紙の本
極限状態で芽生えたものとは…。
2006/03/29 01:37
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投稿者:チャミ - この投稿者のレビュー一覧を見る
『あらしのよるに』のきむらゆういちさんの絵本です。
『あらしのよるに』にも通じる“喰うか喰われるかという極限状態に芽生える友情”を描いています。
逃げるうさぎ。追いかけるきつね。雨で崩れかかった橋に二匹が乗った瞬間、その橋はシーソーのように不安定になった。
きつねがうさぎに近づくと、橋はギギギーッと傾きはじめ、ゴウゴウと流れる川へ落ちてしまいそうになる。
ちょうどバランスが取れるところで二匹は止まっていなければなりません。進むことも退くこともできない極限状態。誰も助けに来ない中、時は刻々と過ぎていきます。
すると敵同士だった二匹の心に微妙に変化が現れて、うっかりうさぎが居眠りするシーンでは、なんときつねが「いのちをだいじにしろ!!」と叫びます。
今から自分が食べようとしていた敵に向かって「いのちを大事にしろ」。そう、きつねにとっても、うさぎにとっても相手は自分の命を守るために必要不可欠な存在へと変わっていたのです。
さぁ、二匹はこの後どうなったのでしょうか?
それは絵本を読んでのお楽しみ。
ちなみに最後につぶやくきつねのセリフがとっても粋で「かっこいい!!」と感じたのは、私だけではないはず!
この絵本には作者・きむらゆういちさんと絵を描いたはたこうしろうさんの幼い頃の写真が掲載されているのも魅力です。
紙の本
ゆらゆらゆれる心のバランス
2004/09/01 22:36
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投稿者:Edamae - この投稿者のレビュー一覧を見る
一匹の逃げるうさぎとそのうさぎを食べようと追いかけるきつね。その二匹が激しい雨に痛めつけられた一本の丸太橋の上にやってきます。きつねは、うさぎを逃がさないように丸太に飛び乗ったとたん、丸太のバランスが崩れ…その丸太の上で、食べる・食べられるの関係の二匹の心のバランスも微妙に変化していく様子を面白おかしく描いています。特に、夜になってうさぎが眠くなり丸太から落ちそうになるときに、きつねが、「命を粗末にするな!」と叫ぶ場面なんかは、きつねの心の変化を実に上手に描写できています。また、はたこうしろうさんの絵も大変ユーモラスで物語にすごく合っていると思います。絵本を読み終わると自然に顔が「ニコッ」としてしまう絵本です。きつね、君はいいやつだなあ。
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『あらしのよるに』で有名な、きむらさんの書かれたきつねとうさぎのお話。命をかけた息もつかせぬ駆け引きのはずが、2匹のやりとりはどこかユーモラスで、やがて迎える結末も「よかったね」と子供と一緒にホッとできるあたたかいものです。
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主人公はどちらかというとキツネかな。
ウサギを食べるために追いかけていたはずなのに、丸太から落ちそうなウサギに向かって「いのちを大切にしろ!!」と叫ぶキツネ。
ウサギに対する友情のようなものが芽生えたキツネの優しさに、笑みがこぼれてしまう・・・そんな絵本ですよ♪
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これぞ「きむら ゆういち」といったかんじです。
あらしのよる を髣髴させる内容で、危機迫った、自然の中の弱肉強食の世界にあって、それでも相手を知ってしまうとついつい情にほだされていく。
主題はきっとあらしのよるに と同じ方向にあるようです。
ふらふらと つりあいのとりにくい危ない橋の上でとうとう一夜をすごすことになってしまった二人のやり取り、そのときの顔の表情が息子には面白いらしく、いつもこっそり笑っています。
読み聞かせには若干長いですが、親もすっかりたのしめます。
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ウサギを食べようと追いかけるキツネ。
でもいつしか友情が芽生え・・・
キツネの心境の変化に思わず笑いが出ちゃいますよ♪
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図書館のおはなし会で読んでもらった本。
気に入ったらしく、そのままお持ち帰り。
きむらゆういちさんの絵本って初めて読んだけど、凄く現実的だ。
ちなみに、すべてひらがなだったので、読む練習も出来ました。
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うさぎを食べたいきつねと、食べられないよう逃げていたうさぎが、大雨で流されそうになった橋に乗り、荒れる川に落ちるか落ちないかの恐怖を、いろいろ会話をしながら2匹で乗り越え、お互いが大事な関係になってさよならするお話しです。橋の上でのやりとりや状況はスリルを感じ、子供たちはドキドキするかもしれません。最後ユーモアたっぷりの終わり方で心がポッと温かくなる絵本です。
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1匹のうさぎがきつねに追いかけられて、丸太の橋にかけこんだ。
きつねも橋にとびのった。
ところが、橋は土手からはずれ、2匹が動くたびにシーソーのように揺れる。
追うに追われず、逃げるに逃げられず。
そうこうしている内に、日が暮れて、真夜中に。
追う側と、追われる側の二匹が、何だかんだと語り明かす。
途中、うさぎが眠りそうになった時、きつねがうさぎを必死に起こすシーン。
「もっと、命をたいせつにしろーーー」
笑えるような、泣けちゃうような、そんなお話です。
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S太朗5歳0カ月で出会った本。雨で丸太1本となってしまった橋。足場の悪いところへ、うさぎときつねが…2匹がバランスをとりながら一本の橋の上…
このスリル感がS太朗に受けた。
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絵がきれーい!!
丸太の橋のあっちとこっちで
きつねとうさぎが身動きとれなくなる話
木村さんっぽいなー
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いっぽんのつり橋の上。
うさぎときつねの問答が始まる。
食われてしまうのか、うさぎ。
無事に食べることができるのか、キツネ。
でも2匹が近づこうものなら、橋はゆらゆらとゆれて。
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丸太の橋の両端でのきつねとウサギのやり取りが面白い。
食うか食われるかの関係の中で二匹にめばえたもの。
絵が少し小さいので、少人数むけかな。
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何日も降り続いた雨がやっとやんだ日、きつねがうさぎを追いかけています。
うさぎは、この丸太を渡れば逃げられると思い、きつねは、この丸太を渡らせなければ捕まえられると思いました。
ところが、きつねが丸太に飛び乗った途端、丸太が大きくはずみ、土手の石が崩れ落ち、丸太は土手から離れてしまいシーソーのように揺れだしました。
ウサギもキツネも一歩も身動きできません。
ずーっと、ハラハラドキドキしながらお話が進みます。
橋が傾いたり、ぐるぐるまわったりするのに合わせて、文字が書かれているのが面白く、毎晩読まされるのですが、いつも橋がぐるぐる回るところで、笑い出します。
次々変わるきつねとうさぎの表情も良かったです。
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2歳9か月
何より絵がキレイ。
そして、お話に沿って出てくる擬音語が気に入ったようで、一緒に読んでくれます。
丸太の上でゆらゆらする2匹の表情とやりとりが楽しいようで、日に何度も読んでます。