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これも恋愛心理小説として大好きな作品。当事者にしか分からない男女の愛情、親子の愛情がよく書かれているし、登場人物(とくに殺人犯とされる女性とその夫)の個性が独特。
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ラストが切ない。
今まで読んできたポアロシリーズの中で
私の中で1、2を争うフェイバリット作品。
もう一つのフェイバリット「ひらいたトランプ」が
「楽」の方でナンバー1であるのに対し、
こちらの「五匹の子豚」は「哀」の方でナンバー1。
ポアロが関係者を前に謎解きをする場面、
そしてある人物と会話して別れる場面、
ついに明かされた衝撃的な真相の残酷さ、
そしてそれに対し述べたポアロの厳しくも優しい、
独自の信条、哲学に従った言葉。
構成するもの一つ一つに筆者ならではの丁寧な仕事が光り、
この作品の素晴らしさを大いに楽しむことが出来たが、
読み終えた後、 まるで自分の心の中に冷たい風が
吹いているような「寂しさ」「哀しさ」を感じている。
物語は、大変美しい娘がポアロを訪問する所から始まる。
その女性はとんでもないことをポアロに依頼するのだ。
16年前に起こった自分の両親の事件の真相を探ってほしい。
本当に母親は自分を裏切って
他の女性へと走った父を殺したのかと。
娘の懸命な願いに、ポアロは過去の殺人の真相解明に乗り出す。
裁判に関わった数人の関係者とやり取りした後、
当時夫婦の周りにいた人物(=5匹の子豚)を絞り出し、
ポアロはこの5人に直接会って事件当時の話を聞き出していく。
やはり、嫉妬に狂った夫人が夫を殺したのか。
それとも良心の呵責に悩んだ夫が自ら命を絶ったのか。
それとも夫を殺した真犯人が他にもいるのか?
そこに隠された男と女の愛の真実とは何だったのか?
良質なミステリーとしてだけでなく、
ドラマチックな恋愛小説としても楽しめる作品。
ある一つの同じ出来事を見ても、それを見た人間の数だけ
「視点」があり、時に己の都合の良いように
解釈してしまうということ。
世界にたった一人しかいない、無二の存在であるはずの
人間に対しても、自分の置かれている立場や抱えている利害、
相手との関係次第でその人物がどんな人間であるかといった
印象の切り取り方は違うということ。
たとえ自分にその気はなくても、
人は無意識に真実を歪めてしまうこともあるのだということ。
そして男と女の仲は、他人の目にどう映るか関係なく、
所詮あくまでも当人達にしかわからないのだということ。
著者クリスティーが沢山のメッセージを込めた作品だと思う。
一人でも多くのファンに読んでもらいたい名作。
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母は無実だったのです―娘の頼みにポアロの心は動いた。事件が起きたのは16年前。若い恋人に走った高名な画家を妻が毒殺、裁判の末に獄中死したのだ。殺人犯を母に持った娘の依頼で再調査に乗り出したポアロは、過去へと時間を遡り、当時の状況を再現してゆく。関係者の錯綜した証言から紡ぎ出された真相とは。
【感想】
http://blog.livedoor.jp/nahomaru/archives/50724034.html
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これ最高におもしろかったぁ!
内容としては、過去起こった殺人事件を再びその事件の関係者の証言をもとに、ポアロが検証する、というものなんだけど
これはさすがポアロだぁ!!て感じで!
ちょっとだけ反復されている内容が煩わしいんだけど、それにもきっちり理由があったりして♪
名作の1つに数えてもいいと思います★
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アガサ・クリスティーの作品は好きなんです。何故か。それは全体的にフェアであるように思うからです。犯人が読んでいる我々にもわかるようになっている。でも、わからない!最後の最後に「あ、そっか!」とさせる腕は凄いなぁと思います。そんなクリスティーの作品の中で、今のところ一番フェアだと思う作品が、これです。「あ、そっか」ってなります。なってください。
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母は無実だったのです―娘の頼みにポアロの心は動いた。事件が起きたのは16年前。若い恋人に走った高名な画家を妻が毒殺、裁判の末に獄中死したのだ。殺人犯を母に持った娘の依頼で再調査に乗り出したポアロは、過去へと時間を遡り、当時の状況を再現してゆく。関係者の錯綜した証言から紡ぎ出された真相とは。
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ドラマのポアロを映像で見たのか自分の妄想劇場なのか分からない映像が浮んできて困った。
16,7年たって掘り返される過去の殺人事件。それをポアロが見事に解決。小粒ながらも秀作の部類ではないだろうか。「そして誰も〜」「ゼロ時間へ」などを書いた頃の油ののった時期の作品の一つ。
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タイトルを見て「?」と思って手に取った。
読了後、“完全犯罪”に薄ら恐怖すら感じた。
こんな言い方は陳腐だけど
私はこの作品に『他に類を見ないほどの人間味』を感じている。
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16年前殺人事件、判決も終わっている事件。「母は無実だったのです」と言う娘の頼みにポアロは、この事件に対して、関係者からその時の状況を検証するのです。16年前のこと、若い恋人に走った高名な画家を妻が毒殺し、裁判の末に獄中死したのです。
インタビューと手記から浮かび上がる真実、なかなか面白い設定の作品で、クリスティ再読シリーズの中ではかなり面白かったです。
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面白かったー!相変わらず登場人物が個性豊かで演劇を観ているような気分になるんだけど、今回は嫉妬や愛情の話が絡んでたのでその個性の強さが半端無かったです。芯が強く描かれてるからこそ恐ろしい。クリスティの描く女性たちがとても好きです。
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中期の力作。
妻が画家を殺したといわれる事件の真相は?
