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紙の本
パラドックスは放課後に
2004/06/01 09:15
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投稿者:祐樹一依 - この投稿者のレビュー一覧を見る
ロジック主体で本格ミステリを書く、論理主義な氷川氏の、学園ミステリであります。チェスタトンへの敬愛の書でもあるということで、全編にちりばめられたパラドックス…、つまりは逆説が見所。事件の中心にあるのは軽音楽部の高校生メンバーであり、今までの氏の作品に比べて、口当たりは軽い感じですが、きっちり論理で攻めてくるところはこれまでの諸作品と同じ。
あくまでその正体にヴェールを被せ続ける用務員の各務原氏と、彼の助言を得て事件解決に乗り出す、軽音楽部のリョー。高校生にしてはさばさばし過ぎじゃないか、と思わせる描写もありつつ、しかし事件の全体像を読者が各人で描く必要性はその辺りからも生まれそうです。事件が一応の解決を見せつつも、明らかに表沙汰になってこない部分が意図的に存在するのも確かなのです。
物語の冒頭から僕は騙された、ある仕掛けに関しては、多少メタフィクションな要素も含み、物語上必要あるべきものなのかどうかについて疑問がないわけではないのですが、それでも作者が作者であるだけに、実は慣例である「こういうこと」も有り得るのだろうな、と思いました。
(初出:CANARYCAGE)
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