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人を殺すという事はどういう事なのか、殺した後精神はどんな状態になるのか等、大変分かり易く書いてあります。元兵士の方の体験談も多数載せていて説得力があります。前半人は人を殺せるように出来ていないという事実に安心するも、後半の条件づけをすると平気で殺せるようになるという事実に吃驚します。
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俺を戦場から帰還した傭兵にした本。
「足を踏み入れてしまったこの陰惨で恐ろしい場所から、我が家へ帰る道をどうしても見つけなければならない。」
それが見つかればいいんだけど…。
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070409購入。080301読了。
高校の時の恩師が読んでいてので気になって僕も買ったのだが、ずっと本棚に入れっぱなしだったがようやく読み終えた。戦闘に出くわした兵士の選択肢には闘争、逃避、威嚇、降伏の4通りがある。降伏が1番多い。威嚇の手段としては大声を出したり、銃を空へ向けて発砲したりといったっものがある。純粋に殺傷能力だけを見ればマスケット銃よりもナポレオン戦争時に使われていた長弓のほうが優れている。それなのに銃が選ばれたことが、威嚇と本能の直結ぶりを示す証左だ。第二次大戦中、追撃された敵機の30〜40%は、全戦闘機パイロットの1%未満が撃墜した。前線の兵士より衛生兵や斥候、将軍は精神的犠牲者
になりにくい。最大距離(砲撃)、長距離(狙撃)、中距離(手榴弾)、近距離(銃)、刺殺距離、格闘距離、性的距離、距離と殺人への抵抗は反比例する。刃物は振り下ろすより突き刺すほうが精神的に抵抗がある。性行為に類似しているからだ。殺人が最も効果的に行われるのは敵が背を向けたとき。心理的距離というのもある。文化的距離(人種、民族)、倫理的距離(神聖な大義)社会的距離(階級、スワインログ)機械的距離。第二次大戦での発砲率は20%、朝鮮戦争では55、ベトナム戦争では95.「死の方程式」・・・権威者の要求、集団免責、殺人者の素因、距離。ベトナム戦争では戦闘から帰還した280万あまりの兵士達(若者)に対し、国民がまったく歓迎をしなかったせいで、PTSDになった兵士が数多くいる(推定40万〜150万)。兵士を送り出した国の国民は責任をもって帰還兵を歓迎しなければならないのだ。
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大体において、ヒトは人を簡単には殺せないようです。
平気な人は少数派。
なので、軍隊で一所懸命に「殺せる人」を訓練で作る訳ですが。
「慣れ」で出来るようになるのだけれど、
戦場から帰還した後の精神ケアも気を使わないと大変、
ふとした拍子に心に「何か」が残ってしまう。
老兵たちが、落ち着きなく、泣きながら洩らすには、
「ン十年前に殺した敵兵の家族に、彼の懐に入っていた写真を渡したいんだ……」
歳とってもまだ引きずるようです。
世間で判らない人が、無理解な一言や「人殺しの悪人にはやってやらねば」と余計な嫌がらせをしたり。
彼らにも兵隊の心理、事情を啓蒙するべきなんでしょう。
そんな色々の研究考察・事例が載っております。
ヒトゴロシばかりでなく、世間の色々を見るのに役立つかも。知れない。と良いですか?
