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紙の本

教育論を若者論から奪還せよ

2004/08/14 12:12

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:後藤和智 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 昨今語られている教育論の大半は、「今時の若者は駄目だ」という問題意識から始まり、ここで語られている「今時の若者」を反面教師とした制度論が展開され、それを実施すれば「今時の若者」は撲滅できる、という論調である。それが生み出したものが短視眼的な学力対策だったり、道徳教育の強化、あるいは「心の教育」なるものだったりする。
 このような言説は、「今時の若者」の「問題行動」が、おしなべて「教育の失敗」から来ていると錯覚し、「健全な」大人の管理の下に置けば「今時の若者」を「健全な」方向に導くことができる、という、おおよそ強弁にも似た「自信」によって裏付けられている。しかし、そのような教育論は、社会における「理解不能な他者」(=「今時の若者」!)に対する想像力ばかりではなく、「見えない他者」、すなわちまだ生まれていない世代や発展途上国の子供達に対する想像力すら失わせてしまう、と本書は主張する。
 そればかりではなく、過度に「若者論」に傾斜した議論は、現在起こっている国際レヴェルでの変容に対応できない。その「変容」とは、一つにまとめれば「第二の近代」(篠原一『市民の政治学』岩波新書)と呼べるもので、具体的に言えば、国際化、消費社会化などである。
 現在進められている教育改革は、それらの変容を無視したものである、と著者は指摘する。かつては、教育改革による制度の解体が、すべての子供によりよい学校生活や社会生活を約束するものだと考えられていた。しかし実際には、親の教育不信をあおる言説が横行したり、あるいは階層による分化が進行したりと、かつての「期待」は裏切られた形になった。
 このような論理は、終わりなき経済成長を前提とする「改革」である、と著者は指摘する。では、著者がそれの「対案」として提示する考え方は、経済成長そのものを目標から下ろし、福祉国家の分配システムとしての教育を見直す考えである。著者は、知識を重視した教育政策への転換や、受験圧力の低減などを挙げているが、制度の提唱としては若干脇が甘いような気がする。
 しかし、教育を「若年対策」として捉えるのではなく、社会構築の一つとして捉えるべきだ、とする本書の主張は最大限理解されてしかるべきだろう。教育というものを考える視座が「今時の若者」の病理という不確かなものに裏打ちされていては、教育論は永久革命論にならざるを得ない。
 だから我々が最初に考えるべきことは、「教育論」を「若者論」から切り離す、否、奪還することではないか。

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2005/01/04 21:53

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2010/04/01 22:40

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2010/04/09 00:35

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2010/06/06 20:25

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