紙の本
どのような伏線なのか
2009/05/24 20:50
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:萬寿生 - この投稿者のレビュー一覧を見る
半分は孔子の母の顔氏の話になる。残り半分の半分が、それぞれ冉伯牛の寄生虫病の治療の話と孔子と處父との成城の破毀をめぐる政争の話である。これまでと違い表立った呪術同士の闘争はない。嵐の前の凪の状態か、残り三巻の伏線になるのであろうか。残り三巻のみでは、この物語は孔子の魯の国からの追放と遍歴の旅の始まりで終わってしまいそうだが。
古代人の病気や神霊にたいする認識や感情にたいする民族学的あるいは文化人類学的な著者の蘊蓄が面白い。
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謎のヒロイン・徴在の物語
2004/02/08 07:22
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投稿者:Okawa@風の十二方位 - この投稿者のレビュー一覧を見る
これまで謎のヒロインだった徴在の登場です。子蓉との戦いで壮烈な死をとげた顔穆、その穆との悲恋のストーリーも明らかに。そして孔子の誕生秘話へと話は繋がっていきます。孔子が何故神話の時代から人々を解放する役割を担わされたのか、神話の時代の礼から文明の時代の礼へ転換を成し遂げた運命は、実は皮肉にも徴在という古の巫女によって蒔かれたのです。
医ゲイの相変わらずの傲慢ぶりもおかしい第十巻、物語はいよいよその始まりの秘密へと進んでいきます!
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酒見賢一の陋巷に在り 10を読みました。顔回の物語も10巻目になりました。?も回復してきて一安心と言うところでしたが、また子容が復活してしまって大丈夫なんだろうか、と心配になります。今回は?に関連して孔子の母親の徴在の物語も語られています。読み終えると次巻が待ち遠しいですね。
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命とは神の啓示を待ち与えられたものとのこと。この巻では孔子の両親がどのように出会って孔子が生まれたのか・・その経緯を孔子の母親である顔徴在の父、太長老が明かします。顔氏の一族の長の末娘である徴在は、その頃の習わしで家に残る定めがありながら、家出同然の有様でかなり年上の男性と一緒になります。男勝りの性格を持ち身体能力の高さで際立った存在だった彼女は、一族の年に一度の祭祀において舞を舞っているときに神の啓示を受けたからなのでした。
この巻ではこの他に妤を回復させた医鶃が、さらにその医師としての腕を発揮する場面が登場します。孔子一門の弟子のひとりが少正卯一味の悪巧みにより瀕死の状態に陥っているところを救いだそうとします。主人公の顔回はほとんど脇役で登場しますが、ちょうど彼が日蝕に遭遇する場面が出てきます。孔子の天文学の知識にも触れており、最近「天地明察」を読んでいたこともあり興味深い場面でした。
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孔子の母、徴在ついに登場。
回想シーン満載でございます。
でも、リアルタイムで読んでいるような臨場感。
(うまいよね。すっかりひきこまれている。)
徴在のエネルギー!熱!奔放!
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この巻では孔子の母徴在の話が中心となり、孔子出生の秘密が明らかになります。あと医げいも相変わらず大活躍ですが、顔回の影はちょっと薄いかなあ。
にしても65歳と16歳のカップルってのは凄いですなあ。
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長いなぁーと思いつつも、物語は着実に進行する。
顔回の方は妤の回復を待ち、伯牛の病を治そうと医鳥兒を連れていく。
妤の回復は著しく、太長老のもとに出入りするようになる。
そこで明らかになっていくのは、孔子の驚くべき出生の事情だった。
妤のお転婆ぶり復活。
若き日の徴在(孔子の母)もいわば跳ねっ返り娘だが、やはり妤とは違う雰囲気を持つ。
作家の書き分けの技に驚く。
一方、孔子サイドの物語は、成城の取り壊しの件の膠着状態が続く。
取り壊しを何としても止めさせたい城宰、處父は、息を吹き返しつつある少正卯、悪悦と手を結ぶ。
膠着状態の背後で、緊張感が高まって、次の巻へ。
そういえば、この巻には南伸坊の挿絵集がない。
ちょっと寂しい。
お盆休みに、一日一冊。
さて、週末までに読み終われるか?
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陋巷に在り 第10巻
本シリーズの重要な登場人物、孔子の秘密を明かす。
孔子、顔儒のルーツにきりこんでいく。