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黄昏の百合の骨 みんなのレビュー

  • 恩田 陸 (著)
  • 税込価格:1,87017pt
  • 出版社:講談社
  • 発行年月:2004.3
  • 発送可能日:購入できません

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みんなのレビュー137件

みんなの評価4.1

評価内訳

134 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

異国情緒あふれる町で少女が成長

2022/04/23 18:37

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る

キリシタン殉教者の遺跡と高台に囲まれた街並みと、ひっそりと佇む洋館が美しいです。好奇心旺盛な女子高校生、水野理瀬が大人の階段を駆け上がっていく姿にも魅せられます。

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紙の本

恩田陸があまりに騒がれるのは、以前からのファンには、今更という気がしないでもない。でも、こういう弧絶した世界を描かせたら、この人が一番かな

2005/08/04 20:23

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る

装画は北見隆、2000年に出版された『麦の海に沈む果実』の続編ということになっているけれど、主人公の水野理瀬と、作中で触れられるヨハン以外に共通点はないだろう。ま、前作でも理瀬は転校をしているので、それも共通しているとは言えるけれど、少なくともこの本については、独立した作品として読んでも全く支障がない、いや、前作にとらわれないほうがいいとすら思う。
構成は、あの人の姿を思い浮かべる私の「ある独白」という名のプロローグ、そして一章「蕾と雨」、二章「花と風」、三章「棘と蛇」、四章「種と鳥」、五章「灰と海」。これらが載った目次の頁は、太線と細線の二重線でシンプルに枠取りされているのだけれど、それだけで何かムードを出せるのだから、装丁家はこういった簡単な小技(こわざ)を忘れてはいけない。
目次の裏頁に出ている百合の絵が、なにかヨーロッパ中世の写本か何かの挿絵を見るようで、感動もの。装幀・装画は北見隆。挿絵もだけれど、カバーの紙質、ちょっと古い学校を思わせる洋館の前に、銀色でちょっと彫りこんだような感じの百合を配するところは、ニクイ。背の恩田陸の名前の横に、英文字を入れるあたりも、やっぱり小技が効いている。
時代は現代、舞台はグラバー邸などが出てくるから長崎だろうけれど、それが特徴的に描かれるかと言えば、決してそういう感じはしない。どちらかと言えば情景の描写は少ないほうだろう。むしろ、不特定の場所、感覚的には神戸や横浜といった場所であっても少しもおかしくない気がする。
主人公は高校生の水野理瀬16歳である。祖母が階段で足を滑らし亡くなって、イギリスから帰り難関校の紫苑に編入、不幸が続く「魔女の家」白百合荘に住んでいる。彼女と暮らすのは二人の義理のおば。年上の梨耶子は、大和撫子がそのまま歳を取ったような楚々とした女性、年下の梨南子は、毒婦タイプ。
その洋館には現在、従兄弟の亘が渡米前ということで帰ってきていて、やがてもう一人の従兄弟である稔も帰ってくる予定である。物語は、理瀬と同じ高校に通う、家が隣りという脇坂朋子が、自分の二歳年下の病弱な弟の慎二が理瀬に会いたがっていると伝え、それに理瀬が応えようと朋子の家に向かうとことから始まる。
帰り道の彼女たちを待ち伏せしていたのが、朋子に熱を上げている友人の田丸のために人肌脱ごうとしている勝村雅雪である。ここらは、いかにも俗な学園ものになりそうだけれど、結局は雅雪は登場回数こそ多いけれど所詮は刺身のつまでしかないという残酷さが、さすがに恩田陸である。
祖母の死、古い館に隠された謎、ジュピター、従兄同士の確執、殺人、失踪、そしてヨハンといった言葉を手がかりに内容を予想しても意味がない。ともかく読むしかない。個人的には『蛇行する川のほとり』のほうが好きだけれど、それは多分、登場人物が同年齢で、彼らを巻き込んで何かが進行していく、そういう不気味さが『黄昏の百合の骨』には欠けているからだろう。しかし、それは欠点でもなんでもなくて、あくまで特徴。読んで判断してもらうしかない。

