紙の本
編集者コメント
2004/02/15 03:15
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:担当編集者 - この投稿者のレビュー一覧を見る
『朝まで生テレビ』に出演する宮崎哲弥氏とのご縁もあって、田原総一朗氏(ジャーナリスト)が本書のオビに推薦文を寄稿してくださった。この推薦文が的確に本書の内容を要約しているので、ここに引用したい。
「今や“悪”の代名詞のようになっている官僚機構に深々と入り込み、その問題点と可能性を見事に浮かび上がらせた」
「抵抗勢力」と非難されがちな霞が関だが、危機を察知し、内部変革を進める30代・40代の中堅・若手官僚がいる。
新たな「公」を模索しようとする、この「革新官僚」の知恵や経験術にこそ、世直し=構造改革の道標が隠されている。
本書は小泉改革の中で各省庁が直面した課題を軸に、官僚たちの具体的な動向を探った最前線のルポである。
投稿元:
レビューを見る
昭和16年夏、内務省や大蔵省の30代官僚らが集まって「総力戦研究所」を設立。
アメリカとの全面対決をシミュレーション。開戦は出来ない、と4年後の敗戦を見事に予測。
投稿元:
レビューを見る
革新的な官僚もいるという証。
政権交代が実現した今だからこそ、官僚制度の実態に切り込むことが必要になる。内部から変わろうとしている事実もうかがえる。
各省庁の権益を守ろうとする勢力がまだあるとしても、希望がないわけではない。
投稿元:
レビューを見る
[ 内容 ]
「抵抗勢力」霞が関に、内部変革を進め、新たな「公」を模索しようとする30代・40代の官僚がいた。
小泉改革の中で各省庁が直面した課題を軸に、官僚たちの具体的動向を探る最前線ルポ。
[ 目次 ]
総論 官僚制を壊す官僚たち(国家機関のなかの個;組織人の壁 ほか)
第1章 金融庁―対りそな公的資金注入が破った壁(新日本監査法人;紳士との面談 ほか)
第2章 国土交通省・農林水産省―「政・官・業」利権構造の壁(国土交通省―握りつぶされた道路公団改革案;農林水産省―「脱・生産者偏重」の農政に向けて)
第3章 財務省・外務省―溶解する意思決定の中軸(財務省―国益を見失った「最強」の官僚集団;外務省―難民問題先送りの代償)
第4章 文部科学省・法務省―基盤整備の改革に挑む官僚たち(文部科学省―四面楚歌の「ゆとり教育」;法務省―司法制度改革は「革命」となるか)
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
投稿元:
レビューを見る
【MM021 mylibrary 2008/8/24】
今回ご紹介する本はこちらです。
宮崎哲弥+小野展克著「ドキュメント平成革新官僚~『公僕』たちの構造改革」(中公新書ラクレ)
前回ご紹介した「国の常識は地方の非常識」は、地方分権を求める地方とそれに抵抗する国という対立構造を表していました。先日、
新潟で開催された全国知事会議において「三位一体改革」で紛糾する様子をテレビや新聞で目にしたかたも多いかと思います。
そして、地方分権が進むほど都市間競争が強調され、自治体個々の改革やビジョンが問われています。
さて、ここで考えてみてください。
国と地方が争って、また自治体同士が争って、一体何が残るのでしょうか?
一住民の立場から見れば、どの仕事を国でやるか、自治体でやるかは大きな問題ではないでしょう。サービスが充実していればいいの
です。そして、都市間競争に敗れた自治体に住む住民はどうなってしまうのでしょうか。つまり、このような対立自体に大した意味は
ないと私は思います。
つまり立場を超え、自分が何をすべきかを考えることなんでしょう。
この本は、抵抗勢力と言われる霞ヶ関の中で、懸命に努力する官僚たちの姿を描いたものです。
「抵抗勢力」霞ヶ関に、内部変革を進め、新たな「公」を模索しようとする30代、40代の官僚がいた。
小泉改革の中で各省庁が直面した課題を軸に、官僚たちの具体的動向を探る最前線ルポ。
田原総一郎氏は、以下のような書評を寄せています。
「今や”悪”の代名詞のようになっている官僚機構に深々と入り込み、その問題点と可能性を見事に浮かび上がらせた」
また、本文より気になった文章をピックアップしてみました。
「もし、役人がエリートとして生き延びるとすれば、文字通りパブリックなサービスを提供する者=『公僕』に徹することから新しい
国家の役割を模索し、官僚システムをデザインし直すしか道はない」
「年功序列で内部昇格した経営陣は、過去の経営との連続性を重視する。組織改革に大なたを振るうのは構造的に難しい」
「どんなに高い見識や素晴らしい手腕をもった人でも、過去の自分の業績を否定することは難しい。ここにも変革の難しさが潜んでい
る。官僚機構の中で『改革者』であり続けるためには、自らの過去をも否定する覚悟が必要」
「トップのリーダーシップだけでは、組織は変わらない。志に裏打ちされた実務的な能力こそが、組織を変革し、社会を真の構造改革
に導く」
目次
総 論 官僚制を壊す官僚たち
第1章 【金融庁】対りそな公的資金注入が破った壁
第2章 【国土交通省・農林水産省】「政・官・業」利権構造の壁
第3章 【財務省・外務省】溶解する意思決定の中軸
第4章 【文部科学省・法務省】基盤整備の改革に挑む官僚たち
あとがき
投稿元:
レビューを見る
地下鉄内で読む。小泉時代の本です。官僚との争いは、痛みわけだったかもしれません。安倍時代は、争いすらありません。小泉時代は、特別な時代だったのでしょう。
投稿元:
レビューを見る
小泉政権構造改革の中で、各省庁の30代から40代の若手の官僚たちがどのように改革に取り組んできたのかを取材した本です。
りそな銀行への公的資金の注入に際して、竹中平蔵と金融庁の若手官僚が改革を推進したことや、道路公団民営化、農協との確執、田中均アジア太平洋州局長の北朝鮮外交、寺脇研文化部長の教育改革などが取り上げられています。
現在では、小泉構造改革の是非についても反省がおこなわれており、本書に記された革新官僚たちの仕事についても賛否両論があることだと思いますが、改革の渦中で過去のしがらみに囚われず真剣に問題と向き合った官僚たちがいたということに、希望も感じました。