日計り Ｓｈｉｎｊｕｋｕ，ｄａｙ ａｆｔｅｒ ｄａｙ 迫川尚子写真集 みんなのレビュー

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投稿者：高橋波子　-　この投稿者のレビュー一覧を見る

気が付くと私は新宿駅にいて、ベルクを目指していた。すぐに見つかって店の中に入ろうとしたけど、客で一杯でスペースがない。しばらく待ってからついにビールとスモークサーモンを注文し、入り口の立ち席に陣取ることができた。目の前に「日計り」が置いてある。手作り風のおつまみも並んでいて、それをカウンタで購入して食べる手もありそうだ。（省略）ビールは普通の味だったが、スモークサーモンはスタッフお薦めとあるだけに美味しかった。
さてこの店の副店長である迫川さんの写真集「日計り」である。白黒の新宿を並べたフォトグラフは日溜まりを探したシャッターの嵐のようだ。私の知ってる新宿はここには少ないが、おそらくこれが新宿の姿なのだろう。どれも日溜まりの中の風景に私には感じられた。迫川さんを店の中で見つけることはできなかった。表題の「日計り」はかまれたらその日のうちに命を無くすほどの毒をもつ50センチメートルの蛇の名前だというが、実は毒はないそうだ。写真集「日計り」はその逆で実は猛毒が隠れているかもしれない不気味さがないこともない。もう一度めくってみようかと思いたくなる写真集である。