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隊士および周辺の人々が語って進行する。
群像劇を見ている感じが新鮮。
土方のイメージは「燃えよ剣」を先に読んでいたので固まってしまったが
沖田、山南、藤堂、斉藤はこちらの本の方がより距離が縮まった気がする。
史実の取り入れ方が上手い。
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感想は文庫版のほうに書きましたが、この単行本の装丁の爽やかさが内容と合っていて印象的でした。本文に見開きで若草の写真が挿入されたり。
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新撰組の隊士たちが
それぞれの視点で
その時代に見たこと
新撰組の同志のこと
それぞれの心の内
感じたこと
時代を語る
人が人を語る群像劇が楽しめた
熱く、切ない青春物語
冷血無情といわれた
鬼の副長 土方歳三
情に熱く、感慨深い
感に鋭く、ぶれない判断
人の心を感じる、強く優しい心
惹かれるなぁ
土方歳三
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短編集。見出しを書こうと思ったのですが、あまりの多さに省略します。
最初、男性の作者と思いました。女性の書かれる新撰組は「異性」を意識して、いかに隊士を美しく描こうという気持ちのある作品が多く見られますが。これは、違う!と、言いきれるほど、良かった!多摩時代から、鳥羽伏見後のところまで、各人の目線で物語が進んでいきます。1人の心情に囚われていないので、色んな視点から”新撰組”という組織を見ることができます。面白いというべきか、1人だけに固まった思想などを読んでいるわけでないので、良き悪き新撰組をこの一冊で読んでしまえるって感じでしょうか。少々金額が高いので、迷いましたが、それなりに満足させられました。
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主格がコロコロ変わるが、ある程度話を知っていたので違和感は感じませんでした。逆に、数頁読んだら一区切り付くので、断続的に読む方には丁度良いかもしれません。肝心の中身は、(主観ですが)あまり脚色の痕跡が感じられず、史実を作者の言葉で淡々と述べるのが主で、盛り上がりに欠けるかなと思いました。ただし、何方かも仰ってましたが、沖田からあまり悲痛な印象を受けなかった点で爽快であり、総じて、面白かったです。
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■近藤勇、土方歳三、沖田総司…。幕末乱世、隊士たちの光と陰の記憶を描いた切なくアツい青春列伝。迷い、迷い、迷って、信じて、信じて、また迷って、それでも何かを選んで生きていく短い生が凝縮された新選組小説。
■■異色作品、かな。たぶん。視点は統一されず、時間の流れを追いながらそれぞれの隊士(とその他数名)たちの目線から語られていく。オムニバス。歴史小説というよりはどっちかっていうと文学的。今までいろんな新選組物を読んできたけど、ここまで隊士たちの心の闇や裏側を書いたものは見たことない。普通はどっちかというと英雄譚的だものね。最初は陰鬱な話になるのかなと身構えたけど、最後は泣かされました。上手いなぁ。暗いものや汚いものが、最後の最後で優しく開けていくんだもん。歴史をたどるというのではなく、その時々に彼らが何を思ったのかどんなふうに迷い悩んだのか。決して彼らは強く潔いだけの人たちじゃなかったのだろう。
土方ファンとして嬉しいのは、随所として彼が第三者の視点から語られる姿がとにかくカッコよかったです。切ないけどな。
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新選組隊士と彼らの周囲にいた人物の目線から語られる歴史。
彦五郎さんからの目線が良い。
藤堂の最期の言葉が切ない。
ぶれない土方さんも良かった。
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新選組関連の書籍は有名なやつはほとんど読んだってくらい読みましたが、これが一番好きです。
隊士の人たちが身近に感じられるような文章。
何回読んでも引き込まれます。
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2011 11/7読了。借りた本。
新選組の立ち上げ以前から五稜郭後までを書いた小説。
新選組を題材にした小説はいっぱいあるけど、この本の中だと永倉新八と斎藤一がとてもいい感じに描かれていると思う。
どっちもいいキャラをしていて、特に終盤での斎藤の目立ち方が格好いい。
木内昇の本は初だけど、また読むかも。
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自分の周囲では好評で興味津々に購入だけはしていたものの、その分厚さによる若干の怯み(笑)と、他書にかまけてずっと先延ばしになっていました。やっと読めた・・・。早く読んどけばよかった(笑)。
始めの2Pほどで「面白い」「読みやすい」と感じました。10Pほどづつの細かい短編になっていて、しかも各短編ごとに主観(主人公)が変わるという一見読みにくそうな作り。にもかかわらず文章が非常に上手な上にちゃんと時系列になっているので混乱も盛り下がりもしません。ひとつの長編を色んな人物の視点になりながら読んでいく感じ。主観が変われば同じ人物や状況に対しての見方・考え方も都度変わるので、その度に読者側にも見える景色が変わるんです。一冊の内に世の理が見えるようでした。
個人的に土方さんと永倉さん贔屓なので、この二人のかっこよさは否が応でも悶絶もの(笑)。そして意外に良かったのがツンな斎藤さん。全体的に周囲を冷たく見ている一匹狼な人物として描かれていますが、時が進むにつれほんの少し人間らしい部分や新選組に対する思いが垣間見える瞬間があり、その度にきゅんきゅんさせられました(笑)。史実に関してもよく調べられているようで、そういう意味ではコアな新選組ファンも、また読みやすさでは一般の方々にもどちらにもオススメしたい小説です。これは『地虫鳴く』も俄然読みたくなりました!
