サイト内検索

詳細検索

ヘルプ

セーフサーチについて

性的・暴力的に過激な表現が含まれる作品の表示を調整できる機能です。
ご利用当初は「セーフサーチ」が「ON」に設定されており、性的・暴力的に過激な表現が含まれる作品の表示が制限されています。
全ての作品を表示するためには「OFF」にしてご覧ください。
※セーフサーチを「OFF」にすると、アダルト認証ページで「はい」を選択した状態になります。
※セーフサーチを「OFF」から「ON」に戻すと、次ページの表示もしくはページ更新後に認証が入ります。

e-hon連携キャンペーン ~5/31

hontoレビュー

ほしい本の一覧を見る

蛇にピアス みんなのレビュー

130(2003下半期)芥川賞 受賞作品 第27回すばる文学賞 受賞作品

予約購入について
  • 「予約購入する」をクリックすると予約が完了します。
  • ご予約いただいた商品は発売日にダウンロード可能となります。
  • ご購入金額は、発売日にお客様のクレジットカードにご請求されます。
  • 商品の発売日は変更となる可能性がございますので、予めご了承ください。

みんなのレビュー425件

みんなの評価3.2

評価内訳

413 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

1時間半で読めました。

2004/10/27 01:52

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:あいちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る

『蛇にピアス』の前に同じ芥川賞を受賞した『蹴りたい背中』を読んだのですが、私はイマイチだなぁと感じたので、『蛇にピアス』に期待しようと思い、読んでみました。

感想としては、受賞した作品なだけあってか、引き込まれるのは事実ですが、中身はエロとグロって感じがしました。受賞作ってもっとすごいものかと思ってたぁっていうのが読み終わってすぐ思いました。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本

人は純愛から逃れたがるか

2004/08/08 12:18

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:祐樹一依 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 第130回芥川賞受賞作。しかし純文学賞の受賞作である、という先入観は禁物です。耳ピアス、脱色なんて当たり前、舌ピアスやタトゥーすらも当たり前の世界に生きる少女が主人公。スプリットタン…、つまり蛇のように先が割れた舌を持ちたい、という衝動が、「身体改造」を臨む語り手のルイを突き動かしていく…。可愛さに惹かれる男と、格好良さに憧れる男との三角関係までも繰り広げられて、精神的にも肉体的にもプラトニックな心情から離れよう離れようとしている作者の意図が窺えます。

 求める思いだけでなく、求められる思いまでもを描いたところがジレンマティックな要素を増すことに成功していますね。誰もが間違いなくアブノーマル、しかしその根底には真っ直ぐ過ぎるくらいに真っ直ぐな「想い」が秘められているのは明らかで…、しかし、本質的なところは、実はシンプルではないかと思います。冒頭1ページ目から読者を惹き込むのは、他者と同じであることを拒むが故に、己を表から「改造」してしまおうとする「普遍」から逃れようと願う思い(或いは欲求)。でもそれは、好意を向ける人がもたらした切っ掛けによる、「この人と同じでありたい」という思いが正体であるのではなかろうか、と僕は思うのです。

 そういう意味では、恋愛文学の新しい形だと言えなくもないと思うのですが、どうでしょうか。ただ惜しむらくは、ここまで徹底してダークネスな雰囲気を維持し続けていたのに、読後感は決して悪くないのです。いい意味で読者を突き放すのではと期待してしまいました。本書を誰かに読ませようとするときに心残りであるのは、ピアスとタトゥーの良き悪しを個々人がどう思うかを除けば、この点に尽きるように思います。

(初出:CANARYCAGE)

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本

ピアス・タトゥーをしたことがない私には、刺激的な読み物だった。

2004/03/21 14:11

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:PNU - この投稿者のレビュー一覧を見る

 醒めた少女・ルイは蛇のように裂いた舌を持つ男・アマと知り合い、ピアスにはまり、タトゥーにも興味を抱いていく。ルイは子供のように加減を知らぬ熱い男と、アダルトムードなサディストのクールな男の両方から強く求愛されるが…。

 ルイがもててもてて困っちゃう、というお話。それぞれタイプの違う、可愛いオトコ・アマとカッコイイ男・シバさんの両方から特別なオンナとして求められるのだから、或る意味女の子の夢のような物語と言えよう。

 少女漫画でよくあるヒロインを中心とした三角関係に、ピアスやタトゥーなどヒップなエレメントで味付けをしたかのような印象だが、新しさがあるとすればルイのアンダーグラウンド指向だろうか。愛されるのには慣れているが、能動的に人を愛するのはどこか臆病で、ふてぶてしいのにナイーヴで、海千山千の強者なのに傷付きやすい純なところも持つ女の子。家族とは関係が希薄で、愛する男になら殺されちゃってもいいかなと思うけれど、強い希死念慮があるわけではない。そんなルイは、平凡に堕したくはないが天才ではありえないコンプレックスを抱え、現在を嫌悪しつつ未来に希望が持てないという我々の代表なのだ。闇に在りたい彼女の願いは私の願いでもあり、そこがたいへんに共感出来た。

