紙の本
長編だが、意外にスピーディー!<ビッグ4アガサ・クリスティー著
2007/04/11 14:09
6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ぴぃたぁ・パンダ - この投稿者のレビュー一覧を見る
「ちょっと変った風貌」(笑)と、「世界一の灰色の脳みそ」が売りの、中身もちょっと変わったおっさん(笑)、エルキュール・ポアロのシリーズ の作品。
私の中では、どうしても、デビッド・スーシェ が演じるポアロ のイメージが強すぎて、しかも、声優の熊倉一雄 との相性もぴったりで、他の人では、ちょっとイメージできないほど、鮮烈なキャラクターになってしまっている。
史上最高と評価されたシャーロック・ホームズ冒険 のジェレミー・ブレッド(ホームズ役) と並ぶはまり役だと思っている。
さて、本題に戻って(笑、ビッグ4 は、世界制服をたくらむ国際犯罪組織の話である。
いつのまにか、相棒のヘイスティングスが、結婚して、南米で牧場を経営していて、びっくり!
しかも、奥様の名前が、「シンデレラ」。思わず、アガサ・クリスティ に、おいおいと、突込みを入れたくなってしまう(苦笑
そのことを踏まえ、今回の話は、相棒ヘイスティングスが、色々な用事を済ませるために、大陸経由で、ロンドンに戻るところから話が始まる。
類は友を呼ぶとはよく言ったもので、ヘイスティングスは、ポアロをびっくりさせる為に、ロンドンに帰ることを連絡していないし、
ポアロも、顧客の依頼で南米へ行くことになっているのに、ヘイスティングスヘは、連絡していない。
お互い、友人をびっくりさせようと思っていたのだった(笑
ということで、内容紹介にも有るように、飛び込んできた男が、ポアロの住宅兼事務所で死んでしまうところから、話が展開していく。
長編にも関わらず、スピーディーに話が進んでいく。
解りやすいのは、訳者の腕がいいのか、元々がそういう展開なのか、原作は読めないので(読めないことは無いけど、ものすごく時間が掛かる・自爆)よく解らないが、一度読み始めたら、止められない勢いである。
という事で、イギリス・フランス・イタリアなど駆けずり回って、事件が進んでいく。
このあたりは、007を意識しているのだろうか?と思わせるほどである。
因みに、イアン・フレミング (1908-1964)、アガサ・クリスティ (1890-1976)と、お互い影響(嫉妬か?)し合える環境下にいたことは確かである。
大きいどんでん返しではないにしても、スピーディーに、小どんでん返しが結構あって、意外性が楽しめる一作である。
http://ameblo.jp/ye0329/entry-10029001726.html
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手ごわい
2021/05/26 18:48
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投稿者:ケロン - この投稿者のレビュー一覧を見る
ボアロさんの好敵手出現!?と期待しましたが、なんだか拍子抜け。
クリスティもこの手のものにはあんまり興味がなかったのかしら?と思うくらい、いつも通りの方がよっぽど読みごたえがありました。
紙の本
短編をまとめて、
2016/03/14 23:06
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投稿者:igashy - この投稿者のレビュー一覧を見る
一作の長編にしたそうです。
ある意味ホームズのパスティーシュ?と思う部分も。
いきなり現れる悪の総帥たる秘密組織、探偵より頭脳は優れているが、怠惰なため探偵にはなれない彼の兄……笑
評判はあまり良くないようですが、やはり読ませる面白い物語です。
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ポアロの家に倒れ込んできた男はうわの空で数字の4を書くばかり――国際犯罪組織〈ビッグ4〉と名探偵の対決はこうして幕を開けた。証人を抹殺し決して正体をあらわさない悪事の天才四人を追って、大陸へ渡ったポアロを恐るべき凶手が待ちうけていた。新訳で贈る波瀾万丈の冒険と驚愕の結末!
【感想】
http://blog.livedoor.jp/nahomaru/archives/50152266.html
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ポアロにしてはめづらしい冒険もの。
こんなのポアロに求めてないー!
