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世銀で働いている時のエピソード集。
生い立ちからが入っている。
内容的には軽いので1時間ちょいで読める。
「貧困に立ち向かう仕事」とエピソードは大体一緒だった。
「貧困〜」の方が詳細に裏舞台まで書かれている。
世銀で働く日本人女性からの寄稿もあり。
まーまーかな。
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(2009.08.18読了)
世界銀行の南アジア地域担当副総裁を務めた西水美恵子さんの自伝です。
仕事の思い出については、下記の本で読めます。
「国をつくるという仕事」西水美恵子著、英治出版、2009.04.20
略歴
1947年(推定)、大阪生まれ、
よちよち歩きのころ北海道へ引っ越して、中学まで過ごす
「自分には何か力があるのに、それが伸ばせないような社会に住んでいる」と感じていた
1963年(推定)、都立西高等学校入学
1964年、(高校一年)高校生親善大使として一カ月ニューヨークでホームステイを体験
「アメリカの自由さ」を実感、女性も物怖じせず堂々と自分の主張をすることに驚嘆
日本にいると「自分は女だから、やりたいことができない」と考え
1964年夏、(高校二年)フィラデルフィアの高校(ジェンキンタン・ハイスクール)に留学
1966年、メリーランド州ボルチモアのガウチャー大学に進学(全寮制の女子大)
女子大なので、女子でリーダーシップを発揮できる人がその場を当たられる
1970年、ガウチャー大学卒業
千代田化工建設の特許部に一年間在籍
1971年、ジョンズ・ホプキンス大学大学院入学(経済学)
1975年、ジョンズ・ホプキンス大学博士課程修了
プリンストン大学に助教授として迎えられる
「日本の社会で仕事をして生きていくには、アメリカ社会で同じことをするより、束縛が多い。人間として、仕事をして一所懸命生きても、それが公正に評価されない社会だ」
(アメリカで生きることを選択)
1980年、世界銀行に誘われ、入行
「自分がエコノミストとしての生き方で社会に奉仕することはできないか」
1987年、ヨーロッパ、中東、北アフリカ担当
1995年、南アジア担当営業局長
1997年、南アジア地域担当副総裁
2003年12月、世界銀行を退職
●海外で働く心得(52頁)
自分の専門をしっかり持つこと
語学を鍛える
外国で骨を埋める覚悟を持つこと
●世界銀行の力点(55頁)
女性とか弱者が開発政策に積極的に参加することによって、社会的な力をつけ、その結果として、貧困を緩和させていこう
「女性解放をしないと、経済開発の速度が速くならない」(58頁)
●中国の印象
「一つの省を訪問すると、その省の行政担当者が、自分たちの省をあたかも一つの国であるかのような態度で話す、中国全体のことを考えて話さないで、まず自分の省を中心にする。」(117頁)
「政治的にこの国は一つの国として、長続きするのだろうか」(118頁)
●重要な会議は、ピクニックやディスコで(124頁)
共産党政権下だったハンガリー、現在の中国では、電話や会議室での会議は盗聴されているので、重要な話はピクニックに出かけるか、ディスコで話すことがありました。
結婚しているようなのですが、子供はいないようです。この本では、夫の話はほとんど出てきません。女性にとっては、ぜひ聴きたいところと思うのですが。
(2009年8月23日・記)
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新聞で仕事について語っていた西水さんの話がいいなと思って読んでみた。西水さんの本は最近ではほかにもいくつかあるようだが、これは多分、最初期のもの。明石書店の刊だけあって真面目なつくり。といえば聞こえはいいが、読者目線とはあまり言えないと思う。世界銀行の他の日本人女性スタッフの文で1章にしていたり、講演録が入っていたりするので、西水さんの人物を知りたいと思って読むとちょっともの足りない。
仕事に向かう姿勢とか、リーダーとしての役割とか、柔らかだけどきっぱりとして気持ちのいい筆致で描かれているのだが、特にいいなとおもったのが、仕事の場で、「美恵子はこれから怒りますよ」とか言って、厳しい意見を言ったりするということ。この最初の一言で、相手に準備ができるし、自分もしっかりとものを言える。しかも、何だかかわいげもある。協働を旨としながらも強権的なリーダーが率いる必要があるときは「美恵子はこれから独裁者になりますからね。でも、間違ったこともするかもしれません。そのときは指摘してくださいね」とするといったところも同様。自分のしたいこと、すべきことのためには厳しく、そして相手にも厳しいのだが、懐柔の術をもっているという感じ。
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銀行かつ女性役員という立場だからこそできる仕事について情熱溢れる書きぶりで、面白かった。
売春はないと言い張る役人に、ないわけないでしょ!と言ってみたり。
本人のキャラクターもあるのだろうけど。