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ポワロシリーズ。
16年前に起きた事件を推理するポワロ。関係者から手記を取り、質問をし、それで解決させる。五匹の子豚とは、当時に関係した真犯人と思われる5人のこと。最後まで犯人がわからなかった。
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16年も前の事件を、物証もなく、関係者の証言だけで謎解くミステリ。
5人の容疑者の証言に齟齬はない。
私は真犯人探しに思い巡らす。
情熱的な彼が嫉妬に狂ったのか?
いや静かな彼こそ内に殺意を秘めた真犯人だろう。
いやいや、それではヒネリが少ない、良識の塊の彼女が…。
クリスティが編む人物描写に心地よく踊らされる私。
そして真相は…。
終わってみれば落ち着くところに落ち着いてスッキリ読了。
いつものポワロものの満足感に満たされる。
証拠集めに這いずり回るようなことはせずに、
灰色の脳細胞で事実のみを積み重ね不自然を排除して事件解決する
名探偵ポワロの面目躍如な事件。
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16年前に起こった殺人事件の犯人として獄中死した母親の無実を証明して欲しいと頼まれたポアロの推理。
古い事件と言うことで、証拠物件はなし。
関係者の記憶も曖昧になっている中でポアロが回答を導く出す様は安楽椅子探偵然としている。
が、安楽椅子探偵大好物の私があまりときめかなかったのは何故だろう?
与えられた手札のみでの推理で犯人が自供してしまったからなのだろうか? うーん。
ちなみに、読みながら犯人も動機もそこに至る人間関係も当てることができた。その意外性のなさが不満だったのだろうか?もやもやする…。
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出だしは正直おもしろくなさそうと感じた。
過去の回想がメインになるので、
どうしても面白くならなさそうと思ったので。
だがこれが思いのほか夢中になれる。
展開からして母親はまあ無実なのだろうけれども、
じゃあ誰が犯人なのかという所で最後二転三転させる。
しかし、クリスティはドラマ版を見たくなるなぁ。
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再読。16年前の事件の真相を探るポアロ。5人の当事者からおなじような話を聞くだけなんだけど、不思議と退屈しない。犯人が分かった上でもう一回読んでみると面白そうだと思う。
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ポアロは16年前に起きた事件の真実を突き止めるべく、各関係者に手記を書かせ、その記述から手掛かりを拾っていきます。地味なストーリーですが、関係者の偏見や愛憎によってカロリンに対する見方が異なるところがとても面白いですし、手掛かりを一つ一つ繋ぎ合わせて真実を浮かび上がらせるプロットが素晴らしいです。マザーグースがこじつけ程度なのは残念ですが、完成度の高い作品だと思います。
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16年前に起こった殺人事件の再調査を依頼されたポアロ。ポアロはさっそく当時の事件関係者の証言を聞きに行く。過去の事件の真相を描くミステリー。
巧い! その一言に尽きるミステリーです。
事件は高名な画家の毒殺事件。若い愛人に走った夫を妻が殺した、という構図です。クリスティーお得意の愛憎入り混じったミステリーになっています。
それぞれの人物描写がまず巧い! 証言から徐々に明らかになってくるのは、それぞれの事件の見え方の違い。ある人は妻が犯人だとは信じられなかったり、もちろんその逆もあり、あの女はとんでもない女だった、という証言もあります。
そうした事件の見え方の違いもありますが、そこから容疑者の性格や考え方もうかがえるわけです。誰もものすごく特徴的だったり、あるいは精神的に破綻をきたしている、というわけではありませんが、それでも読んでいくと、普通の人のそれぞれの個性がでてきます。クリスティーの普通の人の人物描写や心理描写はやっぱり抜群に上手い!
そして事件の構図の見せ方も巧い! それぞれの錯綜した見方が一つにまとまった時見えてくる構図。これぞまさに真実は一つ!です。
真相が明らかになってからの犯人の独白も印象的。事件解決の爽快感もありつつの、それと対照的な犯人のもの悲しさの漂うモノローグ。個人的には、その部分を読んでいる時ずっと頭の中で、「古畑任三郎」の犯人が動機を語り始める時の音楽が流れていました。
その犯人のもの悲しさも、単純に人の狂気を語る方向に逃げるのではなく、あくまで普通の人の敗れざる心情を描いたからこそのもの悲しさ。クリスティーのミステリが心に残るのは、『アクロイド殺し』や『オリエント急行殺人事件』のようにトリックのインパクトもありますが、こうした人の心情のもの悲しさをしっかりと描き切っているからだとも思いました。
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こんなミステリもあるのかと、驚きの導入だった。だって、被害者も犯人(と思われる人)ももう亡くなってるのだもの。題名の五匹の子豚、物語の5人の登場人物になぞるのはちょっと私は分からなかった。
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2015年の東京創元社新刊ラインナップ説明会で、有栖川有栖先生がクリスティを読み返しているといってあげられていたのがこの「5匹の子豚」と「杉の柩」。
古い殺人事件を丁寧にほりかえすポワロがそれぞれの登場人物の個性を際立たせ、最後には論理から意外な結末が。
なんとなく、有栖川先生の『朱色の研究』を連想させます。有栖川先生作品好きにおすすめです。
