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ヘラジカがふってきた! みんなのレビュー
- アンドレアス・シュタインヘーフェル (著), 鈴木 仁子 (訳), ケルスティン・マイヤー (絵)
- 税込価格:1,650円(15pt)
- 出版社:早川書房
- 発売日:2003/11/01
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紙の本
やっぱ、この本はケルスティン・マイヤーの挿絵でしょ。ともかく、みているだけで心が温かくなってくる。もちろん、ユーモア感覚だってバッチしさ
2004/03/12 20:22
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
この本では、カバーには名前が載っているものの、不親切なことにカバー折り返しの著者紹介や、鈴木仁子の訳者のあとがきにも触れられていないので、神に成り代わって私が書いておく。この本の成功は、作品本来の良さもあるけれど、ケルスティン・マイヤーの挿絵がなかったら、ここまでの楽しさがあったかは疑問。少なくとも私にとって、これはマイヤーの絵を愛でる本である。
「クリスマスまえ、空から
ヘラジカがふってきた!?
もうすぐくりすますというある夜、ぼくの家の屋根をつきやぶって、ヘラジカが落ちてきた! トナカイのかわりにサンタのそりの試験飛行をしていて、足をすべらせたんだって。
名前はミスター・ムース。おもしろくてやさしいヘラジカで、ぼくはすぐ仲よしになった。でもそれが、大騒動のはじまりだったんだ!」
がカバーうしろの紹介。
話の内容はこれで十分だろう。そこで簡単に状況だけを説明しておく。場所はドイツの郊外の小さな町だろう、そのフィンケルヴァルト通りの「ぼく」の家である。時代は現代、もっと詳しく言えばクリスマスの2週間前から始まる。で、「ぼく」の名前はベルティル・ワーグナー。姉のキキとママのキルステンとの三人暮らし。パパとママは離婚をしている。
家族の年齢ははっきりしないけれど、マイヤーの素敵な絵を見る限り、ぼくは6歳、キキは10歳前後だろうか。ぼくは、人知れず悪戯をして、それが人に知られるのを恐れている。キキは、ともかく自分が頭のいいところを見せたくてしょうがない。で、それは本当にうまく行っていて、隙を見せるところが全然ない。それが嫌味にならないところは立派。ママはフツーの優しいママ。
で、これに農場のパネッケさん、ママの友だちで女性解放を叫ぶゲルリンデおばさん、毎年焦げたココナツプレッツェルを送ってくれるおばあさん、そしていつかはトナカイのようにサンタのそりをひきたい、やさしいヘラジカのミスター・ムース、そしてそそして、お待たせ、ちょっと意地悪なところもある人間くさいサンタさん、こんなところだろうか。
で、全体として心地よい内容で、思わず微笑みたくなるような場面が一杯である。ともかく、悪意をもっている人間はパネッケさんただ一人である。そして「ぼく」が語り手であるにも拘わらず、だから物語の中心にいる、という状態でないのもいい。特に、普通ならば嫌味に描かれるはずのキキが、どう考えても憎めないのである。影の薄さで言えば離婚した(された?)パパが一番かもしれない。
繰り返すけれど、マイヤーの絵がいい。日本でいえば杉田比呂美か佐々木マキといった感じで、線の柔らかさもだけれど、水彩の色のつけ方もとっても気持ちよくて、案外、難しい夜の色なんかも綺麗にだしている。で、例えば8,9ページの逆さまになったヘラジカも可愛いけれど、28,9頁のパネッケさんが干草を届けるところなんかは、文章と絵の配置も含めて拍手ものである。
こんなにも素晴らしい挿絵作家について、何故、出版社も訳者も触れようとしないのだろうか。疑問というよりは疑惑すら抱いてしまう。
紙の本
タイトルと表紙に惹かれて衝動借り
2004/07/25 20:18
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:APRICOT - この投稿者のレビュー一覧を見る
滅多にない事だが、児童書を読んでしまった。たまたま図書館で見かけ、突飛なタイトルと、表紙のとぼけたイラストに惹かれて、衝動借りしたものである。
ぼくとママと姉さんがクリスマスの準備をしていると、いきなり空からヘラジカが降って来た! サンタのそりの試運転中に事故にあったのだ。一家は、とりあえずケガが治るまで、ミスター・ムースと名乗るヘラジカの面倒を見る事にするが…。
結構おもしろかった。読んで良かったと思った。本筋もなかなか味わいのある話だが、それ以上に、こげこげのココナッツプレッツェルや、ナシのシロップづけ等、細かな小道具の使い方に気が利いているのが、物語にコクを与えている。
また、キャラクターが誰も彼も、類型的なようでちょっと変わっていて、生き生きしているのが良い。特に気に入ったのは、ママの友だちで、女性解放運動家のゲルリンダおばさん。最初は、ヘラジカ相手でも女性解放論をぶたずにいられない石頭だと思ったら、「オトコはあたしの敵って事になってるんだから、誰にも内緒よ」と言いながら、こっそりミスター・ムースにごちそうを差し入れるシーンに、思わずニヤリ。
問題は価格。わずか30分で読めてしまうのに、1500円はいくら何でも高すぎ。図書館から借りられたから良いが、決して買おうとは思わないし、人に薦めるのもためらわれる。児童書に手を出す気になれない最大の理由だろう。
紙の本
クリスマス前のある晩、ぼくの家の屋根を破ってヘラジカが落ちてきた!
