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紙の本
ようやく新撰組になりました
2005/03/09 22:51
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投稿者:みなとかずあき - この投稿者のレビュー一覧を見る
もともと栗本薫は饒舌であった。この『夢幻戦記』にかぎらず、あの『グイン・サーガ』のような長編やシリーズものだけでなく、短編にしても、これでもかこれでもかと描かれている登場人物たちに、ある種の心地よさを感じて読み続けてきたものだった。もしこの饒舌さがなければ、この新撰組の物語はとっくに池田屋事件も過ぎて、大政奉還へ向かっていただろう。
そう、それでもこの第13巻で試衛館一派は新撰組になったし、その直前に禁門の変に出動もした。そして、巻末では芹沢鴨暗殺もあった。これだけエピソードが盛り沢山というのは、この数巻のうちではなかったことだ。物語がずいぶん動いた、という感じだ。
それなのに、この物語の主人公のはずの沖田総司は相変わらず煩悶しているひ弱な若者を続けている。この巻最後でも「うつつも転生も前世も、すべてが夢なんだとしたら…本当のうつつなどというものは、存在するんだろうか?」なんて考えている。しかし、これがきっとこの物語の要なのだろうなあ。
当初は、幕末と異次元とを駆け巡る妖怪や夢魔たちの物語かと思っていたけれども、この頃は幕末に視点が据えられていて、ますます沖田総司の内宇宙を語っているようにみえてきた。異世界を巡るファンタジーではなく、アイデンティティを探すファンタジーだったのかもしれない。
それにしても、13巻まできてようやく新撰組になったばかりだ。これからどれだけ続いていくのだろう。
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