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Five Little Pigs
カーラ・ルマルション 事件の依頼者/娘
アミアス・クレイル 画家、カーラの父
カロリン・クレイル アミアスの妻
エルサ・グリヤー アミアスの愛人
フィリップ・ブレイク アミアスの親友
メレディス・ブレイク フィリップの兄
アンジェラ・ウォレン カロリンの妹
セシリア・ウィリアムズ アンジェラの家庭教師
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過去の事件の殺人事件の調査とは、ミステリーとしては珍しいのか。 しかし、ポアロの場合、現在の事件でも現場の物証であまり重視されないから同じか。とはいえ現在の事件の場合、物証がまったく出てこないわけでない。というわけでこの話はあるいみすっきりしていていいかも。 ちなみに私の場合、途中の推理はするだけ無駄(当たらない)ので考えてません。
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この本では過去の事件を関係者の証言から紐解くだけで新しい事件が起こるわけではありません。それなのにいつの間にか惹きつけられぐいぐいと最後まで読まされてしまいました。マザーグースの五匹の子豚さながらに事件当時の様子を綴った5人の手記。同じ些細なことを別の思いを持った人が見るとどれだけ違って見えることか。ポアロの的確な5つの質問により暴き出される真実は、芸術家という被害者の人となりと被害者の妻の思いの推移が印象的でした。派手な作品ではありませんがとても読み応えがあり心に残る作品となりました。
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アガサ・クリスティーのポワロシリーズ#23。
アメリカ版原題は「回想の殺人」といい、16年前に起こった殺人事件の真相を追う。こうした、過去をさかのぼるシリーズの最初らしい。
「五匹の子豚」という日本語題名のほうは、物語中に出てくるマザー・グースの歌(この子豚はマーケットへ行った)から取られているけど、確かにその歌をポワロが口ずさんでうんうんと頷いたりするシーンは出てくるんだけど、お話や謎と密接に関わっているとはどうも思えない。歌をよく知ってたらなんか影が見えてきたりするのかな。
小説自体は、犯人(取りあえず母親)の哀切な心情なんかもあって、しみじみ面白かった。
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***ネタバレしてます!***
"「あなたには、まだまだ学ばなければならないことがたくさんあるからですよ」
「それはなんですか?」
「いろいろな大人らしい感情です——人に対する哀れみとか、同情とか、理解の感情です。あなたが知っているのは愛と憎しみだけなのです」(p.404)"
クリスティー中期を代表する傑作。
彼の女史は、『オリエント急行殺人事件』や『アクロイド殺し』で見られるような華々しいトリックでも有名だが、特に中期以降は、人物の「語り」、あるいは心理の動きに強い関心を持って作品を書いたミステリー作家だと、個人的に思っている。
本書では、殺人事件が起こったのは16年前である。司法的な手続きはとっくに終わっていて、物的証拠はもはや手に入らないし、当時犯人として捕まった人物は獄中で亡くなってしまっている。真相に迫るには、当時の関係者たちのもとを訪ね、話を聞いて回るしかない。しかし、この「話」というのが厄介な代物で、そもそもが主観的なものである。同じ行動であっても、その人物に対して良い感情を抱いているか悪い感情を抱いているかで見方は容易に変わり得るし、流れた長い月日のために記憶が捻じ曲げられているかもしれない。ポワロは、そのような「語り」を手掛かりとして事件を再び組み立て直し、16年のあいだ埋もれていた真実を明らかにする。複数の光源から投射された光が宙に図形を浮かび上がらせるように、生きた人物たちが繰り広げた、過ぎ去りし日々の秘められたドラマが眼前に立ち上がってくるのだ。
本書の見どころは、2つあると思う。
1つは、人物を複数の証言を通して多面的に描いた点である。16年前、夫殺しで逮捕された妻のカロリンは、ある人に言わせれば"敗北者であり意気地なし(p.73)"であり、またある人にすれば"美しい夢"、あるいは"ごくあたりまえの淑女"であって"感情の起伏のはげしい女"。この何れも、ある意味で「真実」を語っている。ただ、証言者たちの経験や価値観、そしてカロリンへの感情が違うだけなのだ。また、証言が常に「本音」を語っているとは限らないのも勿論である。例えば、ある人物を敢えて殊更悪く評することは、そこに意図的なもの(ズバリ言えば、その人物への好意を隠そうとする意志)を読み取るべきであるのは、よく分かる話だろう。
もう1つは、魅力的な真犯人の人物造形だ。自分の欲しいものを手に入れるのに誰よりも貪欲でありながら、自分の若さ・未熟さゆえに望みを遂げられず「敗北」することになる彼女の姿は、哀れを誘う。ラストシーンは実に印象的で、見事である。
"「カロリンもアミアスも、二人いっしょに、わたしの手の届かないところに行ってしまったのです。結局、二人は死ななかったのです。死んだのはわたしでした」
エルサは立ちあがって、ドアのところまでいってからまたいった。
「わたしが死んだのです……」
廊下にでると、エルサの前を、これからともに生活をはじめようとしている若い二人が通って行った。(p.406)"
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昔に事件を遡って、真犯人を探していく
5人の登場人物それぞれにインタビューに行き、事件に関する手紙を書いてもらい、そこから真犯人を見つけていく
犯人が気になって一気に読んじゃった〜
ポアロ探偵シリーズ