グレイホーク・ワールドガイド ダンジョンズ＆ドラゴンズ みんなのレビュー

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投稿者：苦楽　-　この投稿者のレビュー一覧を見る

　本書は会話型ロールプレイングゲームであるダンジョンズ＆ドラゴンズ用の背景世界グレイホークの解説書である。
　本書の内容で先ず目を引くのは、大判のフルカラーマップである。ヘクスによって距離が把握しやすいように準備された美しい地図によって、読者は馴染みのない世界の地名、位置関係、距離が容易に把握できる。
　この地図を傍らに置きながら、本書の内容を読み進めていくと、異世界で冒険を行うために必要な情報が分かり易く整理されて記述されているのが見て取れる。

　世界の概略に始まって、天文・暦法、人種・種族・言語、個別の国と地域についての記述、国以外の組織、個別の土地を扱った地理、人々が信仰する神々、この世界を共通に楽しむための諸規定、そしてそれらを使いやすくしている索引である。
　個別の国についての記述では、支配者、政治形態、都市、行政のあり方、資源、使っている貨幣、人口、言語、住人達の属性の傾向、宗教、外交関係、概略、歴史、そして抗争と陰謀という記述が用意され、その国が現在抱えている問題─それはすなわち冒険者達、キャラクター達が関わるべき問題でもある─が記述されている。これを用いれば、簡単に冒険を始めることが出来るだろう。
　また、個別の土地を扱った地理に関しても、その土地で起きた奇妙な出来事、住民を脅かしている脅威、あるいは人を引きつける神秘や富についても語られており、冒険者が訪れるべき冒険の舞台を用意している。
　神々に関しては、プレイヤーズハンドブックに書かれていない神々についての記述も用意され、神と人の距離が近い世界において重要な要素である信仰という要素を豊かなものにしている。
　巻末の索引は、英語版では別に雑誌に掲載されたものであり、網羅的で参照しやすい索引の存在によって本書の利便性を何倍にも高めている。

　全世界に大きな影響を与えたグレイホーク戦争は終結したが、その戦争の余波が世界を覆っている。善なる国々を滅ぼそうとする北の魔王アイウーズ、互いにいがみ合う二つに分裂した大王国、古の帝国をよみがえらせようと陰謀を巡らす秘密結社緋色団、巨人達に占領されたままのジェフ、オーク達の帝国ポマージなどの、立ち向かうべき試練に満ちた世界が本書の中に広がっている。この危険に満ちた世界においてキャラクター達は強大な敵を打ち倒し、財宝と名誉を得て徒手空拳の身からついには王になることも可能なのだ。

　また、アメリカ製の世界ということもあり、拘り抜いたディテールも仮想世界での冒険を盛り上げてくれる。フルカラーマップの端に描かれた神々のシンボル、表紙裏にフルカラーで描かれた各国・諸勢力の紋章、国ごとに設定された貨幣、二つの月に基づく暦法と祝日などは仮想世界のディテールを増し、世界の存在感を増すのに役に立っている。

　グレイホークの世界は、D&Dの生みの親ゲイリー・ガイギャックスが生み出し、様々な人々によって三十年にも渡って遊び続けられてきた世界である。本書で是非その世界の魅力に触れて欲しい。

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投稿者：bk1　-　この投稿者のレビュー一覧を見る

『グレイホーク・ワールドガイド』には何十もの国々と神々の説明や、何百もの冒険を始めるきっかけが収録されています。ダンジョンマスターが、オリジナルシナリオを作成するためには欠かせない資料となります。既刊『プレイヤーズハンドブック』および『ダンジョンマスターズガイド』とあわせて、さらに奥深い世界を楽しむことができます。