 いまいちだと思ったところは、ルイの恋愛観。フィーリングさえあえば、すぐにセックスというのは物語ゆえか。それともこれが現代の若者の実情なのか。肉体関係は最後の最後、ゲームで言うならラスボスに位置する世代の私には、ルイの身軽さが理解出来なかった。最もわからないのは、同棲してセックスもする男と「付き合ってない」というルイ。それじゃあ何をもって「付き合ってる」ことになるのだろうか? 婚姻という紙切れ、それとも魂の問題?
 ルイと男たちとの濃厚なセックス描写よりも、ルイの内面の描写がもっと読みたかったな。
 大切なものは「青い鳥」みたいなものなんだとか、なくしてみなければありがたみがわからないとか、悲しくても人は生きていくのだなあとか考えさせられた。 

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本

今という時代の一部分

2004/02/28 16:25

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:karasu - この投稿者のレビュー一覧を見る

 人は千差万別であるけれど、この作品は、今の時代の千差万別の一部分を切り取った作品だと思う。この作品で表現されている世界観が全てでは無いが、確かに今という時代が反映されている。
 スプリットタンや刺青という題材が突出してしまっているが、実は人の内面がメインであるように感じた。メインだと思うのだが、それが丁寧に描かれているかは微妙なところだと思う。明確に表現されている事が多く、明確すぎて、さらりと軽く流れて行ってしまうように感じたところもある。
 主人公ルイの根拠の無い自信や、居なくなってからはっきり気付いた同棲相手のアマへの思い。そんなルイを痛々しく思いながらも、最後までつらつらと読めてしまった。ラストは、突然終わってしまった感が残るが、次回作への期待を感じる作品だった。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本

飢えと抵抗。

2004/02/28 15:52

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:川内イオ - この投稿者のレビュー一覧を見る

刺青を入れた体を持つ友人がいる。
私はその刺青を見たとき、無性に寂しくなった。
それは、同じ地平に立っているのに違う風景を見ているような、
近くて遠い距離を感じたからだ。


『蛇にピアス』は、スプリットタンや刺青、
拡張ピアスで「武装」した、こっち側の論理でいう
「はぐれ者」達の青春が描かれた物語だ。

主人公の「私」は何かを拒絶するように
無気力に無感動に無目的に生きる。
そして、蛇の舌を持つ男に出会い、彼女の中に変化が起きる。
その何かに対抗する力を手に入れるために、
身体改造に惹かれていくのだ。

主人公が付き合う男は、闇雲な優しさと抱えきれない不安を
持て余す。そして、その因果から逃れるために、強者への
「変身」を望み、割いた舌と赤い髪で人工の異形の者と化す。

主人公に刺青を施す男は、「私」が恐れる何かへの抵抗に
絶望し、自分へ向かうはずの溢れるほどの殺意に倒錯した
官能を見出す。その官能は、男を新たな地平に導き出す。

『蛇にピアス』に漂うのは、「痛み」への飢えだ。
「痛み」を求めることで、彼らは「生」を実感する。
具体的な「痛み」は彼らの実存を証明するが、
当然のように一度味わった「痛み」は時を経て薄れ、
麻薬の禁断症状のように彼らは更なる刺激を求めて加速する。


舌を割き、刺青を背負う者とそうでない者の違いは何だろう。
私はきっと彼らはそうでない者より繊細で敏感なのだ、と思う。
どこかの少年が自らを「透明」だと表した。
彼らはその「透明」な自分と、それを促す既存の
システムや価値観に、無自覚に、無意識に抵抗しているのだ。

しかし、身体改造でいくら生を実感し、現実を拒否しても
当たり前だが、彼らを取り巻く環境は変わらない。
だから彼らは寄り添う。孤独を紛らわせ、自分の身を守るために。

私が感じた距離は、国家が異民族を隔離するために建設した
「分離壁」のようだ。「こっち側」の私と「あっち側」の彼を
鮮明に浮かび上がらせる。
それでは、私は「あっち側」で彼らと同じように
抵抗したかったのだろうか。

そうではないと思う。
私は、誰かに手を加えられた人工的な実存を信用しない。
私は、自分の手で自分の意志で、実存を獲得したい。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本

ピアスというより、刺青の話かな?

