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結婚詐欺師の正体が分かり、警察によって徐々に迫っていく下巻。下巻の主役は元恋人が追いかけていた詐欺師に落ちてしまったことを知った刑事。元恋人を助けたい思いと今手出しすれば犯人に逃げられてしまうという状況の板挟みになった苦悩を描いている。
登場人物の心理描写が丁寧に描かれていて、まるで映像を見ているかのように情景が思い浮かぶ。
詐欺師が人を人と思ってはいないのは現代横行している詐欺にも共通の感覚。お金が欲しいという思いもあるだろうが、それよりも騙し抜くことに快感を覚えるのだろうと思う。一種の依存症状と言ってもいいのかもしれない。そして騙されたほうはそれを認めることがなかなかできない。プライドなのか意地なのか、自分だけは特別な存在だと思っているのか、そのあたりのことはよくわからないが、そうした思いも詐欺師にとっては格好の標的になっているような気がする。
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阿久津刑事の学生時代の元カノ・江口美和子が詐欺師の松川/橋口に引っかかってしまうことで話が大展開。上巻では気になった30年間の世の中の変化は全く気にならなくなるほどの面白さ。カツラの詐欺師の松川はスジが通った遊びっぷり。根っからの犯罪者が更生するはずがないまま牢屋送りに。主人公の阿久津は元カノとの距離感に悩んで酒に溺れてグダグダだけど、実は良い女房に支えられているというシチュエーションが上手に書かれていた。
オーディブルで通勤途上のチャリ、夜の散歩をしながら聴了。
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いろいろと共感や反発を覚えながら読んだ。なんでこんなのに騙されるのかな?というのが率直な感想。登場人物の心理描写はさすがだなと思う。小説として面白かったし読みやすかった。