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紙の本
うんちく=知識×話術
2003/10/19 19:34
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投稿者:べあとりーちぇ - この投稿者のレビュー一覧を見る
金曜日の深夜にテレビ朝日で放送中の「虎の門」。その中で月に一度放送される人気コーナーが「うんちく王」である。最近大流行の雑学系番組の中でも後発組に属する本コーナーは、雑学をただそのネタ単体では語らない、という点で独自色を出している。つまり、あるお題について出場者たちが制限時間内で話をし、その話全体が面白かったかどうかを視聴者がモバイル投票により審査するという形式を取る(司会者が判定する回もあり)。
ネタがいくら面白くて、誰も知らないような「へえ〜」なものだったとしても、その語り口が聞き手を魅了しなければ勝ち残れない。生放送のために司会進行は情け容赦なく、制限時間はどんどん過ぎるしうんちく披露の順番はじゃんじゃん巡ってくる。苦し紛れの残り10秒で素晴らしいストーリーが飛び出すこともままあり、「うんちく王」出場者の頭の中はいったいどうなっているのだろうと不思議に思うことしきりである。
本書は、そんなスリル満点の「うんちく王」コーナーの初回から第6回放送までをまとめた本である。
こういうネタ本の場合、往々にしてその面白さにおいて本放送に及ばない、ということがあるが、本書はちょっと違う。もちろん出場者の丁々発止の駆け引きや息詰まる緊張感、残り10秒での技あり大どんでん返しといったシーンを味わうには本放送に敵うべくもない。しかし本放送を見た人でも読み返して面白いし、見なかった人もそれなりの臨場感を味わえるだろう。これはなかなか大したものである。
出場者の語り口をそのまま掲載することで、その人独自の雰囲気の再現に成功していることがその要因のひとつ。要所要所に「うんちく王」常連5人(伊集院光氏、山田五郎氏、上田晋也氏、なぎら健壱氏、松尾貴史氏)の楽屋裏インタビューを挟み、出場者が「その時その場で何を考えながらしゃべっているか」を垣間見せてくれていることがまたひとつあるだろう。インタビューを読んだ後、「そうか第○回のあのシーンでは、この人こんなことを考えていたんだな」と読み返すのもかなり楽しいのだ。
うんちくを語る制限時間は長くて60秒程度、お題は時にはしりとりで決まったりする。台本の書きようがない出たとこ勝負で、たまに話に取り上げた雑学というか知識そのものが間違っているということもある。本放送時には判らなかったそういう間違いを、本書ではあからさまに注釈をつけて指摘してあったりするところも、ちょっと意地悪い楽しみ方のひとつかも知れない。ただし、知識が間違っていたからダメということではなく、「それでも話として面白かったのなら問題なしですよ」という姿勢も、「話術」に片脚をおいたこの番組らしい。
大袈裟に言えばその「話術」が「芸」になっている瞬間があり、それが本書を再読に耐えるものにしていると言えるだろう。「しゃべりのプロ」たちが繰り広げるライブパフォーマンスの記録をじっくり楽しみたい。「うんちくブック2」の発行が、早くも待たれる感じである(本放送をチェックするのもお忘れなく)。
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