遺された娘が大人になってから、ポワロに調査を依頼します。
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「いろいろな大人らしい感情です——人に対する哀れみとか、同情とか、理解の感情です。あなたが知っているのは愛と憎しみだけなのです」
16年前の事件をポアロが紐解く。
しかも、心理的な面から。
うぅーーん、ポアロって名探偵だなぁ、と唸らせる。
しかも、凄い展開。
まさかの展開。
今回もクリスティらしい(?)勧善懲悪。
悪いやつが、犯人なのだ。
それにしても、ポアロってすげー。
外国人の名前にも慣れてきて、あっという間に読めてしまった。
一体誰が犯人なのか、真実はなんなのか、ページを捲る手が止まらないとはまさにこのこと。
一生懸命読みました。
【4/16読了・初読・市立図書館】
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過去の殺人、容疑者を一人一人たずね歩く、ワクワクする構成。
この真相、殺人が行われた現場、そして残った作品。
いいよいいよー、読み終わって大満足の一冊。
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「母は無実だったのです―娘の頼みにポアロの心は動いた。事件が起きたのは16年前。若い恋人に走った高名な画家を妻が毒殺、裁判の末に獄中死したのだ。殺人犯を母に持った娘の依頼で再調査に乗り出したポアロは、過去へと時間を遡り、当時の状況を再現してゆく。関係者の錯綜した証言から紡ぎ出された真相とは」(ハヤカワ文庫版)
個人的に、数あるポアロものの中で最も気に入っている作品の1つです。もし『スタイルズ』『アクロイド』『オリエント』辺りの有名どころを読んで次に読むポアロを探しているという方がいれば、僕としては本作をおすすめしたい(※)、というくらい気に入ってます。
(※実力も無いのに通ぶっちゃってすいません。実際は本作も十分有名な部類かと思います)
過去の殺人を事実の記録と当事者達の回想から推理していくわけですが、そうした「心理的」捜査こそポアロの特に得意とするところ。灰色の脳細胞がその実力をあますところなく発揮してくれます。
ここであらすじをなぞることはしませんが、やはり最も重要なのは当事者5人による回想手記でしょう。事件への印象、そして犯人とされた女性に対しそれぞれが抱く彼女の人物像。そこにあらわれる各人の性質や相互の関係性は、同じできごとや人物(特に後者)をまるで違った風にとらえさせているわけです。
現実を見る角度、置き換える場所。これらが少し違うだけで、心の中は大きく変わります。受け取り方ひとつでまるで別物になってしまう。脆弱なものですね。人の中の真実とは。
と、思わず中二病方面に筆が進みそうになってしまいましたが、大変失礼しました。話を進めましょう。
一方でそれが他人に読ませることを前提とした手記であるという点も重要です。人が自分の感情や思考をすべて素直にさらけ出すとは限りません。まして5人の中に真犯人がいるとすれば、当然その記述は自分に都合のよいものとなるでしょう。「心理もの」と言いつつ手記や証言の中にきちんとヒントが隠されている点は、ミステリとしてのフェアさを感じさせてくれます。微妙かつ巧みな心理描写(人間心理に疎い僕が言うのも変ですが)、最後明らかになる真犯人の強烈な印象、などと合わせて本作を名作たらしめている一要因と言えるのではないでしょうか。
以上縷々述べてきましたが、本作はポアロものとして、また推理小説として、大変完成度の高い作品だと思います。僕の文章ではあまり伝わるものが無かったかもしれませんが、未読の方はぜひ一度お読みになられてみてはいかがでしょうか。おすすめ。
(大英堂ファン)
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ロマンチックな作品。ポアロの頭脳が相変わらず素晴らしい。
真犯人が裁かれない?のが、貴族のいる時代だなあと思う。