紙の本
小川洋子氏の小説世界が存分に味わえる初期の傑作です!
2020/08/05 11:13
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投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、『揚羽蝶が壊れる時』(海燕新人文学賞)、『妊娠カレンダー』(芥川賞)、『博士の愛した数式』(読売文学賞)など数々の名作を発表されておられる小川洋子氏の作品です。同書の内容は、耳を病んだわたしの前にある日現れた速記者Yですが、その特別な指に私は惹かれていきます。記憶の世界と現実の危ういはざまを行き来する幻想的でロマンティックな小川氏の長篇小説です。瑞々しさと完成された美をあわせ持つ初期の傑作です。ぜひ、一度、小川氏の小説世界を同書で存分に味わってください!
紙の本
良いです
2020/07/18 21:16
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投稿者:ねこまる - この投稿者のレビュー一覧を見る
村上春樹のダンス・ダンス・ダンスを思い出した。
主人公の耳にまつわる話も良い。
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突発性難聴を患った主人公と特別な指を持った速記者Yとのやわらかで不思議な時間。「喪失」から生まれる不思議な世界を描く小川洋子らしい作品。いくら重ねても形容しきれないとばかりにたくさんの言葉がつむがれる。だけどそれは読者の想像力を限定するのではなく、むしろ想像をかき立てる。
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突発性難聴になった主人公と、魅力的な指を持つ速記者Y、主人公の甥(おい)で13歳のヒロ、そして主人公の記憶の中のヴァイオリンを弾く13歳の少年、を中心とした物語。
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(ここからネタバレあり)
全体的な感想としては「良くできた物語」だと思います。川上弘美の「センセイの鞄」と似た感じです。内容はもちろん違うのですが、質が似ていると思うのです。
ちょっと説明的な文章が気に掛かる部分もありますが、主人公の耳がなぜ難聴になったか、という理由や、Yとの別れの理由などが読者に理解出来るようになっており、Yと主人公が別れる日が来るのは主人公にとって残念なことだけど、絶対にその日は訪れると分かることが出来るようになっている、と思います。(2005/11/9読了)
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博士の愛した数式って映画も見たし、この文庫がすごいにランクインしていたし(あとで、よく見たら、それは恋愛小説部門でした!)ってことで読んだけど、どうも私のタイプじゃないみたいです。幻想的でロマンティックと言う部分が、どうしても暗く陰の様に思えてしまうのです。それも最後まで読むと意味あってことだったのかと納得は出来るけど、好きか嫌いかと言う判断だけなら、あまり好きな本じゃない感じ(評価は高いみたいだけど(^^;)
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雪の日に読むととても雰囲気がでる。手もつながない、キスもしない。でも確かに二人の間には愛がある。
きれいな作品です。
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すごーく単純な感想だけど、読後の(いや、読みはじめから感じていた)感想は「村上春樹の小説を思い出すなあ」ということでした。思い出す、というだけで、似ているわけではないのかもしれない。
描写は静かで穏やかだし、幻想的できれいなのだけど、現実味が薄く、のめりこめないまま読み終えてしまいました。
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耳を病んだわたしと、一人の速記者の話。
音も無く静かに語られるストーリーは、「博士の愛した数式」を繋がるところがあるように感じます。
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穏やかに、ゆっくりと時間が流れていくような小説でした。その世界観を壊さぬよう丁寧に、静かに読み進めました。
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難聴の耳と速記をする指が出会い展開する、小川さんらしいストーリー。
「薬指の標本」と同じで体の一部分に着目する小川視点は味があります。
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これはちょっと、オチ(?)に不満と言うか、そういうメルヘン的非現実的お話だったわけ?という腑に落ちない感じが。途中までは面白かっただけに、残念。
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文章がやわらかくってさらさら〜っと読んでしまった。なんかあんまり残らないし意味不明だなぁ〜男と女を手と耳に対比してる感じ。結局脳内でなんか行われていたのかとかいうちょっとなぁ・・・私の心がイマイチなのかも
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小川作品の中で一番好きです。現実と虚構とが緩やかに溶け合って、そして今と過去とが重なり合う。この空気と質感が堪りません。
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物語全体に横たわる静けさが好き。
夫と別れたり突発性難聴にかかったりと寂しさもあるけれど、
時々ふわりと降り注ぐ優しさに何だか温かくなった。
読み終わった後の余韻に耳を澄ませたくなる本。
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小川さんは、非常に繊細かつ喪失感あふれる文章が好きです。
余白の愛は特に登場人物の身体に対する細かな描写が素敵だと思う。