投稿元:
レビューを見る
サティ関連の本は色々読みましたが、この本で一番「人間サティ」を感じることができたかも。周辺の人間の言葉や時代の流れ、音楽的な論理などを踏まえて、結構辛辣なことも書かれてました。これを読んで、更にサティとサティの音楽が愛しくなりました…。
投稿元:
レビューを見る
[ 内容 ]
裸で歩く音楽、「それに合わせて人が歩く」音楽、通りすぎる音楽、そのシルエットがかすかに何かを思わせる音楽。
サティの作品には年齢がなく、どんな作曲家のどんな作品にも論理的に結びつくということはない。
ひかり輝く個性と作品の真髄を明晰に解説。
[ 目次 ]
社会のなかの単独者
ジムノペディストの苦悩
「秘教的サティ」
緑色の瞳の少女
時宜を得た微罪
パリジャン、サーカスへ行く―『パラード』
二つの美学のはざまで―『雄鶏とアルルカン』
「骨から救われた」―『ソクラテス』
舵を左へ
何もかも捨ててしまえ
ドビュッシーとサティ
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
投稿元:
レビューを見る
サティに、すごく共感をする。
この、頑固で素直な人。
自信と、自己顕示欲と、自信の無さと。
人が好きで、大衆不信で。
そして、傷つきやすく繊細で、ちょっと鈍いところもあって
自由な心を持っている。
大衆には、彼を理解することはできない。
だから、鎧を着て、その繊細な心を守る必要があった。
サティの曲は薄い、という言葉があったかとおもうが
きらびやかな技巧にまみれない、シンプルな音の向こうには
少し風が吹いただけでゆらいでしまうようなもやがある。
そして、そのもやの奥には、透明で静謐な、美しい何かが、有る。
私は、やっぱり、サティと飲みたかった。
無駄に喋らずにすむ、気楽な場所の一番奥に
肩を並べて安酒を飲んでみたかった。
劇の音楽については、いまいちよく分からない。
私の知識と音楽的経験が圧倒的に足りないから、ぴんとこなく、難解だった。
でも、サティのある言葉に、猛烈に共感をした。
それを、引用に残しておこうと思う。
投稿元:
レビューを見る
クラシック界の異端、変わりもの、変人、(本人はそれを望んていたかもしれないが)散々な言われようのサティ。彼は一体何者なのか。なぜ数々の名曲を生み出したのか。
日本語でここまで詳しくサティについて書いた書籍は他にないと思う。一人のサティフアンとしてとても楽しめたし、(当時の風俗や社会情勢も描かれるので)フアンでなくても1880〜90年あたりのフランスアート界に興味があれば楽しめると思う。
彼の音楽への理解が深まった。グノシェンヌの貴重で心地よいメロディは民族音楽に影響を受けた…など知識としてもほぇ〜となるものが多かった。
サティという一人の人間。彼は間違いなく天才ではあるのだけど、その言動には、僕達が共感できたり、理解できるところが多くてサティを改めて好きになった。