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「イルカ放送局」などは単独では良い話なんだけど。全体的にチグハグな感じは否めない。特筆すべきは動機であり、この作品で描かれる狂気は、上手く言えないが……真に恐ろしい。原爆を開発した者たちに纏わる物語、として読んでみる分には興味深く、そして考えさせられる。
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ミステリとしてよりは一種の歴史小説、戦争小説としての印象のほうがかなり強くて、そっちとして楽しんだ方が大きいかも。原爆の話は興味があって色々本を読んだりもしていたんだけどこういう風に科学者のほうから見たのは始めてかも。ミステリとしては何となく薄いかな、と思った。ただ、ハウダニットとしてはかなりの説得力のある回答が出ていると思った。ただそれを成り立たせるために一種幻想的な方法を取らざるを得なかったのが残念といえば残念。
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【所持有無】×
【読了日】081206
【キーワード】原爆 研究
【所感】内容について知らずに読んだため、原爆の描写の生々しさに驚いた。
【備考】
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筆者がある男に日本での出版を依頼された原稿は、"原爆の父"と呼ばれたオッペンハイマー博士の未発表の遺稿だった。そこには、自身が所長を務め世界中から科学者たちを集めて原爆の開発をしていたロスアラモスの研究所で起きた事件の顛末が、博士の友人テオドア・ラビの一人称の形をとって記されていた…というお話。
当時の科学技術を大躍進させ、同時にそれがかつてないほど惨い兵器となったという紛れもない事実の間で苦しむ科学者たちの姿を外側から客観的に見る冷静な友人氏の一人称が、かえってそれを書いた博士の二面性を透かし見せて悲しくなります。この二重構造が後々まできいてくるのでほんとにうまいなぁと。
ロスアラモスという外部から切り離された研究所の中で、罪の意識ゆえに科学者たちは自らを正当化しようとする。正当化に失敗した者は狂っているといわれ、成功した者は…
「新世界」。ものすごい前向きな言葉なのに読み終わった後に見るとこんなに重い言葉はありません。核の問題に目を向けなかった人だけでなく、今現在、ある国に対してとか、ある団体に対してとか、原爆反対、核兵器反対といっている人が、"本当に問題の本質を突いているのか"、と痛烈な批判含みで問われているような気がしてなりません。
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人類の英知の結晶なのか、それとも人類の狂気の表れなのか。。。
人の心の闇、病み。。。
ミステリーとしてはどうかと思うが、いろいろと考えさせられた。
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今回取り上げられる人物は、「原爆の父」オッペンハイマー。終戦直後が舞台とあって、当然広島の悲劇なんかも絡んでくるし、とにかく重い内容。タイトル「新世界」の意味も、あまりに皮肉というかなんというか。
ミステリ的には案外あっさりしている感もあるけれど、作品全体の重さが圧倒的。そして事件の動機に絡む「狂気」が最大のポイント。いったいどこまでが「狂気」なのか、それ以前に「狂気」とはどういうものなのか不明である点が恐ろしく、ラストには薄ら寒いものを感じる。いったい誰が「狂っている」のか? そしてこの物語自体の設定の意味は? と考えさせられる部分は尽きない。重いけれど、その分読み応えもしっかり。
それにしても、第三次世界大戦の主力武器はいったい何になるんだろう。第四次があれってことは、おそらく第三次で世界は……。これも想像すると恐ろしい話。
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原爆に関してはアメリカと日本との間に埋めがたい深い溝があるけれど。
その原爆が新世界を創るというのなら、それは間違いであり、人は神にはなれないって事だなと。
無邪気な科学者が世界最悪の爆弾を作ったってのがなんか腹立たしかったー。
祖国では英雄。
2人の飛行士の対比が面白い。
戦争って善悪の境が分からなくなるものなんだな。
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「原爆の父」と呼ばれるロバート・オッペンハイマーを主軸にしたお話。
