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紙の本
著者コメント
2003/10/05 03:15
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投稿者:いのうえ・ゆあみ - この投稿者のレビュー一覧を見る
中国山地から流れ出る太田川中流域の谷あいに、今も三十戸余りの人々が暮らす野冠(のかづき)の集落はあります。本書は、その地で代々、狭い農地と山林労働、そしてアユ漁を生活の糧として生きた人々が、戦争と環境破壊、さらには時代の変貌に翻弄されつつも「川」とともに生き抜いてきた姿を、ひとりの川漁師の人生を通して描いた「広島の昭和史」です。
物語の主人公の渡康磨(わたり・やすま)さんは1927(大正15)年生まれ、77歳の現在も、この川筋きってのアユ漁師として活躍しています。その渡さんからの聞き書きを元に、太田川や広島の現代史に関わる詳細なデータを駆使して、骨太なノンフィクションに仕立てました。アユ漁の技法と「川」への思索、そして昭和恐慌下の幼年時代から今日に至るまでのさまざまなエピソード、なによりも渡さんのアユの友釣りに賭ける情熱、そして電源開発・ダム建設等によって喪われてゆく水辺の情景と野生の命への限りない哀惜が全編を貫いています。
地元広島では発売とともに中国新聞の書評に取り上げられ、大きな反響を呼んでいる話題の一冊。「川」「自然」「あゆ」「広島」に関心ある読者にお勧めします。ちなみに、著者は学習塾経営の傍らドキュメント制作や脚本も手がける苦労人。書き下ろし第一作ながら、真摯な筆致と奔放な構成力はすでに折り紙付きです。
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