する各国の政治家たちは、自国の世界戦略に基づいて外交交渉を行い、その手段のひとつとして戦争という選択肢を選ぶ(あるいは、選ばない)。この本でのクリントンの(あまり鮮やかとは言えない)戦争のやり方を追っていくと、そういうことが自然と飲み込めてくる。
 この本には、日本のことはほとんど何も書かれていない。にもかかわらず、私はこの本を読んでから、日本の外交が実によく見えてきたような気がしている。
 正確に言えば、「日本の外交に欠落しているもの」が。

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2011/12/15 20:55

投稿元:ブクログ

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2012/06/30 21:39

投稿元:ブクログ

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2013/03/16 17:06

投稿元:ブクログ

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