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:「どうやって社員が会社を変えたのか」のもとになった本。
ヨコハマ自動車という部品メーカーの風土改革の様子を小説風にして描いている。
いすゞ自動車の改革という実話をもとにしているだけあって、非常にリアル。
そして自分が今、会社の風土改革に取り組んでいるだけあって参考になる話がたくさんある。
各章ごとにスコラ・コンサルトの柴田さんの解説があるのも非常にありがたい。
読んでみて感じたのは組織は生き物だということ。
トップを心臓だとすると、手足という末端まで血液が流れていても、末端からの血液が流れていないと、健全な状態ではない。
要するにトップダウンの指示型では、組織は死んでいく。
ボトムアップの自主活動型でないと組織は生き返らない。
そのためには、一人ひとりが思っていることを吐き出し、仕事の当事者になることと、外からの学びといった栄養素をしっかり取り入れることだと思う。
もう少し小説の長さが短いと何度も読み返せてよいかもしれない。
とはいえ、会社に限らず組織づくりに関わるすべての人にとって参考になるオススメの内容です。
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気楽にまじめな話ができるように風土・体質を変える。その仕掛けには世話人が必要。その先に企業再生がある。
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大企業をモデルとした企業変革のドラマであり変われない人々をどのような仕組みや取り組みで変えていくがリアルに描かれている。
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この本に書かれていることで会社は変われないと思う。色々とふわっとしており、これをすればいいと短絡的に考えて失敗する可能性が高い。短期的には風土は変われたとしても根底を変えなければ意味がないし、続かないだろう。
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自分の組織と照らし合わせながら読み進められる本でした。
一生懸命働いているのに、決して組織がうまく機能しているとは言えない状態。会社、組織への不満、マネジメントへの不満。様々な問題に気づいてはいるのに、言出屁は損をするという通念。
そんな状況を変えるにはどうしたらいいか、考えるヒントをくれる本。
今のタイミングでは、「場作りの大切さ」が強烈に心に刺さった。上からの押し付けでなく、メンバー自らが考え、主体的に行動できる環境をつくる。いきなりさぁどうぞと言われても、そんなの無理。だから少しずつ土壌を耕し、種を蒔いていく必要がある。
そして、一人一人が主体的に行動しても秩序立った行動ができる判断軸・行動指針などの存在は非常に重要。
私の中にあるのか?と問うと正直疑問は残るが、組織のせいにせず、自らの責任のもと考えていこうと思えた。
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工場で働く身として、共感するところが多々あり、ぜひとも何度も読んで参考にしたい。
まじめな雑談、場を作ること、風土・体質改善の大切さ、衆知を集めて1人で決める、責任者の明確化等。
言い出しっぺが損をしない、そういう土壌作りが大切だ。
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企業再生の物語。そのアプローチは、仕組みを変えるのではなく、相互理解、信頼をベースにした社員の関係を変えるもの。大学院の講義で北居先生が行い、魔法のように感じたことを思い出す。
物語の後半に、新技術が見つかり成果を上げる。他の書評には「ご都合主義」とあるが、これは偶然ではなく必然だと分かる。意識改革がなければ新技術は気にも止められない。
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ドラマ仕立てで組織の変革が見えて面白い。
最初が一番面白くて、徐々に読むのにだれてしまったが…
組織を変えるというヒントは色々詰め込まれている。
もう一歩「知恵」のレベルに昇華されていると面白そう。
自分自身でまとめ直してみてもよいかもしれない。
