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加藤の乱を潰すにあたっての状況分析ぶりなど、情と非情、現実主義と理念とが混ざった政治家らしい政治家の回顧録。非難されたことに対してごまかさずにきちんと理由を説明している。それが十分に説得的であるかは別だが。
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★気迫の書★小泉再選に立ちはだかろうと、突然、議員引退を発表したときの熱さを思い出した。京都、野党時代の言動から、激しい信念と徹底した調査・追及の人だと改めてよくわかる。小泉氏は脱官僚ではなく大蔵族、都市部の住民を富ませるだけと指摘。田中角栄からの経世会は地方からの党人派で、大蔵の力を弱めるために各省ごとの特別会計を設けたことを誇らしく語る。財務省にだけ任せればいいとは思わないが、今となっては特会はムダの温床になっていた。小泉政権を生みだした総裁選で地方票が各県1票から3票に増えた理由が長く気になっており、参院選や都議選を控えて森政権の不人気に愛想を尽かしていた地方議員のガス抜きのためだったということが確認できた。清和会の親分の失策が追い風になるというのは不思議なものだ。
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96年の橋本政権から03年の総裁選~総選挙で引退するまでの回顧録。まあなんてことはない。秘密の暴露がなされているわけでもない。結局権力闘争に敗れ去ったものの恨み節というか、言い訳と言うか、そんなものである。権力の中枢にいたものが、そこからはじかれてしまえば、自らが敗れたことを客観的に認めるのではなく、他人が悪いのだとするのは、世の常。
この政治家で僕が評価するのは、戦争には反対だとする姿勢、自衛隊の海外派遣には慎重な姿勢、それら自らの戦争体験に裏打ちされた姿勢だけは評価する。
確実にいえるのは、政治的には「老兵はとっくに死んでしまっている」ということである。