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そう簡単に人は人を殺せないという希望と、条件次第でいくらでも残虐になる絶望。
戦争を語るなら外せない一冊。
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人は人を面と向かって殺せはしない、という意外な事実と、その事実を「(物理的・心理的)距離」を置くことで解消してしまった現実。その狭間で苦悩する兵士…。そこかしこに紹介される「殺したくない」という思い、それを是非この本から感じて欲しいです。
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人が人を殺すことがどれ程困難かよく判る一冊。
例え我が身が危うくとも敵を殺せない兵士が多かったというのには驚いた。(否、『多かった』ではなく『多い』)
一昔前までは発砲率が10〜20%くらいだったらしい。
しかもその殆どは空に向けたり敵とは全く違う方向に撃ったものだ。
同種族(同じ人類)を殺すということがどれ程困難かが如実に現れていると思う。
「戦争における」という枕詞は、殺人を強要されて実行した場合人間の心身にどんな影響を及ぼすかの理解を求めているようにも思える。
人が人を殺すことに対する凄まじい抵抗感と罪悪感。
その後の心身的影響や戦争の中の人間の残虐な一面など
読んでいると地獄絵図が浮かんでくるが、随所に出てくる確かな人間性−大多数の人間は人を殺せないこと−、が光のように見えた。
曰く、
「まぎれもなく存在するその力(殺人への抵抗感・嫌悪感)の確かさが、人類にはやはり希望が残っていると信じさせてくれる」
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なぜ、人を殺すのか
タイトルは恐ろしいが、すごい本。
初期状態で人を殺せるのは2%の人間だけ
つまり98%の人間は同類を殺すことに抵抗感を感じるらしい
(正確にはちょっと違う)
残りの98%の人間をどうやって人を殺せるようにするか
な本
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これは私の戦争観を一変させてくれる本当にすご本。
第2次世界大戦とベトナム戦争時の敵に向けての発砲率の劇的な向上。どう訓練したのか?
アメリカ軍隊の教科書。
恐るべき合衆国。
脱帽です
本来、人間は同類を殺すことについて強烈な抵抗感があるという! ここだけが救いだ
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20081212
名著。
戦争に駆り出された人は、なかなか敵を撃てない。
それを改善?してしまったアメリカ軍。
人を撃つTVゲームはまるで上の軍事プログラムではないか。
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戦争での兵士の心理状態について、またいかにそれを利用して効率よく敵兵を殲滅するかについて、興味深い話が多かったです。原爆のスイッチを押した兵士とナイフで敵兵ひとりを刺し殺した兵士ではどちらが心の傷が深いか、などの内容から、帰還した兵士を英雄視することに対する意義まで。戦争で人を殺した後、もし日常に戻って誰かを殺したくなった時にはどういう考えでその衝動を抑えるのかが気になって読みました。
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戦争における現実の新たな一部が知れる本
人が人を殺める事に関する多大なストレスを理解することが出来た
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この本は去年の3月に買ってからもう何度も読み直している。
本屋でその強烈なタイトルに衝撃をうけて思わず買った。
この本は「戦争」「人殺し」という行為を行う兵士側もまた、戦争の「被害者」だということを教えてくれる、貴重な本だと思った。
戦争で兵士は人を殺すのではなく「ぶっこわし、打ち砕き、めちゃくちゃにする」という感覚、人や兵器がただの「もの」として扱われるという現実。
読めば戦争を見る目がかわる。
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一言で言えば、とてつもない本。
本屋でベストセラーになっている軽い本を何冊読んでも、本書から得られるものに全く及ばないと思った。
本屋のまるで目立たないところにある本が、人生を変えることがある。
それが本書。
「戦争における殺人と」いう究極の状況において、人間はどのように感じ、どのように行動するのか。
今まで「戦争のことだから」といって自分の中で思考停止にしていた部分に、100%正面から突っ込んでいるのが本書だ。
少し考えてみれば当たり前のことだけど、
本書を読んで初めて考えたのは、「軍人だって職業のひとつであり、普通の一般人が選択した職業である」ということ。
「人を殺すのは誰だって怖い。」
それを知って、ほっとしたし救われた気がした。でも、軍人の中にある殺人の怖さを殺し、彼を殺人に駆り立てる術があることに戦慄を覚えた。
しかも、その方法は、知ってしまえば納得がいってしまう事なのだった。
人生について、深く考えさせられた。
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戦争に対する意識や、映画による刷り込みなどの影響と現実の違いをまざまざと示された。
資料としても、知識を深める本としても、これはとても残酷なほどすごく心理をついている部分が多い。
現在286ページで、もうすぐ図書館に返却ですが、購入しようか迷ってます。