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紙の本
遥か彼方からの渇望
2020/11/01 22:26
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投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
宇宙空間のオアシスとも言える、地球にたどり着いたトーマスの渇きが伝わってきました。種族を越えた恋愛関係から、エネルギー問題に環境破壊までと鋭い考察が張り巡らされています。
紙の本
デビッド・ボウイ主演映画公開から27年、原作の初訳。家族と決別し、300人残された同胞の命運をかけ異星からやって来た男の孤独と堕落。
2004/01/21 22:21
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:中村びわ(JPIC読書アドバイザー) - この投稿者のレビュー一覧を見る
米国での出版が1963年、40年も前のSF小説だ。訳者も巻末に「原作が書かれた時代には近未来だった設定が、すでに近過去になってしまっている」と触れている。
たとえば、主人公である異星人ニュートンがビジネスパートナーとなった男性からスピーカー・システムをプレゼントされる。それといっしょに500曲が録音されている自動カートリッジも贈られるのだが、「録音はすべて小さな鉄球の上におこなわれており、…」(137P)という具合。
映画化されたものは公開されてすぐに観たのではなく、数年経て名画座に落ちたものを観た記憶があるが、当時の私が何枚か持っていたデビッド・ボウイのアルバムはCDではなく、まだLP盤ばかりだった。
今、BANG&OLUFSENというメチャかっこいいオーディオ・メーカーが出しているカタログが手元にある。Beosound3200というプレーヤーあたり欲しいと思うが、スピーカーと合わせると70万円近い。ちょっと手が出せないでいる代物…まあ価格の話はどうでもいいのだが、その機器は独自のCDメモリー機能がついていて、400枚分のCDを4つのグループに分けて保存できる。CD全曲でなく、好きな曲だけでも保存できる。技術は進歩している。しかし、近未来というものが現実社会になっても、その恩恵を多くの大衆が受けるかどうかは、また別の話である。
異星人のニュートンは地球人の音楽を楽しまない。あいまいで奇妙だと思っている。人類と祖先をともにする設定であるが、知能は人類の2倍あり、足の指の数が異なり、虫垂がなく、骨の構造がまるで違っている。そして、終末の大きな悲劇へとつながる独特の視力をかねそなえている。
彼にしてみれば、自分の星アンシアに残された僅か300人の同胞から離れ、移殖の足がかりを作るためにやって来た地球は、知能の低い猿どもの国にしかすぎない。高い知能がありながらも故郷では燃料も資源も尽きたため、地球で手に入れたそれらを搬送しなくてはならないのだ。そこで、持てる高度科学技術を武器にグローバルな企業体を築いて資金を稼ぐ。実は上に挙げた鉄球の形をしたカートリッジも彼の会社の特許品である。
人間とは思えないほど痩せて透けるように白いデビッド・ボウイが演じたニュートンが、ここに丁寧に描写されている。というか、原作の異星人のイメージをこわさないよう、いかにボウイが役作りをしていたかが分かる。妖艶な姿が目に焼きついており、地球の女性との野合(品のない言い方かな?)シーンが鮮烈だった。
だが、視覚効果も狙った性的な場面は映画だけのもので、小説で追われているのは、地球にひとり落ちて来た彼の「孤独」といういかにも人間らしい感情と、そのために彼が陥るアルコールへの耽溺。猿のような人間に囲まれるうちに、その猿に感じ始める好意と反発、そして猿からの感化なのである。
地球の気温にも気圧にも太陽光線にも弱い彼が触れ合う人間の数は、ごく限られている。貧しい暮らしを強いられていたみすぼらしい女性や、ニュートンの技術に不審を抱いた地方大学の研究者。地球に落ちて来た男の視点を借りた人間の洞察と人間社会の分析は、近未来や近過去などの時代に関係ない。なぜか変わらないそれらの実態や本質に迫っているのが、40年ぶりに出たSF邦訳を読む価値なのだ。
紙の本
編集者コメント
2004/02/06 03:15
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投稿者:担当編集者 - この投稿者のレビュー一覧を見る
ついに登場! W・テヴィスによる、D・ボウイ×N・ローグの名作映画の原作
惑星アンシアから地球へ落ちて来た男の運命を描く、伝説的SFの登場です。原作刊行から40年、デイヴィッド・ボウイ主演/ニコラス・ローグ監督の映画化からも四半世紀以上が経過していますが、「ハスラー」の原作や「ふるさと遠く」などで知られる作家ウォルター・テヴィスが描いた物語は、いまなお胸に迫ります。テヴィス未亡人による、日本語版への序文を特別収録。
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