ポアロの得意とする犯人の心理的側面から解決するわけでもなく、
こんなのホームズにでも任せればいいんだってば!!という気持ち。
あまり好きじゃなかったわぁ。
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あとがきにて、雑誌に連載されていた12本の短編をまとめ直して
一冊の長編にした旨の解説を受け、大変納得した。
本編を読みながらずっと、なんだかいつものポアロ作品とは
勝手が違うぞ、と違和感を感じ続けていた。
やはり嫌でもところどころ「寄せ集め感」が目につくし、
「一章一章のストーリーが、一冊の本に散らばっている」と感じた。
ならば無理矢理一冊にまとめて長編にするのではなく、
むしろ「短編集」の形で出したほうが良かったのではないだろうか。
そして違和感のもう一つの原因は、
二人が各方面でずば抜けた点を持つ4人の敵「ビッグ4」と呼ばれる
国際犯罪組織と闘う「国際謀略物」だったこと。
話のスケールが、私がいままで読んだポアロシリーズの中では
かつてないほど大きく、ポアロとヘイスティグスが
世界を舞台に所狭しと駆け回る。
「二人が一冊の本にあちらこちらへと散らばっている。」感じ。
そんな二人のアクティブさにも違和感。
なんだかアガサ・クリスティーの書いた
エルキュール・ポアロシリーズではないみたい。
このような舞台に、別にポアロが
登場しなくてもいいような気がするのは私だけか。
やはり、エルキュール・ポアロには、家族や一族といった、
狭いながらも奥深い人間関係の枠の中で、活躍してほしい。
向き合う相手も、ずば抜けた超人でなくていい。
死んだら国中を巻き込んだ大騒ぎになるような人間でなくていい。
「どんな人間でも生きる権利がある。」
を信条とする名探偵エルキュール・ポアロ。
その強い信念と灰色の脳細胞で常人には考えもつかないような、
「一人の人間」の内に潜んだ心の闇や夫婦や親子、
兄弟、親友といった関係の中に流れる複雑な感情のひだを
探っていくような世界の中で、行動してほしいと思う。
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評判の悪い「ビック4」です。
わたしは、初読み。
世界征服を企む4人の巨悪に、われらが名探偵ポアロが挑む。
まあ、確かに、落ち着いたミステリーの雰囲気はないです。でも、これ面白いぞ!!
これが、クリスティの最低レベルの作品だとすると、なんちゅうレベル高いんだ!!
ミステリーな雰囲気の物よりも、こういう冒険物っぽい方が、わたしの好みに合うからかもしれませんが、楽しめましたよ。
訳者あとがきと解説を読んで、もう1回ビックリ。これ、短編の寄せ集めなんだそうです。
どんな短編をどうよせあつめたら、こうなったんだろう??
それも、すごい!!
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ポワロが動き回り犯人と果敢に立ちまわる異色な作品。ハードボイルド全盛期に書かれたと知って納得。でも好き。
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ポアロシリーズ。
推理というくくりからはやや外れる気もするが、国際犯罪に対してポアロが活躍するさまが小気味よい。
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エルキュール・ポアロ・シリーズ
世界征服をたくらむ謎の組織「ビッグ4」とエルキュール・ポアロの対決。
誘拐、殺人などの事件を起こすビック4。妻を誘拐したと脅されるヘイスティングス。アシール・ポアロの登場。
2009年8月6日再読
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アシル・ポアロ
・・・だまされるな、ヘイスティングス。
でも彼が髭をそったことには驚いた
目の色と同様に、何かトリックと思っていたから
カーテンへの伏線だったのか?
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今までにない程の登場人物に驚きましたが、短編集のようなストーリーの中で登場し、去っていく・・・まぁそんなテンポだったので、意外と混乱せず読めました。何やらここでの評価はイマイチなようですが、私としては中々に楽しく読めました。
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昔むさぼるうように読んでいたクリスティをポツポツと新訳で読み返している.
おともだちが図書館でクリスティを借りたというのを知ったことに触発されたのも事実。
これも以前読んだけれど、当時はあまりにスケールが大きくて
面白いと思わなかったことを思い出す。
もっと密室殺人で、5人の容疑者のなかに犯人がいる!
