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みんなのレビュー29件

みんなの評価3.5

評価内訳

29 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

近藤が歌舞伎の大ファンで、公演を見るために毎週のように新幹線で上京していたって読んだ時は、この本を抱えて腰抜かしたね、わたしゃ

2004/05/14 21:45

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る

本格ミステリマスターズの一冊。全12章。小菊の語る現在と、実の語る過去が交互に並ぶ構成で、その様子はゆっくり読んでもらう。小説は230頁に満たないもので、さらりと読んでしまう。

本文に続いて「もし歌舞伎が好きでなかったら」という、あとがきにかえて。「切り離された双生児たち」という、濤岡寿子による近藤史恵論、濤岡寿子による近藤史恵への「近藤史恵スペシャル・インタビュー」、最後に近藤史恵著作リストがついているシリーズお馴染みの構成。

で、話は梨園の人間関係の謎を扱うミステリ、とだけ簡単に触れておく。読みやすいので、ともかく手にして欲しい。カバーデザインが洒落ているシリーズなので、多分女性が持っていても、ファッシャンやデザイン関係のものと受け取られて、少しも恥ずかしくない。数あるミステリ叢書のなかでもダントツの存在。

で、登場人物を小菊と実の二手に分けて紹介しよう。

瀬川小菊は養成所出身の名題下の女形、師匠は60代で柔和な性格の瀬川菊花である。今、菊花のもとに、稽古をつけて欲しいとやってきたのが35歳の芙蓉、そして現在稽古をつけてもらっているのが桔梗屋の豊こと中村国蔵、芙蓉と同年代の女形で、国蔵は立役もやる。父親は名脇役と言われた先代の中村国蔵だが、主役級の家柄ではない。弟子は、中村国高、わたし小菊とおなじ中二階の女形役者、ただし養成所出身ではなく直接国蔵に弟子入りをしている。

玉置実は岩井芙蓉付きの番頭、名前はともかく女性、多分30代だろう。芙蓉は江戸時代から続く、名女形の家系に生まれ可憐な娘や姫を得意とし、女形か若衆以外は演じようとしない。妻は市ノ瀬美咲、有名な資産家の娘で、梨園の名家に嫁ぐだけあって人付き合いなどもソツなくこなすが、どちらかというと目下のものへの対し方が上手くはない。芙蓉の弟子は芙二郎だが、話の中での影は薄い。

この芸風が全く異なる、周囲からは中が悪いと思われている二人の役者を繋ぐのが、三ヶ月前、芙蓉を襲った悲劇である。弟子宅で麻雀に興じていて留守だった彼の自宅での火事、家で眠っていた妻の美咲は一酸化炭素中毒と火傷で未だ昏睡状態なのである。この事故を不審に思った国蔵が、小菊の大学時代の同級生で、母校の講師から転じて探偵となった今泉文吾に、調査を依頼したことから華やかに見える梨園の本当の姿が見えてくる。文吾の助手をするのが山本公彦、もうじき20歳の大学生である。

そして、事件の鍵は、芙蓉の発する問い「玉手は、俊徳丸のことを本当に好きだったと思いますか?」である。

上手いものである。特に、探偵今泉文吾が目立たないのがいい。近藤の思いは別にして、この小説で一番目立つのは芙蓉の妻美咲ではないだろうか。筆が割かれるのは、目の役をする小菊であり、実ではあるのだけれど、なぜか美咲が得をするのである。脇役が主役をくう、とでも言ったらいいのだろうか。ともかく舞台を扱うに相応しい、予想外の結果である。

で、鳥頭である私は、あとがきや濤岡寿子の近藤史恵論を読むまでは、これが『桜姫』と同じシリーズとは思いもしなかった。ウームである。近藤の「もし歌舞伎が好きでなかったら」という心配りに、わたしは小林恭二『歌舞伎通』を読むことを皆様にオススメする。この本を読んで、私の歌舞伎パッシングが、少しは収まったし、逆にもっと知りたくなったほどである。

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2004/10/12 22:44

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