作り手と使い手と使用場所が離れれば離れるほど罪の意識はなくなるんだなー。
・作り手は最高のものを作ろうとする。
・使い手は作られたものが何か知らずに使用する。
・そして使用された場所が自分の領域から離れていれば離れているほど人事になる。
これがオッペンハイマーの周囲の人々の言動から感じた事、かな。
読んでいるとフィクションかノンフィクションか、わからなくなっちゃいます。
あと、何故かこの本を読むと猛烈に眠たくなります。
きっと私だけでしょうが。
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内容を知らずに読み始めたものの,ミステリというより実在の人物が登場する歴史小説といったかんじでした。
科学者に限らず,作った人と使用場所(と使う人)が剥離しすぎていると,現実感とか善悪の価値観はが無くなっていくことはよくあることだと思うけど,やっぱりぞっとする。
…と暢気に構えていられるのも,そういう状況に置かれていないからなんですよね。ああ,やっぱりぞっとする。
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なんとも言えない後味というか・・・。
最初の件にあるが、50年やそこらで原爆投下が過去のものになりつつある日本。
誰が悪いということよりも、投下された事実、その恐怖、その誤りは忘れてはいけないと強く感じた。
集団で行い、責任が自分にないというシチュエーションは戦争だけでなく、色々な犯罪に起こりえるもの。
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著者本人がなぞのアメリカ人から本書の原稿を預かる、というイントロや原爆を開発したロスアラモスという舞台設定など、道具立てはおもしろいが、こじんまりと纏まってしまったのでは。結末に向かって少し急ぎすぎたように思う。文庫も出てます。
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著者が海外のエージェントから日本での出版を相談された、オッペンハイマー博士が、博士の友人ラビ博士を語り手として1945年のロスアラモスを舞台に書いたという小説の翻訳という体裁をとっている。
が、なぜかいきなりオッペンハイマーが「ミスタ・オッペンハイマー」と呼ばれているとか書いてあって、ホントらしさがあっというまに消滅。なんでドクタ・オッペンハイマーじゃないのか?(なのに医者には「ドクター~」と呼びかける場面がある。)博士号持っていて、周知の状況で、ドクタと呼ばれないなんて普通ないと思うが(日本ならともかく)、もしオッペンハイマーが敢えてドクタと呼ばれることを拒んでいたという逸話でもあれば別だが…。ドクター・アトミックですぜ?
大体、この枠の仕掛けは必要なのか?
素材の原爆が重すぎて、ミステリ仕立ての絡め方がビミョーなような・・・
それにしても、マイノリティに対する放射能人体実験が実話だったとは。さすがアメリカおそろしすぎ。
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やはり忘れてはいけないことなのでしょうね。
忘れないだけでは駄目でしょうから、忘れさせないことが大事ということでしょうか。
しかしながらどうやって。
少なからず次の世代へ間違いのないように伝えることしか出来ないのでしょうか。
そんなことを思いながら今年もぼんやり生きていくのだろうなあ。
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ミステリーよりも知的好奇心をそそる原子爆弾についての作品。冒頭にこの本が出来る経緯のシーンがあるが、最初は著者の気持ちで読み終わるとエージェントの気持ちになってるところが面白かった。
前から原爆の父、オッペンハイマーについて興味があっただけ小説の登場人物として知り得たのは良かった。
人の知的探究心や閃きの純度が上がれば上がるほど倫理/善悪からかけ離れると言うか反比例になるというか...要は当時世界トップクラスの研究者達の狂気を纏った発明品が原子爆弾と判明。
最後に我々は原爆開発地である"ロスアラモス"の地名は忘れてはいけない...
その地で何が作られ、何が目的で、結果どうなるかが最初からわかっていた場所...
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改めて原爆の恐ろしさが見に染みた。フィクションだけどとてもリアルティーがあり、一部シーンは耐えきれず本を閉じそうになったほどだった。内容は重い(?)けど文はとても読みやすかった。