博士の死体の数とトリルの死体の数…一緒かもよ。
2006/08/09 19:55
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投稿者:ISH - この投稿者のレビュー一覧を見る
トリルの姿のあまりの痛ましさ。博士に憤る主人公。
「おまえなんかにトリルの痛みなど!」
だからこそ博士はますますもって「感情など無駄」と。
主人公はトリルだけ見ているけれど…。
感情のない(ように見える)素晴らしき人種!と…まるで小さな子供のように胸をときめかせる博士…それは感情ではないのですか?それはどこに向かうはずのものだった?あなたはどれほど素晴らしい人になれるはずだった?と…トリルの痛みを見れば見るほど同時に博士の痛みを感じるのですが。
いびつでもう救いようがないけれど…本当にこれが子に対する愛情だったりするからね。
…だったら、本気で感情捨ててトリルも捨てろ、と思うのですが。
怒るべきは、トリルは自分の目でそれを見たことなど一度もなかったのに絶望だけしっかりと植えつけられた。博士はあの喜びを知っていたはずなのに。
あの子にはほんの一時しか与えられなかった。あの少年と一緒ならば「感情など無駄」と言わずに済んだかも知れぬものを…。
それで、最後トリルは博士同様「知らなければ良かった」なんでしょうかね。
「おまえなんかにトリルの幸せが分かるか!」ともつけ加えてみたくなりました。
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投稿者:pope - この投稿者のレビュー一覧を見る
sfですが、短編ということもあり、それほど設定に理解力を必要としません。
xyzで延々とザーズが演説してますが、そこは飛ばしてもさほど問題は無いです。
絵柄はやっぱりユニコーンの夢の頃が良いですね。
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投稿者:きたのネコ - この投稿者のレビュー一覧を見る
萩尾望都という作家は物語を絶妙なところで終わらせる。
この作品も主人公アデラド・リー’の感情が動き出したところで終了し、読者にその後を想像させるようにしむける。
これを是ととるか否とするかは各個人によると思うが、この作品については終了させて正解だと思う。
他の収録作では初期の「ユニコーンの夢」「六月の声」の2作が良い。いずれも既読の作品だけどやはり読んでしまう。
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・・・・・・・・・・・・アディ・・・・・・・・・・・・白い大地にのまれた赤いたてがみオレの愛するアディはムンゼルの大地の下に深くうずもれてしまったのにどうしてクローンを同一視できるのだ
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萩尾望都さんの、スペースファンタジー漫画です。とても幻想的な世界が広がります。
『一角獣種』という人種が登場する、『X+Y』という短編がお気に入りです。
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萩尾望都のSF。一角獣種に生まれた人間をテーマにした短編集。
ベストオブベスト萩尾望都作品!!
悲しくて切なくてとにかくいいんだ!最高なんだ!ホントいいんです、切ないの好きなら読んで!!
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キューンって、すっごく切ない気持ちになった。ポーとかトーマの切なさとはまた違うくて…。作中に出てくる特殊な種族について文章で説明があるだけでなく、赤いたてがみをチャームポイントにすることで、孤独で危うくて情熱的なキャラを前面に押し出している。こんなに上手に読者に自分の持っているキャラコンセプトを伝えられる漫画家はそういないですよね。天才っているもんだなぁ
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読んだのはこの文庫ではなく古い作品集の17巻なので、収録が少し異なる。
「A-A'」「4/4カトルカース」「X+Y」の一角獣種もののみ
久々に読み返してみた。深い。
「A-A'」は内容的には望都先生が何度か書いているテーマな感じで、心惹かれます。短いのに静かに深い。
が、この1981年の漫画を今読むと、クローンって方が気になる。
遺伝子・記憶を登録して、3年後に死亡すると直ぐに登録当時の年齢のクローンが現れる。
3年で16歳まで成長させれるっていうのがすごい。その後普通に成長できるんだろうし、オリジナルがいないのだから、オリジナルとして暮らせるんだろうし、、、、でも、なんつーか、う~ん、、、そこに引っかかって。いいとか悪いとかではなく、何と言うか、脳内会議が止まらない。
ま、主人公たちが陥るとまどいと同じだ。うん、実に深い!さすが望都先生!
だからか、クローンの現れない同時収録の2作品の方が好きかも。
モリもトリルもタクトも可愛い。
トリルはまぁ、、、でも、同時収録してくれて救われる。
(自)
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かつて宇宙航行のために開発された人口変異種である一角獣種の生き残りを巡る物語がメイン。
「A-A'」・・・一角獣種のアデラド・リーはプロキシマ計画のスタッフとして選ばれたが事故で死亡、しかし危険任務のためクローンの製造が許可されておりクローン体が代わってプロキシマにやってくる。
しかし、プロキシマに着く前までの記憶しか持っていなかった。
80年代初頭作品が中心で、宇宙やESP能力といったものを扱っているものが多い。
表題作の自分の死んだときの保険にクローン体と記憶を残しているっていうのは今読んでも面白いテーマ。
表題作では愛する人が記憶を無くしてと言う意味ので葛藤は描かれるけど、クローンシステムそのものは当たり前に受容されている世界であるのは興味深い。
技術が当たり前になれば自然と受け入れられるようになっていくのだろうか・・・
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安定しているので安心して読める。
ファンタジー世界の広がりがごく自然で、外国の大物ファンタジーを読んでいるような気分。
背景に広がるたくさんの知識に敬服。
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再読。一角獣種の連作なんだ、と再認識。スター・レッドとも関係あんのかな。
私的にこの作品群はすごく好きです。静かに移り変わる感情の表現と、切なすぎる運命と。
メールデールとハプトのお話も、凄味があって…好きです。
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萩尾望都先生のSFファンタジー短編が入っています。
少しづつ話は違いますが、「一角獣種」という人工種のキャラクターが絡んでいる話が4編。後は昔のSFファンタジーが2編と別のモノが1編入っています。
著者の作品を読んでいると本当にその世界に吸い込まれそうになってしまいます。それほど、構成力、ストーリー性が抜群に魅力的。
トリルの話では「個」として大切にする少年と「種」を存続させることにのみ野望を抱く大人。やられますね、、こういう話は。
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有名なタイトルを古本屋で見つけて衝動買いしました。まっさらなひとたちがじわじわと心を動かしていくさまがひじょーにせつない
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一角獣種という架空の生き物を通して、まざまざと見せつけられる。
「ありのままの不器用なあなたでいいのよ」という肯定感。そう肯定されなければ死んでしまうというくらいの不器用さだ。
子供じみている、バカバカしいと思いながらも、それは、甘く優しく魅力的に映る。
SFと言う舞台だから見られる夢である。
現実でこれを描いたら、さすがに夢が覚めてしまう。
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記憶と傷をめぐって綴られる『A-A'』の緊密・厳格な構成、突きはなしの残酷さには圧倒されます。萩尾望都の短編では『半神』と双璧をなす、と言えるのではないでしょうか。全作品中でも最も好きな掌編です(アデラド・リーが綾波レイのモデルだという噂は本当なのかな)。
短編好きとしては最後の『きみは美しい瞳』もたまらないものがあります。