紙の本
楽しい!
2020/02/10 20:40
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投稿者:名取の姫小松 - この投稿者のレビュー一覧を見る
一見して変な題名と表紙。期待に違わず内容はキテレツテンショーである。平々凡々に暮らしていると信じている人々が、ことごとくどっかヘン。
エンターテイメント、ここまでぶっ飛んでいていいんだと心のそこから笑えます。
紙の本
ユーモア、というより関西的な笑いといった方がいいか
2004/05/25 19:08
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投稿者:king - この投稿者のレビュー一覧を見る
ヘンな小説を読んだ。なんでこれがSF叢書から出ているんだろうかと何度も首をひねる。初出を見てみると、SFマガジン、ミステリマガジンの両誌に発表されている。ミステリ……? 違うんじゃないかな。
言うなればユーモア小説とでも呼ぶしかないのだろうが、この独特の世界は結構はまる人ははまるんじゃないかと思う。
「バフバフ」としかいえなくなると言う奇病「バフ熱」(しかし熱が出るわけではない)にかかった男が、洗濯しながら腹が空くという妻の意見から発想したスルメイカでできた洗濯ばさみを作ろうと四苦八苦する話とか、大根下ろしを求めて飛んでいった妻を探して四十年を生きてきた男の話など、どう表現したらいいのかわからないような馬鹿法螺話が連綿と続く。馬鹿話もここまでくると迫力がある。
面白い話を書くことだけに全精力が傾けられているので、人生の悲哀だとか深みを求めてはいけない。話はほとんど一種の駄洒落を無限に拡大したかのような気の抜け方をしているのである。まあ、「アマチャ・ズルチャ」なんてタイトルに深みを求める方がどうかしている。それでも、余韻を残す話の終わり方をさせたりしていて油断はできない。
このタイトルの響きから「ドグラ・マグラ」を連想する向きもある(作中にも、「ドグ」まで出てくる)ようだが、向いてる方向がかなり違うのと思う。夢野久作みたいなどろどろの世界へのロマンみたいなのは全くない。独特のオノマトペなどはすべて面白い文章のためにのみ存在する。
その面白い文章への志向がもっとも良く出ているのが、「トップレス獅子舞考」だろう。著者のインタビューにいわく、「「トップレス」と「獅子舞」を組み合わせたらどうなるかという素朴な疑問から始まって」書かれたというこの作品は、全篇学術風文書のパロディになっていて、過剰なまでにその手の言葉遣いを重ねて長ったらしい文章を書いていく。個人的に気に入ったのは「トップレス獅子舞」を「トップ」と略するところで、間の抜けた響きがいい。
他に面白かったのは、「愛の陥穽」の書き出し。
「この物語の発端は潮の香りがする」
「は」を挟んだ前と後ろのつながり方が絶妙にヘンなのである。いきなりこんな書き出しだったのにはかなりやられた。
カバーもふざけていて、土橋とし子氏の脱力系イラストはもとより、帯を取って裏表紙を見てみるとマッチの頭が並んでいる。どうも、本をデカイマッチ箱とみなした遊びらしい(先のインタビューによると、土橋氏がマッチ箱の収集などしているという由来がある)。帯にも「スタージョンもラファティもすでに亡い 文芸復興、最後の希望 しかし、私たちにはまだ深堀がいる」なんて書いてあって、とことん遊んでいる様がよくわかる。
気の抜けた不真面目さを貫徹する真面目さに溢れたヘンな小説群。タイトルの響きに心奪われた人は、手に取ってみるのも悪くないと思う。
著者の人となりがよくわかるインタビューはこちらの九月の項に。
http://page.freett.com/LeoBruce/reikai2003.html
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変な人と変なものがいっぱい出てきて
ありえへんし~~と言いながら笑えました。
あー楽しかった。
「隠密行動」(「必殺」みたい)と「愛の陥穽」(確かに陥穽wしかし26人も落ちるとはww)が好き。
モヨヨが新聞ではたき落とすところは、笑いすぎて窒息しそうだった。
マンホールが顔に見えたことはあるけど、「うすい」は雨水・・・
一瞬だけドスト(笑)に挑戦しようかと本気で考えた。
引っ越す前の実家(借家だった)の近所に、元映画館のストリップ劇場があったなあと思い出した。
川の向こうじゃなくて国道の向こうだった。
どピンクの宣伝カーが停まっていたりしたなあ。
(10.06.29)
遠いほうの図書館
(10.06.18)
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新書購入
SFと、言うので買ったのに。えーっと……、えーっと……。
よくわかんないお話。柴刈天神という街を舞台に過去に未来に繰り広げられる騒動ですが……、変なおばさんが飛んでいたり、自我に目覚めたマンホールが若くもない人妻を誘惑したり、シリコン樹脂を好むキノコが……とか、妙なお話。
闇鍋奉行とか。
キノコ好きの教授(頭がキノコみたいになっている)とか。
突っ込みようがもはやなく。
いけいけいっちゃえ、どこまでも。
ちなみにタイトルも意味不明であったりするものも。
でも、気にしちゃダメダメ。
だって、このヒト遊び紙にサインペンでサインしましたって感じで、いきなり
コラーゲン配合
深堀 骨
ですよ。
この感性にどー突っ込むの?