というストーリーが気に入っていた私は、
映画のようなこの展開についていけなかったのだと思う。
でも今読んでみると、面白い。
犯人がだれかというのを期待するわくわく感ではなく
スリル満点の国際的な組織をポアロが追い込んでいく。
ヘイスティングスにはいちいちハラハラさせられるけれど、正義感の強さや優しさが
ストーリーを暖かくしている。
新訳なのに中村妙子訳というのもなんだか嬉しい。
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アガサ作品とは思えないアクション満載の作品。解説によると12の短編を一つのストーリーにまとめたものだそうです。アガサファンの中でも好き嫌いがハッキリしそう。ラストのビッグ4の顛末が?でした(^_^;
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突然ポアロの家に倒れ込んできた英国情報部員は、うわの空で数字の4を書くばかり ― 国際犯罪組織〈ビッグ4〉と名探偵の対決はこうして幕を開けた。証人を抹殺し決して正体をあらわさない悪事の天才四人を追って、大陸へ渡ったポアロを恐るべき凶手が待ちかまえていた。新訳で贈る波瀾万丈の冒険と驚愕の結末。
(「BOOK」データベースより)
さて、本書を読むのは何度目だろう。「クリスティ文庫」になる前に1度、その後に少なくとも3度目くらいか。
クリスティは閉じられた空間で起きる事件を描くのが上手いと思う。各々の心理状態を探りつつ事件を解き明かしていくストーリー展開に魅せられるのだ。それは、ある一族の問題であったり、小さな村でおきた事件であったりする。けれど、その一方で”冒険ミステリ”と呼ばれるものも書いている。私はどちらかというと前者の方が好きであり、後者は苦手だ。国際的な機関や大きな権力を持ったものが出てくると、途端に興ざめしてしまう。
本書の初読時、この作品を国際的なテロ手段を相手にした冒険ミステリとして読んだように記憶している。何しろ20年以上も前のことだから定かではないけれど。いずれにしてもあまり興味を惹かれる作品でなかったことは確かだ。読んでいる途中も早く終わらないかなと思いながらページをめくっていた。だが、何度か読んでみると、この作品の中で起きる事件の一つ一つは、よくできた短編ミステリであることがわかってくる。それもそのはずで、もともとは短編だったものを「ビッグ4」という巨大な組織を絡めて継ぎ合わせてできたのが本書。そのことを、クリスティ文庫のあとがきで知った。そう思いつつ読み返すと、更に本書が面白くなる。
冒頭でヘイスティングズが1年半振りにイギリスへやってくる。ヘイスティングズの本拠地は南米のアルゼンチン。イギリスに用事が出来たついでにポアロに会いにやってくるのだ(どちらが”ついで”なんだか・・・)。しかし、久々に会ったポアロは旅支度の最中。しかも1時間後には出発だと・・・。どこへ行くのかというと、これまた南米だという。南米での仕事の依頼があり、ヘイスティングズに内緒で突然行って驚かせてやろうと思ったポアロ。一方のヘイスティングズも内緒でイギリスにやってきてポアロをビックリさせようとしていたわけ。なんともまぁ、できすぎた偶然。
けれど、旅立つ直前のポアロ宅に謎の男が飛び込んできて、不思議な言葉を残して死んでしまう。病死ではないのは明らか。ポアロは旅立ちを取り止め、ヘイスティングズと共に「ビッグ4」との長い闘いを始める。
そこから次々といろんな事件に巻き込まれては解決していく。犯人はやすやすと逃げていくわけだから、「解決」というよりは「謎解き」かな。前述のとおり、もとは短編をつなぎ合わせたものだから、一つ一つ独立したミステリとして成立している。
本書でもポアロの自己評価の大きさと、それに辟易するヘイスティングズという構図があちらこちらで見られる。ヘイスティングズは何度もポアロに騙されるのだ。「あなたはすぐ態度に出ますからね」とばかりに。敵を欺くにはまず味方から、を実践。そのやりとりもまた愉しい。
「わたしたちの相手はその辺の小悪党とは大違いです。なにしろ世界第二の頭脳を向こうに回しているんですからね、われわれは」
これはポアロの台詞(140ページ)。世界第二の頭脳とは「ビッグ4」のメンバーの一人を指している。では、第一は・・・。言わずもがな、である。ヘイスティングズもあえて尋ねたりはしない。ポアロをますます得意にさせるのもしゃくだ(苦笑)。しかし、こういったポアロの悪意のない自惚れた態度が私は好きである。クリスティ本人はポアロがあまり好きではなかったというけれど・・・。
謎解きを愉しんだり、他の作品とは違った活動的なポアロの冒険を愉しんだり、はたまたヘイスティングズの活躍(?)を愉しんだり。いろんな味のある作品。これもまた、傑作の一つではある。