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紙の本

一度に読んだらもったいない。

2004/04/23 23:30

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:UMI - この投稿者のレビュー一覧を見る

 板チョコ入りアイスモナカは必ず3分の1残して翌日食べる。一度に食べてはもったいない。明日のお楽しみが冷凍庫に残っているというのが非常に重要であり、枕もとでほんのりと噛み締める幸福感が疲れきった現代人の生活に潤いを与えるのだ。

 恩田作品は一度に読んだらもったいない。
 必ずぐっと堪えて栞を挟む。悶々としながら床につき、ニ、三回連続で寝返りをうって毛布が絡まってもやはり悶々と考えを廻らしている。そんなに気になるなら続きを読めばイイのに。我ながらそう思う。しかし、荒んだ現代人の心を潤すには、悶えるほどの「お楽しみ」が時に必要なのである。熟成が大切なのはハムだけではない。
 翌朝、目覚めると同時に本を読み始める。ベッドの隅で毛布が「みの虫状」になっていようが、髪の毛が修復不可能な立ち上がりをみせていようが関係ない。ごくごくとコップ一杯の水を飲み干すように読みきった時は、やっぱり恩田陸はすごいよな、なんて安易な感想を漏らしている。
 だから、恩田作品は金曜日の夜に読み始めるのが好ましい。

 『黄昏の百合の骨』も一晩寝かせた逸品である。
 『麦の海に沈む果実』の理瀬が、少女らしい危うさと少女離れした冷静さで読者を引きつける。恩田陸の描く少女は、あまりにも自身を客観視しすぎていて恐ろしい。少女を演じることを背負わされている可憐な少女とは、いかにも窮屈そうだ。

 祖母の遺言で半年の間だけ血の繋がらない二人のおばと暮らすことになった理瀬。祖母の残した洋館「白百合荘」は、「魔女の家」と呼ばれている。彼女はこの場所で、ある物を見つけ出さなければならない。
 祖母の死と、魔女の家と、変死する猫。
 理瀬の周辺には不可解な出来事が巻き起こる。
 失踪事件と百合の芳香、そして、骨。
 さあ、どれが本線だろう。

 栞を挟む位置を間違えてはいけない。間違えると大変なことになる。
 一気に読みきってしまえば謎も解けてすっきりするかもしれないが、何の咀嚼もしなかった自分にしばらく呆然とした後、亜脱臼並みに肩を落として落胆することだろう。モナカの皮がしんなりしていてがっかりするのとは比にならない。

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紙の本

最後の猶予期間(モラトリアム)

2004/04/03 01:13

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:星落秋風五丈原 - この投稿者のレビュー一覧を見る

監視カメラが設置され、軍事衛星が飛ぶ現代において、「誰にも見えない所」や「誰にも見られないもの」なんて、おそらく存在しまい。また、今まで都市伝説や怪奇現象と見なされて来た事も、その方面の研究が盛んになれば、原因解明までの道のりが短縮される。一旦白日のもとに晒されれば、それまでの恐怖も好奇心も途端に引く。何もかもが明るみに出る現代を舞台に設定して、読者の「恐いもの見たさ」を満たすホラーを書くのは、随分と難しい。そんな中で、唯一の未知の領域-人間の心-を描く事に関心が向き、サイコ・ホラーが全盛となった。しかし、中には文章の描写力によって、現実にあるとは思えない屋敷や共同体を、読者の頭の中に作り出す事のできる作家がいる。恩田陸さんも、そんな作家の一人である。

