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焼身自殺を遂げた娘の真相を追う父親。関係者からの証言と娘の日記が交互に展開されていき、そのギャップに最初は戸惑う。最後の最後に真相が明らかになるのだが、それまでは何が真実なのかあやふやなままで面白かった。
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父親が行方不明の娘を探す。文字にすると簡単だけどその中にあるドロドロしたものが伝わってきて面白かったです。日記と証言を照らし合わせて読み進めていく前半にくらべて後半は難しい内容でした。答えはでたはずなのに疑問が残るお話。
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娘、川上洋子の焼死の謎を父親で牧師の川上宗男が関係者を辿りながら、話は関係者の独白と娘の日記が交互に綴られ進んでいく。証言や心の内は関係者ごとに異なるが『どれもそれぞれがそれぞれの真実を語り、それぞれがそれぞれの欺瞞を語っているのだ』という登場人物の言葉に頷かされる。
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展開が見えず謎が深まりドキドキしながら一気に読んだ。読み終えてから、そうだったのか!と、面白かった。真実は人によって異なるのだなあ、と実感。
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男の住むマンションを見上げながらガソリンを被って焼身自殺したソープ嬢。
彼女が死んだ理由を探し求める牧師の父親は、信じられない事実に辿り着く。
中村うさぎが描く、愛と憎悪と絶望の物語。
中村うさぎさんって、ずっとエッセイストだと思ってました。
図書館で偶然名前を見かけて、何冊も小説を出されてることにびっくり。
早速1冊借りてみました。読みやすい文章は相変わらず。
そして小説の構成もおもしろくて、ラストも上手い具合に裏切られ、まとめ上げてくれてます。いい小説でした。
ただ、いかんせん内容が私には重たかった。
なんというか、ものすごい狂気に溢れてます。
妄想や虚言癖を持つ主人公が焼身自殺をするのですが、そこに至るまでの過程も、その後もとにかく常軌を逸してます。
誰もがその人なりの真実を話していても、それが真実とは限らない。
嘘と真実と妄想が混ざり合う世界で、何が本当なのかを考えながら読むことに疲れ、消化不良を起こしてしまいました。
過去に、あるいは未来に暗く重たいものを抱えている人が多かったことも疲れた原因の1つかも。
舞台も、人の欲望が前面に出る風俗でしたしね。
キャバ嬢は心が汚れてる人が、ソープ嬢は心が壊れてる人が多い、という記述に複雑な気持ちになりました。実際はどうかしりませんが、並大抵の心持ちじゃ生きられない世界なんだろうと想像はつきます。
ラストはラストで、見方によってはすっきりするラストなんですが、個人的には後味の悪いものが残りました。よくぞやった、という気持ちと、何もそこまで、という気持ちと、単純な嫌悪感と。
タイトルにもある「イノセント」は、人が求めて止まなく、でも実は人が持ちえないものなのかもしれないですね。だからこそ、人はその幻想を何かに投影し、すがってしまうのかも。
幼子に宿るイノセント。それを持って大きくなるには、世界はあまりにも色に溢れているのかも。この世界は、無垢で真っ白なままでは生きられないところなんでしょうね。
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エッセイも面白いけど、小説も面白かった。
女の渦巻く欲望というか、ドロドロしたものを表現するのがうまいと思う。
愛、欺瞞
どういう展開になるのか、最後までハラハラさせられた。
でも結局事件の根源は父親の犯した罪に基づくもの、ってこと。
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一人のソープ嬢の死の真実に迫る父。
関係者の独白と、本人の日記、ネットの書き込みなどで物語が進んでゆく。
真実に近づくどころか、どこまでが真実かどこからが虚言なのか、境目が曖昧になっていく。
『それぞれがそれぞれの真実を述べ、またその一方で、それぞれがそれぞれの欺瞞を語っているのだ』
すべては神父である父が最初に犯した罪が、多くの人間の人生を犠牲にし、自らも滅ぶことになったという悲しい結末。
てか、真実を知らなかったとは言え娘の元同居人を抱くなよ!!
ほんで辛いから死ぬなんて簡単なことするなよ!!罪滅ぼしは服役して果たせ!!