2004/02/17 10:37

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:レノン - この投稿者のレビュー一覧を見る

 芥川賞を受賞した話題作の一つだ。受賞者の二人が女性で年齢が低いことから話題になったが、小説の内容も面白い。
 ただひとつ気になったのは、ある男性の舌(ピアス)に惹かれる話なのに、舌の魅力がいまいち伝わってこないことだ。後半では背中に刺青を入れるのだが、もうピアス(舌)のことはどうでもいいように感じてしまった。
 結局、ピアスや刺青というのは、生きにくい若者たちが行う一つの自傷行為であるのだろう。著者は、そのことを分かりやすく示している。そうした小説としては、とても興味深い内容だ。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本

やさしさを抱えて現代を逍遙する心のピアス

2004/02/07 23:41

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ろこのすけ - この投稿者のレビュー一覧を見る

今風に言うなら「ぶっ飛んだ」作品。
山田詠美を彷彿とさせるテイスト。
現代風俗を映す鏡としての役割を芥川賞に課すならば、その役を充分になし得た作品と言ってよいだろう。
舌にピアスをはめ、それを徐々に拡張して行き、最後は舌先を切って蛇の舌のように割れたものとする「スプリットタン」。
つまり身体改造することで「かっこいい」と思う感覚。
背景にはSMセックスあり。刺青あり(それらに「ハッパ」が入ればもうアウトだが…)。

そんなマッドでパンクなシチュエーションで彩られた作品に主人公とそれに関わる人々を投入させた著者とは恐るべき人物だ。

暴力でしか相手を守れない優しさ、倒錯した性の快楽の中、やすやすと人を殺して愛を確認する優しさと呼ぶもの。
そんな者達の狭間で主人公の「ルイ」は
『陽の光が届かないアンダーグラウンドの住人でいたい』と思う。

子供の笑い声や愛のセレナーデが届かない場所はないのだろうかと模索し逍遙する。
そんな姿は現代という砂漠に生きる若者達の声なき声なのかもしれない。
安穏や静謐には自分の居場所など決して見いだせない。
やさしさを抱えて現代を逍遙する心のピアスとでも呼べる作品。
ピアスが題材なだけにやけに心が痛い作品だった。

時を同じくして同世代(19才と20才という若さ)。女性同士が芥川賞受賞という快挙。
しかし、作風が全く異なるこの二人。

「蹴りたい背中」は大空へ向かう「あげひばり」を思わせ、
片や「蛇にピアス」は作中人物が望む『陽の光が届かないアンダーグラウンドの住人』を思わせる。

これからこの受賞者二人がどのように歩むのか見届けたいものだ。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本

本作は“三角関係”をも題材としており、特に若い女性が読まれたら後半の展開に“胸が締めつけられる”かもしれません。

2004/02/07 20:07

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:トラキチ - この投稿者のレビュー一覧を見る

話題の最年少芥川賞受賞作である。かなり売れているらしい。
だが、どうしても芥川賞として読むと物足りない。
純文学としてこの作品を見た場合、やはり少し描写が赤裸々すぎるのかもしれない。
でも新人作家の作品としたら秀逸な作品とも言えそうだな。

彼女の傑出してる点はズバリ“目新しさ”である。

言葉自体本当に“新感覚”である。スプリットタンや00G…
まさについていけませんが(苦笑)。

だが、内容は読者によっては過激すぎるかも知れないが、文章は無駄がなく意外と読みやすいのである。

それは主人公ルイの性別・年齢を問わず共感出来るキャラに起因しそうだ。

今の時代にふさわしい若者の究極の“絶望感”と異性に対する“愛情”はなんとなく理解できました。
本作は“三角関係”をも題材としており、特に若い女性が読まれたら後半の展開に“胸が締めつけられる”かもしれません。
きっと、ルイが2人の若者から深く愛されたことは、読者の脳裡に焼き付いたはずである。
作者と同年代の若者が読まれたらまさに“同世代の代弁者”としてのカリスマ的要素を持った人物として受け入れられるであろう。

芥川賞の選考委員に“先見の明”があったのだろうか?
その答えは金原さんの今後に掛かっている。
でも本作を読んで少しでもルイの“可愛らしさ”を見抜け共感出来た読者は、“文芸界自体の変貌”に気づいた貴重な目撃者である。

本作は普段あんまり小説を読まない方でも手に取られる方が多いと思う。
少しでも“若者の活字離れの歯止めになれば!”と思ってやみません。

トラキチのブックレビュー

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

2004/09/20 16:11

投稿元:ブクログ

レビューを見る

2004/09/25 13:24

投稿元:ブクログ

レビューを見る

2004/09/28 08:46

投稿元:ブクログ

レビューを見る

2004/09/29 20:08

投稿元:ブクログ

レビューを見る

2004/10/05 22:32

投稿元:ブクログ

レビューを見る

2004/10/05 23:34

投稿元:ブクログ

レビューを見る

2004/10/07 20:25

投稿元:ブクログ

レビューを見る

413 件中 1 件~ 15 件を表示
×

hontoからおトクな情報をお届けします!

割引きクーポンや人気の特集ページ、ほしい本の値下げ情報などをプッシュ通知でいち早くお届けします。