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紙の本
え?これが図書館?!
2019/06/27 10:50
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ぴんさん - この投稿者のレビュー一覧を見る
世界最高峰の知の殿堂にして、市民の多様な活動を支援するニューヨーク公共博物館。既成概念を打ち破る斬新なサービス、絶妙なデジタル対応。その背景にある非営利による柔軟な運営など、舞台裏を活写したロングセラー。就職・起業支援、医療情報提供に宿題ヘルプ。電子本提供にインターネット接続機器の貸出、情報リテラシー講座まで。作家、映画監督、俳優、音楽家を育て、第一線で活躍する人々が喜んで講演に駆けつける。市民の創造性や知的好奇心を刺激し、個人の潜在能力を開花させる「現代の情報拠点」をいきいきと描く。この本を読み終えるころには、「こんな図書館が日本にあったなら」と思わずにはいられない。映画『エクス・リブリス~ニューヨーク公共図書館』をより深く楽しむガイドブックとしてもぜひご一読を。
紙の本
10年前の本だが…
2015/10/20 00:10
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:おっさん - この投稿者のレビュー一覧を見る
図書館の本を見る機会がなかったが、友人から薦められて読んでみると、日本で生活し図書館を利用しているだけでは、この本が提唱している図書館には出会えなかったと強く感じた。ニューヨークの図書館のような知を人々に提供する図書館であれば、日常に図書館のある生活が普通の生活になるであろう。10年前に書かれている本であるが、未だ日本の図書館は、日本の図書館であり、残念だ。
紙の本
道具としての図書館。
2003/10/07 23:10
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ソネアキラ - この投稿者のレビュー一覧を見る
行きつけの図書館はありますか。あると答えた方へ。図書館は何をするところだと思いますか。読みたい本を借りる。学校のレポートや仕事の資料を調べる。受験勉強、あるいは第二のJ.K.ローリングめざして小説執筆なんていうのもあるか。最近は、ベストセラー「無料貸本屋」などと作家から称されている日本の図書館だが、ところが、アメリカの図書館は違う。
地域に根ざした図書館がお題目でなく、ちゃんと機能しているのだ。実際にアメリカ・ニューヨークの図書館をあちこちフィールドワークしてみた作者の数々の「驚き」が、そのまま、読む者の驚きとなる。
「アメリカでは知識を広げ教養を高めるだけでなく、くらし全般や地域に関しての実践的な情報も合わせて提供し、また市民が情報を活用して新しいものを生み出すことを奨励する開かれた空間に感じられた」
敷居が低く、本というアナログのパッケージだけではなく、データベースなどのデジタル情報も即座に得ることができ、ビデオや録音テープ、CDなど、老若男女、利用者ごとに異なる、欲しい、知りたい情報を得ることができる場所。さらに「多様な講座」も常時開催されている。日本の図書館と最も異なるのは、ビジネス支援、起業支援も充実しているということだろう。「情報収集」や「専門家によるビジネス講座」も開設して、そこで情報交換や同好の士を見つけたりしているとか。さすがプラグマティズムの国である。
ぼくの通う図書館にもパソコンルームがあり、無償で1時間、インターネットできるが、出力はできない。著作権法に抵触するのかなとも考えたが、コピーマシンは1枚10円で使用できる。同じようにプリントアウトできればいいのに。もちろん、自分のノートパソコンを持ち込んでのインターネットは不可だ。
若者向けのハローワークというものができたが、肝心の若者がさっぱり利用しないそうだ。図書館で求人案内をしてみてはどうだろう。本書のむすびに紹介されている足立区立竹の塚図書館のように…。
この本は、ニューヨークの図書館の活動内容から運営方法・宣伝活動まで、紹介している。図書館のブランド戦略というのも、なかなか。資金がなけりゃ知恵を絞れ!の好例といえよう。
「道具」としての図書館、「『知のインフラ』としての図書館」、自分の夢を孵化させるインキュベーターとしての図書館。これからの図書館の在り方が描かれており、日本の図書館の良いモデルケースになると思う。