というわけで、わけわからないものをご所望の方はどーぞ♪
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この本、帯には<スタージョンもラファティもすでに亡い しかし、私たちにはまだ深堀がいる。><文芸復興、最後の希望>のキャッチフレーズが記されている。
いや、当時は本当にSFを救うのは深堀骨かも知れないとちょっと思ったんだよなあ。結局、深堀骨も貢献したのかもしれないけど、ハヤカワSFシリーズJコレクション全体の力がSFを押し上げて、またライトノベルという意外なところからSF復権の狼煙があがったんだよな。
そんな思い出を噛み締めつつ。
シュールでナンセンスで不可思議な短編集。こういうのを面白がれるかどうかはずいぶん好き嫌いに左右されるので、合わない人には全然合わないだろうなあ。自由自在に言語を操って奇妙な世界を構築するセンスは嫌いではないが、初心者にはあまりおススメできないかも。読書慣れしている人におススメ。
「バフ熱」「蚯蚓、赤ん坊、あるいは砂糖水の沼」「隠密行動」「若松岩松教授のかくも驚くべき冒険」「飛び小母さん」「愛の陥穽」「トップレス獅子舞考」「闇鍋奉行」を収録。
キャッチコピーによれば<柴刈天神前。このありふれた街と人に注がれた真摯な眼差しと洞察をもとに、現代文学から隔絶した孤高の筆が踊り叫ぶ、愛と浪漫と奇蹟の8篇>だそうだ。
本当に孤高の作家という感じがしないでもない。驚くほどクセがあるが、そのクセが病みつきになるかも。
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知人の編集者の方に「読んどけ! さもなくば死ね!」と渡されて、面倒くさいので放置してました。
やっと読み終えたところ……くだらねえ! 超くだらねえ!
なんですか、この不思議な本。しなくてもいい冒険をしまくっている小説というか、確実に読んでも読まなくてもいい部類の本なのに、夢中になって文字を追ってしまう。騙されてる感じ。
ちなみに僕は三大奇書があんまり好きではなくて、タイトルが『ドグラ・マグラ』に似ているから警戒をしていたのだけど、無駄な心配だった。
ぜんぜん関係ない。ふざけすぎてる。
ちょっと検索してみたら、円城塔さんが「お前は何を書いているのだという本」としてフェイバリットに挙げていた。たしかにそういう本ですね。
珍品ありがとうございます! 本棚に奉納します。引っ越しのときには捨てるかもだけど。
ウソです。墓まで持って行きますよ。
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笑える本その5。これで、図書館から借りてみたオススメが終わり。
これはこれは、あまりにも奇妙奇天烈なSF。椎名誠の「武装島田倉庫」のもっと激しくイっちゃっているような感じ。芝刈天神前のイかれた人々。「飛び小母さん」が好きかな。どんな話かと言えば、この町の飛び小母さん伝説に関連したことをユダヤ系寿司屋ゼリーのところで連中が話し合うが、この小母さんは大根おろしを探すための彷徨だったので、飛び大根と飛びおろし金とが…って、わかるかいな。説明するものではないわ。
こんな作品を書いて生きている人がいる。とにかくクセとかアクとか強すぎるので、心の中でなんじゃこりゃと突っ込みながら読めない人には勧められない。
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「バフ熱」★★★
「蚯蚓、赤ん坊、あるいは砂糖水の沼」★★★
「隠密行動」★★★
「若松岩松教授のかくも驚くべき冒険」★★★
「飛び小母さん」★★★
「愛の陥穽」★★★
「トップレス獅子舞考」★★★★
「闇鍋奉行」★
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結局一つ目の話の途中で読むのをやめたんだが、編集は本気でこれが九百人のお祖母さんやヴィーナス・プラスXと比肩しうると考えたのか?
さすがに読者をなめていると思う