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木内さんこの時代のこのメンバーに乗り移って心読んでてそれを書いたと違うか、と思うぐらい心情がそれぞれ違っていて非常に楽しかった。
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語り手がどんどん変わって連なっている短編集。
かなり読みやすい。
前に「壬生義士伝」を読んでうっすらとしかわかってなかった新撰組について、知識がぐんぐん捕捉されていくようで(どのへんがフィクションかわからないけど)、読んでいて気持ちよかった。
電車で読むのも、表紙がかっこいいからさらにgood。
時折はさまれる写真もいい。
一番重きが置かれているのは土方歳三なのかなと思うけど、
近藤勇も、沖田総司も、山南敬助も、永倉新八も、斉藤一も、・・・みんなかっこいい。
山南さんのあたり、「脱走 沖田総司」とか「油小路 永倉新八」とかで涙腺が緩みだしてから一気読み。
最後の方の総司のことば
「山南さんは爪まで丸かった」で
おいおい泣きました。
たくさんの人たちの心情を描いていて、ひとつの事柄、ひとりの人に対する見方や考え方がほんとにバラバラだけど、どこにも無理がない。ほころびがない。
木内昇さんの作品は2つめだけど、文章がきれいでやさしくて好きだなあ。
あと、この人どんな人だったっけ?と忘れてしまったときに、目次に名前が入っているので振り返って確認しやすく、助かりました。
もっと新選組の話を読みたい。
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数多くの新撰組の漫画、小説を読んだが一番素晴らしく隊員の個性や良さが書かれていた。土方さんの最後かっこよすぎる。最近注目の作家さんの木内さん、これからもよい作品をお願いします。
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様々な人物の視点から描かれる、新撰組の始まりから終りまで。
群像劇を最大限に活かしたつくり。
私のイメージに反しないキャラクター。
まあ、順当という感じだった。
沖田の切なさ、土方のあがきと格好良さ。
時代に取り残され、滅び行くからこその輝き。
久しぶりの新撰組モノ。やっぱり好きなんだなあ。
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年末年始は新選組を楽しもうと思って一気読み。役者もドラマも分かっていても楽しめる。何より、参考文献も引きながら、史実により忠実に再現しようとしている小説である事や隊士一人一人の目線での描きは秀逸。満足感ある読書。
思想がない時勢が読めていないという不満と、口先だけで腹が座っていない覚悟がなく宗氏替えでフラフラする連中への不満が錯綜する。近藤や土方に対しては前者であり、結局、新選組が何を目指したのかは定まらない。時代がそうだったのだが、薩長に翻弄されながら、いや、幕府の意向にも振り回されながら志士としての人生が詰んでいく。行くも地獄引くも地獄の状況下、何に大義を見出すか、人間関係に悩まされながら死に場所を求める。
命が軽かったのではなく、それ以上に重いものがあった時代。また、慣習に盲目的に従い、前例主義では生きられない黒船迫る幕末。自分の頭で考え、自分の命を賭けての行動において、どうしようもなく、短絡的で義侠心もないような人物と、大義を貫く人間の違いがよくわかる。やっぱり、新選組は良い。