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みんなのレビュー58件

みんなの評価3.8

評価内訳

58 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

小さな龍はあなたの心にも

2004/01/07 16:35

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:元インド - この投稿者のレビュー一覧を見る

この本を評価するのは難しいかもしれない。果たして龍とはなんであろう? 少なくとも、この本を読んだ人は、何度か、そんな疑問が浮かぶはずだ。
ただの置物だろうか? 本当に生きているのだろうか? 時々、それすら疑わしくなる。だが、きっと、誰もが「持っている」のだろう。
この本は、あまり多くを語らない。いくらか読み手に想像の余地を残している(時にはその想像を裏切られることもあるが)。
だからこそ、疑問はいくつも頭に浮かぶ。ただ、恐らくだが、作者には謎かけのつもりは無いのだと思う。その証拠に答えは用意されていないことも多い。
ただし、物語が完結していないわけではない。もちろん、物語のその後を考えることは出来るように終わっているが、そんなのは良くあることだ。

この物語は断片のつぎはぎのように、進められていくのだ。

この物語の中心にいるのはタイトルにある「龍」ではない。もっと愛らしい動物だ。だが、それは語るまい。読む楽しみが失われるだろう。
だが、その動物は、この物語には何よりも重要だ。それを中心に物語がつむがれ、主人公は苦悩と楽しみを味わう。
その一連の流れが、実に巧みだ。読み手はいつしか主人公とともに、この家の不思議や家族との交流を楽しく、時には驚きを交えながら体感していく。
そして、成長する。自信を持つ。一軒の家に下宿することを通じて…。

ただ、惜しむらくは、あまりにも断片的で、時々、突飛とも思える部分があるところだ。おかげで時間の前後関係がわからず、何度も同じところを読み直して、理解する必要があった。
心情描写も同じ風で、せめてもう少しここで説明があったらな、と思う部分も多い。それが非常に残念だ。だが、きっと、読んだ人の誰もが心にとどめる、名作になるだろう。

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2004/10/31 12:30

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2005/04/16 18:53

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2005/06/06 23:38

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2010/04/18 11:00

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