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彼は還った。 山に閉ざされた中国での30年から、未来世紀の東京へ。ブルガリの金時計をした白ウサギに導かれるまま、赤い帽子をかぶった50歳の少年は、 1968年の『今』と2000年の『未来』を2本の足で飛翔する。覚醒のときがおとずれるのを信じて。
構想15年、連載から6年、ついに完成。待望の最新長編。
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一人の男が密航船で中国から日本へ上陸する。その男は30年前の学生運動のさなかに殺人未遂を犯し、中国へ逃亡していた。学生時代の友人を頼って日本での生活を始めるのだが・・。
学生運動中の事故に似た事件で中国へ逃げ出したものの、そこは文化大革命のさなかで、歓迎されるどころか僻地に送り込まれてしまい、大変な思いをします。その様子がだんだんと回想という形で明らかになりますが、それがまたすさまじい・・。
主人公は中国でも結局はよそ者として扱われますし、日本に帰ってきてもすっかり豊かで平和になった日本に馴染めず、違和感を覚えます。
彼の世話を焼いてくれる、友人の部下たちも日本人になりきれない人達ばかり。さらにはひょんなことから知り合う日本の少女も。
居場所のない登場人物たちの交流が描かれますが、私はちょっと理解し難いかな。そんな私は幸せなのかも。
著者はハードボイルドを得意とする作家さんのようです。
アンダーグラウンドな人たちがカッコ良く描かれているので、そういうのが好きな人は楽しめるかも。
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男は殺人未遂に問われ、中国に密航した。文化大革命、下放をへて帰還した「彼」は30年ぶりの日本に何を見たのか。携帯電話に戸惑い、不思議な女子高生に付きまとわれ、変貌した街並をひたすら彷徨する。1968年の『今』から未来世紀の東京へ―。30年の時を超え50歳の少年は二本の足で飛翔する。覚醒の時が訪れるのを信じて。
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どこかで見たことある題名と思って図書館で借りた。調べたら第1回の本屋大賞の10位だったんですね。この内容は一般人が読みやすくみんなに勧めたい本を選ぶ本屋大賞には向いてないですね。10位納得。
村上春樹のような妙な異世界感(本書はファンタジーではない)と古川日出夫のような読みにくさの文章の本でした。
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こうして、オレはここにいる
「こうして彼は、新幹線“こだま”で日本へ帰った。」という出だしに「おっ」と思い、一気に引き込まれてしまった。
物語は、30年前学生運動をしている中で、単身中国へ渡り、そこにいた男が、日本へ帰ってきて、感じ行動する出来事を描いている。
彼は今風浦島太郎であり、そのことを自覚しながら、自分の「いる場所」を探しつづける。過去に戻るわけにはいかない。では、自分の未来とは何なのか。
矢作俊彦の文章は、30年間の時代の流れを交えながら、切れが良く、読み手を全く飽きさせない。
同じ世代の人には特にお薦め
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タイトルは秀逸なのに、内容は実につまらない。ストーリーテリング、言葉の強度、時代錯誤、風俗描写、全てが中途半端だなあ。
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評価が難しい本です。
学生運動で警官相手の殺人未遂を犯し、1968年に日本を出奔した主人公が30年後の日本に帰ってきて、そのギャップで右往左往する話。ある意味それが全てといっても過言ではありません。
コミカルな意味での右往左往ではなく、シリアスな浦島太郎といった風情です。
1968年と言えば僕はまだ生まれておらず、なんとあのウッドストックフェスティバルすら1年経たないと開催されないという年です。当然の事ながら浅間山荘事件も、安田講堂事件も、よど号事件も発生していない時分に、中国に出奔しているわけなので基本的にその頃の考え方を冷凍して解糖したような状況で右往左往なので、街並みも人も彼の目線で見なけえれば理解が難しいのであります。
物に溢れた日本と、中国の寒村のギャップは大きい。そして彼と同じ思想を持っていたはずの左側の人々も日本という国に居る限り、1968年を急速冷凍、急速解糖したような彼から見れば皆同じという事になるだろうなと思います。
そういう1968年の目線から見た東京探訪というように読んでしまったのですが、それ以上深堀するパワーが僕にはございませんでした。つかれた。
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裏表紙やアマゾンの内容紹介ではハードボイルドな内容をイメージしますが、確かにそんな場面もあるのですが、30年前との街並みや人々の変化がひたすら描写され続けます。都内の地名がたくさん出てくるのでマップやストリートビューで調べてたら、読むのに時間がかかってしまいました。
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大学闘争があった時代に中国に渡り、百姓をして生活しながら文化大革命を経験した人が、30年後に日本に戻ってくる話。私も話にしか聞いたことがない時代ですが、今から考えると信じられないといつも思います。大学闘争ばりばりの人が、30年後の日本に来たらそりゃ信じられないことが色々あるだろうなと。ハードボイルド系で渋い話で、唐突にエロがあったりと面白いのかというとよくわかりませんが、妹とのエピソードは泣きそうになりました。
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政治色が強いので読み進めるのに時間はかかりましたが、読んでつまらないことはありませんでした。
やっとの思いで日本に戻ってきて、突きつけられる時代の変化に胸が傷みましたが、暗い30年間を過ごしてきた主人公が、前向きに歩き出そうという気になってよかったです。
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大学での闘争の際に中国に逃げた男が、30年後に日本に戻ってきて、日本で色々な物事を見聞きして衝撃を受けるお話。
残念ながら全然合わなかった。というのも、メインは主人公が新たに見聞きした物事や、新たに知った時事ネタに衝撃を受ける部分であり、その辺の時事ネタをリアルタイムで経験していない身としてはナニソレ?となってしまったからである。その時代を生きた人々にとっては、あぁそんなこともあったなぁと思いながら楽しく読める作品なのではないかと思う。