投稿元:
レビューを見る
失踪した作家が残した原稿。自分は、二十五年前の少女監禁事件の被害者だった……。奔流のように記される、自らが封印してきた悪夢のような記憶のすべて。
投稿元:
レビューを見る
主人公が小説家という禁じ手だが、全く気にならない。
普段言葉で表現しづらい「暗い喜び」のような感情がとても明瞭に描かれている。
主人公と片腕の検事のやりとりが気に入った。
内へ内へと向かう思考を、冷静に見ているもう一人の自分という設定が多いが、それが好きで読んで入るのだと思う。
子供が屈辱に非常に敏感な生き物という指摘が印象的だった。
投稿元:
レビューを見る
失踪作家の残した少女時代の監禁事件顛末と、そこから自覚し育て抜く「性的人間」妄想と真実の間、『グロテスク』に続く違和感で寄る辺ない女をめぐる欲望のハナシ。最初に侵入されるのは意識ではなく、あくまでも生活であり、生身の肉体。意識は常に後からのこのこやって来て、気持ちを整理するためにある。想像とは、現実の中にある芯を探り当てた瞬間から始まる。現実という土壌なくして、想像がそれのみで芽吹くことはあり得ない。と本は記される。
投稿元:
レビューを見る
薄汚いアパートの一室。中には、粗野な若い男。そして、少女が一人。誘拐犯と被害者だけが知る「真実」とは・・・・。って、はっきりとした回答なし。再読書かな?
'06.09.27読書完了
投稿元:
レビューを見る
少女監禁というとても恐ろしい出来事が話の中心になっていてなんだかとても重かった。一人の人の人生を狂わせるこの事件は絶対許せない。読むのが辛かった。桐野夏生さんは本当にすごい小説家だとあらためて感じた。
投稿元:
レビューを見る
この人の描く世界には非常に独特なものがある。
どこか不気味であり、どこか退廃的である。
設定自体は1つの場所での永遠としたやり取りが続くので少々しんどい。
投稿元:
レビューを見る
監禁され失ったものは「現実」か。
社会、家、学校、職場などの自分の生活圏に当たり前に存在している事実を奪われた恐怖と、救出されたのちのさらなる驚異(周囲からの想像に苦しめられる事)どっちもひとりでは解決のできない問題。
実際に監禁された人はこの本をどう読むのかな監禁事件の報道やPTSD、色々考えさせられる。
投稿元:
レビューを見る
桐野さんは人間の残酷な本性をえぐりだすのが上手いなぁ。
ケンジの「ぼくをゆるしてくれなくてもいいです。ぼくも先生のことをゆるしません」って言葉がとくに怖かった。
投稿元:
レビューを見る
25年前、小学4年の時に拉致監禁された少女。
救出後、それを隠して小説家となるが犯人が刑期を終えて出てきたところで、体験記とも思える小説を残して失踪した。
桐野 夏生さんは初めて読みました。うらぶれた街の生活感を描くのが上手いですね。
事件が人の人生を変えてしまった・・。
なんの解決もなく、ドロドロしたものを描いてはいますがそんなに拒絶感というかイヤな感じはありませんでした。(結末についての肯定という意味ではなく)リアルな事件もあったしね・・。そういうのを考えるとイヤかなあ。
投稿元:
レビューを見る
突然失踪した作家、彼女は幼少の頃に誘拐され、犯人と共に暮らしていた過去を持っていた・・・。何年か前に起った少女監禁事件を彷彿とさせる内容ですが、最後まで何が真実か謎に包まれています。失踪前に遺した原稿にそって話が進んでいくんですが、それが過去の事件の真実なのか、それとも創造の産物なのかわかりません。桐野夏生は面白いです。
投稿元:
レビューを見る
少女誘拐、そして監禁。読むのが嫌になるくらい凄惨な環境だが、それでも被害者と加害者の間には人間関係が生まれてしまうものなんだろうか。
投稿元:
レビューを見る
あんまり抑揚が無いんだけど、なぜかいつも手にとって読んでしまいます。
一冊の中に必ず心に残るフレーズがあるからかなぁ。自分にだけかも
投稿元:
レビューを見る
初めて読んだ桐野作品です。
初期の作品はすこぶる評判がいいのにこの残虐記はかなり評判悪かったのが逆に気になって読んでみました。
内容は児童誘拐拉致監禁事件を思わせる内容で確かに被害者の身内の立場になれば
不謹慎極まりないかもしれないです。
(レビューではこの意見がすごく多かったので↑)
でも他の作家さんにしてもなにかの事件をモチーフに物語を作る事は多々あるだろうし。交通事故の被害者が交通事故の小説に不謹慎だ!なんてクレームはしないようにこのお話もお話としてはアリかなと。
もちろん現実にはおきて欲しくない事件ですけどね
投稿元:
レビューを見る
桐野さんを好きなフレさんから
いいよwといわれて読んでみた本。
ファンになってしまったはじめの本
投稿元:
レビューを見る
誘拐され1年間監禁された少女が大人になり小説家となって当時を記す回顧録。
物語の展開に圧倒されるけれど、読後感は気持ち悪い…