水野理瀬をヒロインとした三部作の第一作「麦の海に沈む果実」では、北国の湿原に突如現れる陸の孤島「青の丘」にある学園が登場する。更に学園では、「三月以外に入ってくる者があれば、そいつがこの学校を破滅に導くだろう。」という言い伝えが、まことしやかに囁かれている。最初は、こう考える。「今どき、世俗から隔絶された学園なんぞ日本にある?また、今どきの少女達がこんな言い伝えを信じる?まさかね。」けれど実際に三月以外の時期に転入してきた理瀬の登場で物語があらぬ方向に向かい始めると、猜疑的な考えはどこかに行ってしまった。謎めいた登場人物と文章力によって、物語に、どっぷりとのめりこんで行ったからだ。

本作も、謎めいた遺言と白百合荘が出てくる。「『魔女の家』と二十一世紀にしては随分とレトロなネーミングされるような家、今どきないよ。」最初は思う。ところがまず百合の香り、家、窓、家の中の百合、部屋、そして部屋にいる少女の描写まで続くI章を読み進むうち、もう私は「あり得ない」家の中に引き入れられていた。ここまでの文章の流れは、まるで映画のキャメラみたい。家にいるのは、理瀬とは血の繋がらない二人の叔母。恩田作品では、「祖母の前夫の息子の娘」や「祖父の前妻の娘」のように、一言では説明できない血縁関係がよく登場する。「木曜組曲」では四人の女性と亡き作家との関係を、数回頭の中で整理したものだ。「木曜組曲」同様、本作でも、登場人物達は本来の謎以外に、もう一つの謎-相手の事も解き明かしていかなければならない。誰もが自分の内面を隠そうとし、相手の内面を暴こうとするが、表面上はそんな事おくびにも出さない。その時、全くの他人ではないけれど、何でも言い合えるほど親密でもない微妙な距離感が、簡単に謎が明かされないための、いい楔として機能する。

前作のタイトルでも、実りのイメージ「果実」と暗いイメージの「沈む」という対照的な言葉を使ったが、今回も純潔を花言葉に持つ「百合」と「骨」が登場する。物語中でも、対照的なものが、背中合わせ又は隣り合わせに存在しており、理瀬も又、棘を持つ美しき薔薇である。今回も一つ所にとどまれない「つかの間の転校生」だったが、理瀬が今のままの状態=少女でいられるのも、長い人生からすれば、やはり「つかの間」だ。おそらく最後の猶予期間であるこの「つかの間」で、もう一方の存在を感じながらも、「結局自分の道は決められている」と覚悟を決める理瀬。今回は「恐ろしい事を受け止める、または処理する」事で自らの恐ろしさを証明してみせた彼女だが、三部作最後の「薔薇のなかの蛇」では、いよいよその手を悪に染める事で、恐ろしさを証明するのだろうか。
その行く末を、見たいような、見たくないような。
ああ、これが本当の、恐いもの見たさだ。


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紙の本

理瀬シリーズの続編

2004/03/07 21:10

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:青白いくじら - この投稿者のレビュー一覧を見る

「麦の海に沈む果実」の続編にあたる作品。

前作でもそうだったように、どことなく重暗く不気味な雰囲気が漂う中に「謎」が見え隠れして話が進んでいきます。特徴的なキャラクターが登場し、主要キャラクターのそれぞれが「謎」を解こうと躍起になります。人の本性、思惑、狂気などが錯綜し、誰も信用できない、という不信感を誰もが抱き、探り合いをするうちに争いが起きます。各々の探りあいと引き起こされる諍いを見ていると、私自身も疑心暗鬼になってしまいそうでした。

一番の山場はやはり、畳み掛けるように「謎」が明らかになっていくシーン。ここは夢中になって読みました。

この本は最後まで気の抜けない展開で油断できません。始めから終わりまでドキドキしました。おもしろかったです。

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2004/10/11 14:03

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2004/10/15 02:41

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2004/11/01 22:25

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2004/11/27 21:27

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2004/12/19 00:16

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2005/01/10 11:14

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2005/01/16 00:47

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2005/01/20 10:52

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2005/01/20 22:36

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2005/05/04 21:15

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