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この本を読んで双方向のコミュニケーションが大事だと思った。規律と緩み。個々の社員は自律的に動きながら、組織は大きな1つの方向に向かうようにする。そのためにはビジョンを示して個々の社員が生き生きと働くことが大事。言うは易しだが、実際に実現するのは難しい。こっちを締めるとあっちが綻ぶというようにバランスを保つことが難しく経営はアートの世界だと思う。動的平衡の感覚が必要でセンスなんだと思う。
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なぜ会社は変われないのか―危機突破の風土改革ドラマ
(日経ビジネス人文庫) 柴田 昌治 (著)
またまた、「会社を替えても、あなたは変わらない」の海老根智仁氏の推薦本。
今回は、文庫で、468ページの長編小説本。読み応えがある。
思わず、柴田昌治って何者だろうと思ってしまった。
とにかくリアル、あてはまることばかり。
まったく納得のシチュエーション。小説の登場人物をリアルの名前に置き換えられそう。
先日の合宿の前に、読めればよかった。
問題はどう実践するかだぁー。
【キーセンテンス】
4/「気楽にまじめな話をする場」の重要性 志の高い骨太の価値観を共有しようとするとお互いが裸になって語り合える場が不可欠。
6/ この「変わろう」と「変えよう」が絶妙のバランスで作用する時、会社の体質は根本的に変わっていく。
30/決定したことは伝えられても、「なぜそうなったのか」は噂話でしか流れない。
66/事務局や上層部が熱くなるほど社員は冷める。彼らの問題意識は「社員を変えなきゃ」 あの「棚上げ思考」は滑稽
71/社員が会社を変える
84/協力する(話し合い関係を拡げる)と協調する(なあなあで納める)
活性的不安定状態と不活性的安定状態
90/お互い言うべきことは言いながら協力する
95/社員が自分の仕事の場である会社の風土・体質を「変える」のだ。
このパラダイム転換なくして風土・体質は変わらない。
121/ゆとりがないからではなくて、ゆとりをつくる知恵を働かせていないから・・
137/風土・体質の改革とは「牽制しあう人間関係」を「信頼し合い相談しあえる人間関係」に変えること
179/実務の現実に乏しい役員は「課長とよく相談して部長にはなしたら」というが、それをできない体質の問題に及ばない
206/まず「聞き合う」ことを大事にする
326/「衆知を集めて一人で決める」
「日頃から相談しあえる関係を作る」という土壌開拓
460/ある程度の材料さえ揃えば、後は「勘」を働かせて腹をくくって「決断」するしかないこともある。
「勘」を養えるように日頃からアンテナを張っておく。
多数決で決めると「勘」は働かない。「勘」の働きそうな人を前面に立てて、その日地の「決断」に頼る
463/「言いだしっぺが損する」「いうだけムダ」と思う人がどれくらいいるかで、その組織に風土・体質的な問題がどれくらいあるかがわかる
466/二割の社員がかわればよい
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”ハードカバーで読んだけど、再読したくて購入
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T:五感塾までに → 道中の電車で260ページ(6割)まで
P:北村さんの改革を追体験する
O:
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・オフサイトミーティングの準備
一つひとつの場で何を目標とし、どういうふうにその先をつくりあげていくのかをイメージしてみるのです。勘違いが起きやすいのは、裏方がこういう準備をしっかりやることと、参加する人たちには本当に気楽に参加してもらうこととを両立させるところです。(p.5)
#五感塾もそうだ!
・あきらめるというのは、ある面で楽な部分があって「私は何もしないよ」と宣言しているようなものです。うちの職場では課長以下、管理職全般にそういうところが見受けられて、このままではいつまでたっても変わりようがありません。そうやって失点を出さないことで自分の身は守れるかもしれないけれど、それで会社が死んだのでは元も子もありません。だから、ちゃんと話し合いたいと思うのですが、まともに話す相手がなくて私は職場で孤独です。(生産/二十代男性) (p.42)
#この違和感!
