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紙の本

まとまりのなさが戦略?

2004/01/18 00:47

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:梶谷懐 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 部落解放同盟と、その影響下に実施されてきたいわゆる「同和行政」を真っ正面から批判した『同和利権の真相』(以下「真相」)というシリーズがこのところ「別冊宝島Real」から続けて出されている。その内容は以前から解放同盟とは鋭く対立していた共産党系の全解連が繰り返して行ってきた主張とほとんど同じなのだが、「知られざる同和政策の実態を暴く!」というスタイルが「同和ってあんまりよくわかんないけどなんかコワいしウサンくさい」と思っていた若い世代にウケたのか、かなりな売れ行きを見せているらしい。

 この本は、そんな状況をふまえて解放同盟側から出された「真相」の批判本だ。というと、さぞかし戦闘的でドグマティックで、それこそ「こわい」印象を受けるかもしれないが、一読した感じはかなりソフト。それは、広く読者に知られたライターが多数執筆していると言うこともあるけれど、むしろ彼らの書いていることがある意味バラバラで統一が取れていないということの方が大きいだろう。この点では、むしろ「真相」の方の主張が一枚岩で、ドグマティックな感じを受ける。
 例えば、解放同盟の幹部の人が書いたものは、同和行政が広く人権の向上という面で大きな成果を上げたこと、それを批判する共産党の主張がいかにイデオロギーに凝り固まったものかということを強調していて、やはり公式見解っぽいという印象はぬぐえない。で、要するに彼らは同和行政を「単なる利権=物取りではない」と主張するんだけど、これについて「突破者」宮崎学さんは「物取りでどこが悪いんや」と全然違うニュアンスのことを言っていてなかなかおもしろい。
 また、斉藤貴男さんや森達也さんといった人たちは「真相」のような本が喝采を受けてしまう最近の風潮に、生活不安を抱えるサイレントマジョリティによる「生活新保守主義」の台頭を見ている。そこに流れているものは北朝鮮やオウム教徒などに対する「フツーの人たち」による徹底的な「排除」のまなざしと同じだというわけだ。
 ただ、「真相」がウケた背景には、単に「保守化」の一言ではくくれない、サヨク的な運動や言論、特にその「偽善性」に対する、マジョリティの側の根強い不信感があるのも事実で、その点では解同側の自己批判もある程度必要ではないだろうか。
 
 その点で誠実さを感じたのは『被差別部落の青春』で世に出たライターの角岡伸彦さんだ。かれは同対法が施行される中で実際に「ばらまき」「利権構造」と批判されてもやむを得ないような状況があったことを、現地ルポをふまえて率直に認めながら、それでも「真相」のような偏った視点の本があたかも普遍的な「正義」を標榜する形で世に広まっていくことに強い違和感と危機感を表明する。中でも圧巻だったのは「人権真理教」批判で知られる呉智英さんとの対談だ。呉さんがのっけから「真相」の黒幕は俺だ」といいだして、すわ対決ムードかと思いきや、「差別とか人権問題について徹底的に突き詰めて議論しないのが一番の問題なんだよ!」という呉さんのツッコミに角岡さんの方がタジタジとなり、挙げ句の果てには「彼は筋金入りの河原者だ」と全面的に共感を示す始末。でも二人の対話からは「部落差別」という言葉からイメージされる重苦しさとは正反対の爽快さが感じられて、なかなか気持ちよい。

 というわけで、批判本といながら、あんまり統一性がないんだけど、それがむしろ「解放同盟って結構外に開かれてるじゃないか」という印象をあたえる結果になっている。それこそが解放同盟側のねらいだったのかも知れないけど。

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