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1話1話は独立したお話しなのに、最後には全てリンクしている・・・そんな短編集。
「あぁ、ここで繋がるのか」という楽しみも味わえる作品です。
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「絶対に」と言いながら全ての言葉に責任を持たない、少々常識を逸脱しているおかしな「陣内」と、彼の周りに居る人間とが出会う小さな解決。
連作短編という形で、陣内という少々、いや呆れるくらい奔放な人間を中心に物語は始まり、終わっていきます。
全然ばらばらに見える事柄が、徐々に形を取ってくる、という伊坂さんが最近得意とする手法が、冴えています。油断していると、ころりとだまされてしまう。連作短編という形も、なかなか生きていて面白い。
ただ、伊坂さんの得意な雰囲気と、扱うテーマが合致していないと思うのです。
伊坂さんの書く本のイメージは「悪はどこまでも悪」であり「善はどこまでも善」であるという、なんていうんだっけな……勧善懲悪? 昔のドラクエみたいなあの感じです。
文章は軽妙洒脱(伊坂さんの作品に一番あてはまる言葉)で、裏側に人間「伊坂幸太郎」が見えてきます。
そんな状態で主人公に視点を置くと、非行という現実的なテーマを扱っているだけに、主人公との意識の違いが、決定的に感情移入を妨げます。
今、伊坂さんに書いて欲しいのは、どこか一つ現実から浮いたようなミステリなのです。個人的な欲求ですが。
「伊坂幸太郎」を初めて読む人は「とても面白い」と感じると思います。
全ての著書を読んでいる人は、少々辟易するかも知れません。
でも、物語はとても面白く、読後感もさっぱりしていて、まあ、なんだかんだ言って、今まで伊坂幸太郎さんを読んできた人にもオススメです。
矛盾。
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5編の連作短編だが、5つの物語は独立しながらも相互に緩やかに連環する要素を含んでいる。全編に登場する「陣内」は、傍若無人で辟易させられるが、なぜか惹きつけられてしまうという人物。物語は陣内を取り巻く人物の視点で語られる。本書はキャラクター設定の妙、、構成の巧みさ、人に対する眼差しの暖かさ、柔らかさの中に感じさせる精神の強靱さといった要素が、長編に比してもより直截に現れている。読後感の良さは格別。
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格好いいなあと思います。推理モノのようでいて、そうではないような。主人公が奇特でぐいぐい引き込まれますね。まわりをとりまく人たちもとっても個性的で最後まで飽きません。五つのお話があるのですが、最後まで読むとちゃんと繋がってなるほどなあと思う。続きがでればいいのになあ。
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(収録作品)イン/チルドレン2/レトリーバー/チルドレン(日本推理作家協会賞候補(56回/2003年))/バンク
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魅力的な登場人物、軽妙な文章、洒脱な会話。話自体は決して明るいものばかりではないのだけど、とにかく読んでいて「楽しい」と思わせることに関して、この作者の右に出る人は無いのではないだろう。
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話題の図書っつうことで、早速“図書館”に頼んで買ってもらいました☆
で、今日きたわけです。
近頃思うに、短編は苦手です。
特にこの間読んだ『僕のボールが君に届けば』 伊集院静 には…途中で読むのをやめるほど…。
ここで終わりかよ!だからなんだよ!
ってところ。
でも、これは、「短編に見せかけた長編です」と、言っている通り、最初のいっぺん読んだところで「んー短編かー…」と思うのだが、やはり、話が結構続いている、というか登場人物が変わらないので、満足できるのです。
短編の辛いところは、もう少しこの人に付いて知りたいのに!というところで終わってしまうこと。かな?
だから、今回はいい感じです。
さて、やはり小説において、キーパーソンって奴は「破天荒」だけど「知識」もしくは「本をよく読んでる」って感じがする。
そこがとてつもない魅力になっています。
この小説の陣内も、むちゃくちゃで、でも芯の通った頭のいい男(とは言っても、推理が良く外れるのだが。)なのです。
その周りに現れる語り部は、“普通の”家裁調査官、盲目の男、普通の大学生。
盲目の男は普通、とはいえないのだが(洞察力が鋭いので)陣内に比べれば常識的に普通。
特に家裁調査官は普通で良い!なごむ!