2004/07/07 14:59
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:エーミール - この投稿者のレビュー一覧を見る
このタイトルを見て、ああ、サンタクロースのそりから落ちてきたのねとぴーんときた人もいるでしょう。でも待てよ、サンタクロースのそりを引くのはトナカイでしょ。トナカイとヘラジカってどう違うのなんて、急に調べ始めたりして…。それはともかく、このヘラジカ、ミスター・ムースという名前で、面白くてやさしい性格。それに言葉が話せて、いろいろなことをちゃんと説明してくれるから、「ぼく」とお姉ちゃんはもうミスター・ムースが大好きになっちゃう。
「ぼく」の家族はなんとなくへんてこりんな家族なのだけれど、みな気は良くて、一方ミスタ・ムースもなんとなくへんてこりんなのだけれど、やっぱり気が良いのだ。サンタクロースも登場するのだけれど、サンタクロースってこんな人だったの? と思うくらいひねりのきいた人物で、ストーリー展開はわかっちゃうような気もするのだけれど、ほのぼのして楽しい話なのです。1995年に出版されて以来、クリスマスのたびに読まれている人気作品というのもうなずけます。絵もさりげないけれど、魅力的です。カラーの挿絵ですしね。のんびりと過ごすクリスマスに、こんな本を読むと、ホントにくつろいでいい気分になれますよ。
(エーミール/図書館の学校・児童書選書委員会)
紙の本
内容紹介
2003/11/26 11:12
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:bk1 - この投稿者のレビュー一覧を見る
クリスマス直前、トナカイに代わり、サンタのそりを引いて試験的に空を飛ぶヘラジカ。ところが、その試験飛行の最中に1頭が地上へ落下し、よりによってぼくの家の屋根を突き破ってしまった! ママとお姉さんとぼくは、ケガが治るまでこのヘラジカをかくまうことにするが、次々と騒動が起こって……家族みんなで楽しめる、ドイツのユーモラスなクリスマス・ファンタジイ。
クリスマスまであと2週間というある日、ぼく、ベルティル・ワーグナーの家に、空からヘラジカがふってきた! 「わたしはミスター・ムースと申します」あぜんとするぼくとママと、お姉さんのキキに向かって、ヘラジカはていねいにあいさつした。サンタのそりを引いて飛んでいて、足をすべらせて落っこちたというのだ。ママはびっくりしながらも、足をねんざしたミスター・ムースをとりあえずガレージにかくまうことにした。
ぼくのうちにはパパがいない。パパとママは最近、離婚してしまったのだ。去年のクリスマスには、パパがサンタの格好をしていた(おかげでぼくは、サンタなんていないと知ってしまったのだけど)。パパのことを思い出すと、胸がもやもやしてくる。パパが帰ってきてくれたら、と思うけれど、だれにも話したことはない。
キキはものすごい物知りで、何でも理屈っぽく説明する。将来は科学者になって、アカデミー・フランセーズに迎えられるのが夢なんだって。ヘラジカと話ができるなんてまたとないチャンスと、キキはさっそくミスター・ムースに科学的質問を浴びせかけはじめた。
ミスター・ムースによると、サンタは毎年、トナカイが引くすばらしいそりに乗って、世界じゅうの子どもたちにプレゼントを配りに行く。トナカイはたしかに優秀だけど、いばり屋でわがままだ。そこで事前のテスト飛行に借り出されるのが、一段劣った、いわば二軍選手のヘラジカだ。けれど、ミスター・ムースたちヘラジカは、サンタの役に立てることを心から喜んでいた。いつかは練習でなく、本当にプレゼントを配るそりを引きたい、それがミスター・ムースの夢だった。
ミスター・ムースがうちにいてくれて、ぼくはうれしくてたまらなかった。あったかくて、おもしろくて、すてきな友だちのミスター・ムースが、ぼくは大好きになった。でも、しゃべるヘラジカが家にいるなんて、人に知れたらたいへん。毎日ひやひやだ。
クリスマスの2日前、ミスター・ムースの足がようやく治った。例年どおりおばあちゃんもたずねてきた。そこへ突然、サンタが現われ、頭ごなしにこう言うのだ。「わたしのヘラジカを返してもらおう」なんて感じが悪いんだろう。「サンタだって、証明できるの?」むっとして聞くと、サンタはぼくたちの秘密をずばり言い当てた。
「あんたたちはおばあちゃんが送ってくれるこげこげのプレッツェルを、いつも池のカモにやってしまってるだろう」ひどい! こんな脅迫をするやつに、ミスター・ムースを渡すもんか! ぼくたちとサンタのあいだは険悪な雰囲気に……
両親が離婚してちょっぴりさみしさを感じている「ぼく」。二軍扱いされながらも、いつの日か子どもたちにクリスマス・プレゼントを配ることを夢見る、ロマンチストのヘラジカ。実は横柄なサンタクロース。その他、キャラクターがそれぞれにひねりがきいていて、魅力的だ。ユーモアたっぷりの語り口も、ほのぼのとしたイラストも楽しく、夢のあるラストには、だれもがクリスマス・スピリットを感じてしまうだろう。
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