・先の社長対話の失敗で、坂巻は改革という管理・運営とは性質の違う活動を実践できるセクションが存在しないことに気づき、その必要性を感じ始めていた。(p.59)
・『やらせの活動では風土は変わらない』というインタビュー原稿
インタビューに応えている無邪気な笑顔の人物は、大手機械メーカー、等々力精機の部長で名前は三村芳郎、肩書きは「風土改革世話人」と記されている。(p.68)
・二度と同じ失敗を繰り返すまいと固く心に決め、人事部で自ら手を挙げて「誰かのためにやるのではない、自分のためにやる改革」に踏み切ったのだと三村は語った。
それは推進組織をもたずに“やりたい者がやる”という人の気持ちを大切にした異色の改革活動だった。(p.71)
#お?、「私がやる!」プロジェクトだ。
★氷山の下の部分を「不安定にしていくこと」が活性化であり、風土・体質の改革である。
つまり、お互いに牽制し合って「余計なことは言わないほうがいい」と安定している状態を、「お互いに言うべきことは言いながら協力する」という不安定な状態にしていくことが風土・体質改革の中身なのだ。(p.90)
★人間というのは、本当にやりたいと思ったら言われなくても自分から進んでやる、それが自然な状態だと思います。(p.104)
・信頼関係ができるような条件を整える (p.107)
たとえば、通常の会議や打ち合わせの場とは別に、そこに関わる人たちが気楽に前向きに話し合えるような『場』をつくるというのも方法の一つだと私たちは思っているんです。”
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日本企業の多くで、程度に差はあれ、ありそうな事象をテーマにしてる本。
個人個人は本気で頑張っているけど、組織としてはなかなか機能していない会社がモデル。
こういった組織を変えるには、言い出しっぺが損をする、何も変わらない、という傍観者(仕事は全力でしているものの自分の与えられた裁量の範囲でのみしてる人も含む)の2割を信頼関係で結び、耕す必要がある。
実際、本書はこの耕す部分に大半を割いているほど根本であり、重要なテーマ。
組織としてのゴールは、統一的な判断基準を持ち、個人個人が自分で考え意思決定することが大事って書かれてる。
その中での大きなテーマの一つは、「衆知を集めて一人で決める。」これは独裁的な意味でなく、個々が自律的に行動しながら全体としては秩序を持っているというイメージ。そして個人目線で言うと、本気で失敗するいう成長の機会にもつながりますよ、ということが書かれている。
自分としても「自律的に行動する」というのはもうしばらくテーマになりそうだなと。
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この本を読むのは、2回目。
1回目は学生の頃に読んで、全然ピンとこなかった。
が、自分も社会人経験をそれなりに積み、
改めて読み直してみることで、
ようやくこの本の凄さに気づき始めた。
ちょっと古い本ですが、今で言う組織開発やティールにも通ずる本で、
読めば読むほど味わい深い本。
やっぱり基本は、社員同士の対話(本の中では「気楽にまじめな話をする場」と記載)が大事なのかなと感じたり、
組織って生き物に例えられることがありますが、まさにその通りだなと感じたりしながら、
今本を読んでいました。
もう少し全体感の分かるまとめのようなページがあっても良かったと思いますが、
それでも企業の組織風土を変えていくことに興味のある人にとっては必須の一冊なような気がします。
【個人的メモ】
・気楽にまじめな話をする場(オフサイトミーティング)をつくる
・衆知を集めて一人で決める(p.320-321)
・「みんなが納得する」事項と「一人で決める」事項を分ける:目標やルールはみんあで決める(p.325)
・衆知を集める議論、一人の責任に基づく意思決定を可能にする組織風土作りのためには、①衆知を集めて一人で決めるのルールの徹底②日頃から相談し合える関係を作る③統一的な価値判断の基準を組織全体で共有する(p.325-326、p.360-361)
・「一人で決める」ことで失敗も増えるが、それも教育機会と割り切る(p.326-327)
・オフサイトミーティングの要素:気楽に、まじめに、人の話に耳を傾け、根幹を成す問題提起がある、毛色の変わったメンバーの参加(p.366)
【個人的所感】
・会議・報告会・対話の3つを使い分けるのが良いのかもしれない:会議…何かの議案について議論し、意思決定する場、報告会…何かについて、参加者に共有がなされる場、対話…ゴールを定めず、何かについて話し合う場(お互いの相互理解の時間を含める)