さて、こんなことを言っては難なのだが、あまりに盲目の語り部がかっこよすぎて、楽しく生きている様が想像できて、あぁ、私もそうなりたい…と、一瞬思ってしまったわけです。
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帯に『短編集のふりをした長編小説です。帯のどこかに“短編集”とあっても信じないでください。』と書いているんですが、5つの短編集が一人のキャラクター(陣内)をキーとして、つながった、やっぱり連作短編集です(^^; ま、長編と見ることもできますが。
ちょっとした勇気?(力)で物事は進み解決する。ちょっとほのぼのするストーリー。こんなのもいいんじゃないでしょうか。しかし、陣野さんの行動はびっくりしますね。
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帯には短編集だけど、長編小説だからみたいなことが書いてありました。基本的には陣内と愉快な仲間達の話、確かに陣内の半生という長編小説といえるかもしれないが、短編集でしょうこれは。ただ一つ一つの話はちゃんと楽しめますよ。
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文章が読みやすく、若者にも受け入れ易く軽いタッチの本だと思う。71年生まれと書いてあったが、30代なかばか。村上春樹のイメージが
つきまとう。毎回登場する陣内が、俳優の陣内と重なって困った。
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陣内と永瀬とその周りの人々とその周りで起こる事々の物語。
そもそも陣内と永瀬が知り合ったのは あるおかしな事件がきっかけだった。現在の陣内は 家庭裁判所の少年担当の調査官である。見かけはかなりレールを外れているが その実、結果オーライという意味で言うならば まっとうな調査官と言えなくもないのである。地球は自分を中心に回っている と公言しそうなほど周りのことなどお構いなしなのだが 時に見せるまっとうの中のまっとうさとでもいうべき振る舞いゆえに 憎めないやつなのである。いや、魅力的でさえある。
一方の永瀬はといえば 生まれた時から全盲であるにもかかわらず 世を拗ねたところもなく 冷静沈着で 視覚情報が得られない分 その他の感覚をフル回転させて その場の状況を判断し 推測する術を身につけている。目に映ることが如何にあてにならないかを静かに教えられるようである。陣内とはまったく違う魅力に溢れている。
何か特別なことをしているわけではないのだが 接する人々の心のどこかにいつの間にか働きかけて染み込んでしまい じんわりさせるものを きっと彼らは持っているのだろう。
泣きたくなるような 笑ってしまうような ほんのりと胸に温かみの残る一冊である。
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「短編のふりをした長編小説」ということですが、連作短編集のような感じで、最近読んだ坂木司さんの三部作(青空の卵、仔羊の巣、動物園の鳥)と同じような感じでした。ただ、伊坂さんらしく、作品は時間をクロスしていました。その時間の前後が、また楽しかったりします。
たぶん、盲目の永瀬くんのキャラが生きているからだろうと思いますが、すごく穏やかな雰囲気でした。陣内、永瀬のやりとりも、坂木司さんの作品の鳥井と坂木に似たようなキャラの存在感でした。
一つ一つの文章は、すごく伊坂さんらしく読んでいても楽しいです。なんとなく微笑ましいのが、永瀬君の恋人の優子さんが「僕の誕生日」に自分のバックを記念に買うというのが、おかしかったです。こういうキャラが物語を明るくしてくれています。
日々の謎を集めたようなこの作品では、表題がチルドレンだったけど、大人と子供の問題に近い話は、家裁の調査官の話で、2つだけ。残りは、なんだったんだろう(笑)
そんな統一テーマではなく、自由なスタイルの、青春小説のような感じで、いい感性の本でした。
2004.7.12
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「ハード・カバーの本を買って読んでいるのは、何となく通っぽくて気分がいい」というのが、友人たちとの共通意見なんですが、他の人もそうなんですかね、気になります。それは置いといて…この小説の誉めたい所は、「人物がキチンと立っている」点です。多少なりとも(素行や考え方、あるいは身体的に)問題を抱えているけど、人を惹きつける人間たちが、この冊子の中では躍動しています。僕は、魅惑的な彼らがどうなるのか、気になってしょうがなくなる。せっせと彼らの後を追っている内に、物語はエピローグへ向かっている。残るページの少なさから、ふとそれに気づく。途端、彼らと離れるのが惜しくなり、出来る限り時間をかけて読みながらも終わりを迎える。そんな経験のできる短編集です。
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電車の中でおもわず笑ってよんだ。爽快、最高、快感、感動。陣内たのしーー。おれもヘイジュード歌いてぇ。伊坂の作品で一番好き。
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2005年一番最初に読んだ本。伊坂幸太郎はハズレがなくてえらい!えらいぞ!長編小説のように楽しめる短編小説。なかでもわたしは「チルドレン?」が好きです。陣内、かっこいいっす。泣けるっす。