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どこにでも、ヒョイと現れてフイに消えてしまう潤一をめぐる連作集。こういう男、きっといるんだろうなぁと潤一の映像が浮かんできそうだった。水色のパーカーをヒョイッと着て歩いてきそうな感じだ。
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川上弘美の「ニシノユキヒコの恋と冒険」に似ている。そして三浦しをん「私が語り始めた彼は」の若い男バージョン。
男の不可解さがぬらりひょんとしていて小気味いい。
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わたしさぁ・・・こんな男絶対に嫌だな。
読んでて腹立ってきた。
でも、なぜか夢中になって読んでしまった。
『井上荒野』ワールド??なのかな・・・
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伊月潤一、26歳。出会うほとんどの女たちと「ごはんの感じ」でセックスをする、無責任でだらしない男である。この一人の男を軸に、彼に関わったことのある、下は14歳から上は62歳までの女性たち9人が、それぞれ彼とのエピソードを語っていく。最後に潤一本人が語る章があって、これまで「人の話」の中にしか出てこなかった噂の人物から直接話が聞けるようで、一番読むのが楽しみだった章をいざ読んでみたら、ううむ、やっぱりつかみ所のない、よくわからない男だということがわかった。しかし、これこそが潤一の魅力であって、多くの女たちがどうしようもなく潤一に惹かれてしまう所以なのだ。
この著者の本を読むのはこれで4冊目だったが、これまで読んだ本どれにも、共感はしにくいけどどうも憎めない、という感想を抱いた。共感できないものは好きになれないことが多いのに、なんとも不思議な魅力である。『だりや荘』に続いて、この『潤一』はかなりおもしろく読めた。
しかも、潤一は、この直前に読んだ『グラジオラスの耳』に収録されている短編に出てくる複数の人物の特徴と共通点があることが、読んでいるとわかる。こういうことがあると読者冥利に尽きる。『グラジオラスの耳』を読んだ後に本書を読むことになったのも、何かに導かれたのではとすら思えてくる。これぞ本を「作家で読む」ことの醍醐味だ。ちなみに、本書中でも、たびたび各章が交錯するのもなかなか楽しい。
2004年、本作で島清恋愛文学賞を受賞。(2005.4.4)
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川上弘美さんの「ニシノユキヒコの恋と冒険」に似ている。ようで、似てない。同じたぶらかされる(?)なら、私はニシノくんのほうにお願いしたいなあー。
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2009.09
潤一にかかわる女性の話。
この作者が気になって読んでみました。おもしろかったです。
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しょうがないやつだなぁ潤一は。
でも、いるよね、こういうひと。そしてこういうひとに惹かれてしまうおんなのひと。
全部読んでから、もう一回読み返したくなる感じの本でした。
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潤一を巡る女の人たちの連作短編集。
若くてルックスはいいけどおバカで貧乏で、どこがいいんだろうか的な人でも、人生の中で心にひっかかるときがあるんだろうな。
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潤一という男を関わる女性たちの話の短編集。
ただの女好きでだらしない男かと思いきや、人助けっぽいこともしている。でも、イマイチ深みがない話かも。
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わたしは何も持ってはいなくて、それなのにとてもからだが重くて、だからどうしようもなくからっぽな、あなたに惹かれる。どこへも、行けないね。
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潤一という青年に魅了される、女性たち。
太極拳のインストラクターで産休中の映子
妹の夫と関係を持つ環
夫を亡くし意気消沈するあゆ子
中学の同級生だった美雪
冷めつつある夫婦の仲にある千尋
お父さんを亡くし思春期故の、困惑と残酷さに揺れる瑠依
年の離れた障害を持つ夫との関係に歪みがしょうじた香子
潤一の姉の希
男漁りばかりしていた美夏
潤一自身の気持ち
つかみどころがなくて、気づくとどこか手の届かない場所へと行ってしまう
動物のように欲望に従順で、純粋な潤一
中学時代の潤一と美雪のぎこちないデートの様子が
リアルでほほえましくてよかったw
川上弘美のニシノユキヒコを思い出した。
読みやすい)^o^(
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三浦しをんが書評を書いていて、面白そうなので読んでみた。
潤一の人物像がつかめそうでつかめないけど、潤一の出生の謎はすごく興味がある。
潤一もそうだが、彼を取り巻く女たちも相当突飛な人物たちばかりだった。
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限りなく★★★★1/2。
なんなんだろう、この作品?
詳細が描いてあるわけでもないのに
妙にエロティックな雰囲気が全体に流れていて
それでいて、妙にせつない。。。
好きだな、この作品。
久しぶりの一気読み。
井上荒野。
まだまだ読んでみないと。。。
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以前読んだ三浦しをんさんの本で紹介されてたから探して読んでみた。
こんな男の人、実際いたら大迷惑だわ。関わらなければいいのだけど。
でもそういう男性に惹かれてしまう女性もいるんだし、本当に不思議な話だ。
何に向かってるのかな~潤一は。
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全く理解できなかった…。
前半は、潤一と出会った9人の女性の一人語り。
この9人はほぼ潤一と寝るわけです。
それもほとんどが行きずり状態。
普段はそんなことしない女性たちが、
そうなってしまうほどの魅力が潤一にはあるのです。
でも、潤一はひとところにとどまらず、すぐに去ってしまう。
そのあたりの心の内は最後に潤一の一人語りで明かされます。
うーん…。この本の良さがわからなかった。
何故、奥ゆかしい女性がそこまで潤一に狂わされてしまうのかが全く分からず…。
「潤一みたいな人がリアルにいればいいのに」
とも思わないし。
女性からの評価が高い本らしいんですが、
私は女性の心を失ってしまったのでしょうか…笑
「切羽へ」はとっても好きなのですが。
本作は私には合わずでした。